江草 乗の言いたい放題
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2011年09月08日(木) 日銀の愚とスイス国立銀行の英断        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 世界同時株安の中、資金の逃避先として円が買われて超円高となっていたわけだが、一銀が8月初めに行った円売りドル売り介入は全く効果がなかった。なぜか。日銀のこの介入はあくまで「介入しましたよ!」というアリバイ作りでしかなく、その金額からみれば鼻くそ程度であり、世界の為替ディーラーたちに「日銀の介入で下がった所から再度円を買う」チャンスを与えただけだったのだ。1ドル=76円台から瞬間的に80円台まで円は下げたが、数日後にはまた76円台に戻った。いわゆる「行って来い」の動きしかしなかったのである。

 しかし、スイス国立銀行は本気だった。円と同様に資金の逃避先として買われていたスイスフランも上がっていたからだ。これまでもスイス国立銀行はスイスフランを売り介入してきた。しかし今回、業を煮やして次のような声明を出したのである。読売新聞の記事を引用しよう。

【ロンドン=中沢謙介】スイス国立銀行(中央銀行)は6日、過度なスイス・フラン高を抑制するため、1ユーロ=1・20フランをフラン高の上限目標とし、それを上回るフラン高が進んだ場合は、制限を設定せずにフラン売りの為替介入を実施すると発表した。
 主要国の中央銀行が為替相場の目標水準を設定し、無制限の為替介入を表明するのは異例。スイス中銀が対ユーロで水準に上限を設けるのは初めてだ。
 同中銀は、「1ユーロ=1・20フランでもなお高い水準にある」とし、景気の動向によっては、さらなる措置を講じるとしている。
 スイス中銀の発表を受け、6日のロンドン外国為替市場では主要通貨に対してフランが売られ、対ユーロでは一時、発表前の1ユーロ=1・12フラン前後から約8%急落し、1ユーロ=1・22フラン前後までフラン安が進んだ。フランは対円では1フラン=96円台前半から1フラン=90円ちょうど辺りまで急落した。
(2011年9月6日22時16分 読売新聞)


 オレは今回の「仕組まれた世界同時株安」の流れを変えたのがこのスイス国立銀行の英断だと思っている。日銀には何もできなかった。しかし、スイス国立銀行は明確に「1ユーロ=1・20フラン」と具体的な数値目標を打ち出して、介入金額も「無制限」と発表したのだ。これによってギリシャの債務問題などで大きく売られてきたユーロが急反発したのである。

 ユーロがスイスフランによって買い支えられるということは、ユーロの価値にスイスフランという裏付けがなされるということになる。実はオレは以前にアメリカが元の切り上げを主張したときに、そんなことをすればドルがどんどん下がるだけじゃないかと予想した。その通り元が上昇すればするほどドルは下がった。なぜか、元との交換レートが固定されていたことが実はドルの価値を支えていたのである。もっともアメリカは自国の輸出産業を振興させるためにドル安を誘導しているわけで、政府の意図通りの結果になっているわけだ。GMはいつのまにか円高と東日本大震災の影響にあえぐトヨタを抜き去って販売台数世界第一位に返り咲いた。中国での販売台数の伸びがそれに大きく貢献したことは言うまでもない。元に対してドルを下がらせることでGM車は中国に売りやすくなったのである。

 日本時間で9月6日夜に行われたこのスイス国立銀行の発表後、世界の株価は急激に反発している。その日のNYダウは100ドル近く反発し、翌日7日の日経平均も170円以上値上がりした。そして7日のNYダウはさらに大きく反発している。ギリシア債務不安→ユーロ安、円高ドル安というアメリカによって仕組まれた世界同時株安の流れを見事の断ち切ったのがスイス国立銀行だったわけだ。スイス国立銀行の発表後、円もドルに対して大きく値下がりした。なぜ同時に円も売られたのか。スイスがやるなら日本も円売り介入やるかも知れないと警戒されたからである。腰抜けの日銀がやるわけないとオレは思っていたのだが、こういうときに円売り介入すれば一気に円安に誘導できたかも知れないのである。しかし日銀は動かなかった。せっかく流れが変わろうとしているのに、そこで行動できない日銀の愚かさにオレは深く絶望している。

 前日のスイスのこの動きを受けて、日銀にも何かの動きがあると多くの投資家たちが期待した。しかし日銀は金融政策に関して「現状維持」というスタンスを維持したままだった。ここで何らかの強いメッセージを出さなければ、つまり東西の「資金逃避先」の代表であるスイスフランと円がなんらかの対策を講じなければいけないことにまだ気が付いていないのか。スイスフラン買いをあきらめた投資家たちが、すべて円買いに回ればどうなるのか。日銀の愚かさは世界に迷惑をかけ続けているのだ。、


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