江草 乗の言いたい放題
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2014年03月13日(木) 100兆円がバカの壁に消える        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan




 東日本大震災から3年が過ぎた。震災復興はなかなか進まないのだが、早々と利権乞食の政治家どもが群がってる事業がある。それは防潮堤の建設事業である。中途半端な防潮堤を建設しても何の役にも立たず、かといって今回の津波を完全に阻止できるほどの巨大な堤防で海岸線を覆い尽くそうと思ったら、100兆円くらいかけて高さ30mほどの巨大な「バカの壁」を延長300キロほど建設しないといけないのである。そんなことは実際不可能だし、もしもそんなものを建設すれば「現代の万里の長城」と世界中から揶揄されるだろう。

 実際に被害を減らすことに貢献したのは、中途半端な防潮堤ではなく、適切な防災教育と、避難誘導ではなかったか。釜石市の中学校の例を見るまでもなく、それが実際の津波から身を守るのにもっとも有効なことは誰の目にも明らかである。しかし、防災教育と避難訓練の徹底なんて、政治家や土建屋には全然うまみがないのである。せっかく復興予算という名のゼニがふんだんにあるのだ。それを自分たちのフトコロにどうすれば入れることができるか。利権にまみれたクソ政治家どもはそれしか考えてないのである。そのためにはなんとかしてこの無意味な「バカの壁」を建設したいのである。

 実際に「バカの壁」建設を推進するのは地元の議員や利権のお裾分けをもらえる住民や土建屋の関係者なんだが、オレが納得できないのはそこに貴重な税金が浪費されることだ。少子高齢化や治安の悪化、失業率の増加や産業の空洞化、労働市場のミスマッチなどこれからの日本にとって解決しないいけない大切な問題が数多くあるのに、そのために使える貴重なゼニがこの「バカの壁」のために浪費され、それは三陸地方の貴重な景観までもみごとにぶっつぶすという事実である。オレはあきれてしまうのだが、きっと地元住民の中には「バカの壁」をこよなく愛していて、その実現に命を賭けている方々も大勢いらっしゃるのだろう。

 自然災害は避けられない。起きることを前提にして対策を考える必要がある。もう一度津波がやってきたときにどうすればいいのか。1000年に一度だからとたかをくくってはいけない。大津波は今日やってくるかも知れないのだ。あれだけの被害を受けながら、どうすることがもっとも効果的なのか学習できていないのならば、それはあまりにも愚かなことである。

 海岸地域のすべての集落を高台に移転する必要は無い。高台に避難場所を設けて、住民が10分程度で避難完了するように避難路を整備し、寝たきりの老人などがいれば誰が運ぶかなどということを住民がきちっと把握してその情報を管理しておく。あるいは繭型の避難カプセルのようなものを各家庭に常備して、流されても必ず助かるようにするなどの工夫があればいい。球体の「緊急避難カプセル」を人口分用意したとしても「バカの壁」建設費に比べればはるかに安いはずである。

 日本はこれから少子化で人口減少に向かう。交通インフラはすでに十分整備されている。それなのに新たな新幹線も、赤字確実の高速道路も、リニアもみんな造ろうとしている。そこに莫大な利権が存在するからである。造ったことによって抱える莫大な借金を負担するのが将来の世代であり、老害政治家たちは賄賂だけを手にしてさっさとくたばっていく。そうして積み重ねられたのが1000兆円を超える日本政府の借金なのである。

 天文学的な借金を積み重ねながら破滅に向かって突き進む日本にとって、今回の「バカの壁」建設もまた破滅のひとつのステップに過ぎない。オレが生きているうちにその破滅は来るのだろうか。


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