江草 乗の言いたい放題
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2012年11月09日(金) 現代に孟子がやってきた!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 中国から「道徳」なんてものの価値が失われてから久しい。その失われた「道徳」を取り戻すために孔子や孟子が現代に復活したらどんなことになるだろうか。オレは最近そんなことを時々思うのである。

 ある時、孟子が突然胡錦涛(コキントウ)の前にやってきた。

胡錦涛:「叟、千里を遠しとせずして来たる。亦将に以って吾が国を利すること有らんか。」
(孟先生は数千年の時空の壁をこえてわざわざおいでくださいました。他の遊説家たちのように先生もまた我が国に利益をもたらそうとされるのですか?)

孟子:「何ぞ必ずしも利と曰はん。亦仁義あるのみ。」
(胡主席はどうして利益のことなどおっしゃる必要がありましょうか。古代の聖王と同じようにあなたもまた仁義の道があるだけです。)

胡錦涛:「仁義とは如何。」
(仁義?それはいったいなんだ。そんなものわしはさっぱりわからんぞ。)

孟子:「王は何を以って我が国を利せんと曰ひ、大夫は何を以って我が家を利せんと曰ひ、士・庶人は何を以って我が身を利せんと曰はば、上下交々利を征りて国危ふからん。」
(国家主席はどういう方法で自分の国に利益をもたらそうかと言い、党幹部はどういう方法で自分の家に利益をもたらそうかと言い、下級官吏や庶民はどうやって自分自身に利益をもたらそうかと言うならば、身分が上から下まで国民全てが利益を巡って争うことになり、国家の存続そのものが危うくなります。)

胡錦涛:「・・・・・」

孟子:「万乗の国、其の君を弑する者は、必ず千乗の家なり。千乗の国、其の君を弑する者は、必ず百乗の家なり。万に千を取り、千に百を取るは、多からずと為さず。苟しくも義を後にして利を先にするを為さば、奪はずんば饜かず。」
(兵車一万台を動員可能な大国において、もしその国の君主を殺す者があるとするならば、それは必ずその国の千乗の大夫です。千乗の国において、もしその国の君主を殺す者があるとするならば、それは必ずその国の百乗の大夫です。万乗の国に仕えて千乗の禄を受け、千乗の国に仕えて百乗の禄を受けるのは、禄として多くないことはありません。仮に義を後回しにして利を先にするようなことがあれば、相手のものを奪い尽くしてしまわなければ満足しないことになります。)

胡錦涛:「・・・・・」

孟子:「未だ仁にして其の親を遺つる者有らざるなり。未だ義にして其の君を後にする者有らざるなり。王も亦 仁義と曰はんのみ。何ぞ必ずしも利と曰はん。」
(情け深い思いやりの心がありながらその親を捨てるという者は、これまでいたためしがありません。義の心を忘れない人でありながらその君主を後回しにする者は、これまでいたためしがありません。胡錦涛主席もまた古の聖賢のように仁義のことを言われるだけでよいのです。どうして尖閣諸島は国家の核心的利益などと言う必要があるでしょうか、いや、言う必要はありません。」

 そう告げて孟子は胡錦涛の前からふっと姿を消した。

 国家にとって大切なもの、それは「仁義」だ。 「仁」とは民に対する思いやりの心であり、 「義」とはそれを実現するための正しい道筋、つまり正義である。民に対する思いやりの心がなければ政治は酷薄苛烈なものとなり、国民は納税のために国家に奉仕する奴隷のような存在になるだけである。またさまざまなことを決定する際に「義」が存在しなければ、すべての政治決定は正しい手続きを踏まずに密室の謀議によって利害関係者の調整の結果として行われてしまう。

 オレは中国のことを批判するために今日の日記を書いた。しかし、振り返って日本のことを見たときに日本の政治にもまた「仁義」など存在しないと思うのである。そもそも政治の世界が「仁義」というものをきちっと実現できていたことなどあるのだろうか。

 小沢一郎が自分の率いる党の名前を「国民の生活が第一」にした時、オレは笑った。「仁の意味すること」を党名にするなんて洒落てるじゃないか。おまえこそもっとも「党や自身の利益ばかり考えてるクソ政治家」の代表じゃないか。岩手の建設業界の談合の元締めのくせに何をふざけたこと言うんだ。「国民の生活が第一」と称しながら「自分の利益と国会議員のしての地位が大事」というのが本音だろう。

 上から下まで利益のことばかり考えて、上は他国の領土を強奪して自国領にする計画を着々と進め、党幹部は賄賂による不正な蓄財で豊かになり、下はイオンモールや平和堂で破壊や略奪をして日本製品を手に入れる。孟子が危惧したような状況になっているのが今の中国だ。

 野田総理には演説の場で、できればこの孟子の言葉を引用して中国政府を批判してもらいたかったのである。

「何ぞ必ずしも利と曰はん。亦仁義あるのみ。」

 あんたが言うべきことばは、まさにその一言だったのだ。


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