江草 乗の言いたい放題
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2013年01月31日(木) それは「指導」という名の「いじめ」である        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 大阪市立桜宮高校で、顧問から長期にわたって殴られ続けたバスケット部の主将を務めていた少年が自殺するという痛ましい事件があった。チームが試合に負けた責任を「主将だから」と背負わされ、顧問教諭から何十発も殴られた彼にとって部活動とはいったいどんな世界だったのだろうか。楽しんで打ち込むはずのスポーツが、彼にとっては苦行でしかなかったのだろうか。

 スポーツの世界で実績を上げる指導者には二つのタイプがある。一つは豊富な経験と知識から個々の選手に最適の練習方法を指示し、その結果として選手の実力をぐんぐん伸ばすことができる人である。もう一つは合理的な練習方法よりも理不尽な恐怖によって選手を支配し、激しい練習に駆り立てるタイプである。桜宮高校のバスケット部の小村基監督(なぜ大手マスコミはこの暴行犯の氏名をいつまでも伏せてるのだろうか)はおそらく後者のタイプだったのだろう。

 「体罰」というのはなんらかのミスを犯したり、ルールを守れなかった者に対して行う制裁である。たとえば宿題を忘れた生徒に平手打ちするとか、遅刻した生徒のお尻を蹴り上げるとかいうことがあればそれはまぎれもなく「体罰」である。

 しかし、試合に負けた責任をとらせて主将をつるし上げるのはどうだろうか。バスケットボールのような団体競技での勝ち負けはそもそも一人の責任であることはありえないわけで、チームとしての勝ち負けであり、極端ないい方をすれば勝てるような戦略を与えられなかった監督(顧問教諭)の責任だということもできる。しかし、監督としては誰かに責任をとらせたいのである。そこで「おまえのせいで負けた」という人身御供を作る必要が出てくる。自殺した少年はそこで生け贄となって敗戦の責任を取らされたわけだ。またそうすることによって他の部員たちは責めを負わずに済むのである。

 顧問教諭によって行われている「いじめ」を見ていた側の他の部員たちの中に「キャプテンだけの責任じゃありません。ぼくらも殴って下さい」と言う者がいたのだろうか。そう、他の部員たちの分まで背負って彼は殴られ続けたのである。彼を生け贄として捧げることで他の部員たちは自分が殴られる可能性を少しでも減らすことができたからだ。いじめとはそういうものである。彼が主将を辞めたとしても、顧問教諭によっていじめられる対象が次の主将に代わるだけである。彼はなぜバスケット部の主将を辞めなかったのか。彼はその人身御供を自ら買って出たのだ。心優しい彼は他の生徒にその苦しみを背負わせたくなかったのかも知れない。しかし、結局は自分も背負いきれずについには自死を選んでしまったのである。なんとやりきれない結末だろうか。

 なぜ桜宮高校の生徒や保護者は自殺した少年の側に立てないのか。なぜ学校の体制を擁護し、顧問教諭を庇った発言をするのか。その理由ははっきりしている。それはこれが「体罰」事件ではなくて「いじめ」事件であり、顧問教諭による公開いじめを傍観した多くの他の部員や一般生徒たちは実は加害者の側でもあるからだ。橋下市長に対して殺害予告をツイッターに書き込んだりしてなんばシティの風風亭で気勢を上げている生徒たちの馬鹿さ加減についてはオレが改めて書くまでもないが、少なくとも部顧問によって洗脳されてしまっていたことは間違いない。人身御供とされるのは一部の生徒であり、その犠牲を傍観している他の部員生徒から見ればその顧問教諭のしていることは「熱心な指導」であり、恐怖によって支配された体制に対してなんの違和感も感じないのである。

 女子柔道の世界もそうしたおかしな指導がまかり通っていたようである。毎日新聞の記事を引用しよう。柔道といえばあの内柴容疑者のセクハラ指導が問題になったばかりだが、代わりを探すにもこんな指導者しかいないのでたぶん更迭もできないのだろう。オリンピックで期待通りの成績を出せなかった背景には、こんなクソみたいな指導者がいたのである。選手たちのやる気を失わせたのはこのクソ監督であることは間違いない。

女子柔道告発問題:全柔連「園田監督は続投」 現職警官、暴力認め戒告
毎日新聞 2013年01月30日 大阪夕刊
 柔道全日本女子の園田隆二監督(39)らから暴力やパワーハラスメントを受けたとして、ロンドン五輪女子代表選手ら15人が日本オリンピック委員会(JOC)に告発文を提出した問題で、全日本柔道連盟の小野沢弘史専務理事と村上清事務局長が30日、東京都文京区の講道館国際柔道センターで記者会見し、今月中旬に園田監督らに戒告処分を言い渡したことを明らかにした。告発文には園田監督の退任要求が含まれていたが、全柔連は園田監督が反省していることを考慮し、交代させない方針。また、告発した選手名はJOCから全柔連に伝えられていないという。【藤野智成、井沢真】
 小野沢専務理事によると、昨年9月下旬、全柔連に「園田監督が暴力行為をしている」との通報が入り、園田監督と被害を受けたとされる選手双方に聞き取り調査した結果、「ほぼ事実」と判断。園田監督に始末書を出させ、厳重注意処分とした。さらに12月には、園田監督らの暴力について15人連名でJOCへ告発文が提出されたため、全柔連で園田監督に聞き取り調査し、事実が確認されたため、今月19日に園田監督と元強化コーチに文書で戒告処分を言い渡した。全柔連の処分は(1)永久資格停止(2)一時資格停止(3)文書による戒告(4)口頭による注意−−に分かれている。
 全柔連として把握している園田監督の選手への暴力行為は10年8月〜12年2月の5件。平手や棒などで殴打していた。それ以外に元強化コーチによる暴力もあった。小野沢専務理事は「深刻に受け止めている」と謝罪した。
 JOCの平真事務局長は「JOCに文書が届いたのは12月。対応はまだ、決まっていない」と話している。
 園田監督は福岡県出身。明大時代の93年世界選手権男子60キロ級で金メダルを獲得。その後、警視庁入りし、現在も警察官。引退した後は全日本女子のコーチを経て08年から監督。全柔連は16年リオデジャネイロ五輪に向けた続投を決定している。


 選手から告発文が出てるのに園田氏は監督から外されることもなくそのまま留任である。どうせこの後で「告発したのは誰だ」という犯人捜しと、新たないじめが起きるのだろう。恐怖でしか選手を支配できないクソ監督のもとでオリンピックを目指さないといけない選手たちが哀れでならない。そんなことだから柔道はメダルが減ったのだとなぜわからないのだろうか。


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