江草 乗の言いたい放題
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2011年07月16日(土) ぼったくり更新料は悪しき習慣である        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 バブル崩壊後の20年、さまざまなものの価格破壊が起きた。給料も増えなくなったが物価も下がった。株価も下がったしドルも下がった。パソコンも驚くほど安くなった。牛丼の値段もマクドナルドのハンバーガーも下がった。100円ショップが隆盛を極め、たいていの日用雑貨がそこで手にはいるようになった。下がらなかったのは大学の授業料と家賃くらいである。そう、なぜ家賃の価格破壊は起きなかったのか。オレはそれが最大の疑問だったのである。日本には700万戸の空き家があるという。それならもっと価格破壊が起きていてもおかしくはないはずなのに下がってこないのである。これはもしかしたら貸し主が不当なカルテルを結んで家賃を高止まりさせているとしか思えないのである。きちっと市場原理に基づいて価格を決定させるべきだ。激安物件が出ないようになんらかの作為があるとしかオレには思えないのである。

 その家賃を高止まりさせている元凶の一つである「更新料」という悪辣なぼったくりシステムを容認する判決が最高裁で出た。最高裁は金持ちの味方だったというただそれだけのことなんだが、オレはこの判決に絶望したのである。貸し主が圧倒的に強かった時代はもう終わった。今のような大量空き家時代にこの判決が妥当だろうか。「契約書に書いてあったから有効だ!おまえはそれを知って契約したんだろう!」ということなんだが、1年ごとに2ヶ月分もぼったくられる更新料がそもそも公序良俗に反したものであり、家主を不当に儲けさせていることは誰もが感じていることだ。それをきちっと判決の形で示すのが最高裁の役割ではないのか。「なに、一年ごとに2ヶ月分だと? しかも借り主の事情で年度の途中で退去になっても返さないだと? ふざけるなよこの強欲ジジイめ!」と市民感覚に即した判決をなぜ出さなかったのかとオレは思うのである。

 なぜ京都と東京に更新料があるのか裁判官はわかってるのか。京都と東京はもともと学生の多い土地柄で、2年くらいで入居者がどんどん入れ替わってそのたびに家主には新規の入居者が発生して礼金とかが儲かるわけだ。ところが入居者の中に4年も5年も住んでるヤツが居ると儲からない。それで長期間住んでいる入居者からもゼニをどんどんぼったくれるようにと考え出された仕組みがこの「更新料」なのである。そういうふざけたぼったくりシステムをお上は容認すべきではなかったのだ。入居時に一時的にゼニが居るのは、前の入居者が汚した部屋の清掃とか、畳を替えたり壁紙を変えたりして新しい入居者のために部屋をきれいにして準備するという性格があったはずである。だから長期間住んでいる人間から途中でゼニをふんだくることには正当な理由など無いのである。この更新料というぼったくりシステムのおかげで家主は不当に利益を上げることができて、入居率が低くてもやっていけたのである。コストに対して倍の価格を設定することによって、入居率50%でもやっていける仕組みが完成したのだ。

 家賃の価格破壊が起きなかった原因はこれだけではない。もう一つ、政府の住宅政策の大きな誤りもその元凶である。公営住宅やURの賃貸住宅がもしも低廉な家賃で提供されていれば、それに合わせて民間賃貸住宅の家賃も下がっただろう。しかし、現実には地域で一番高いぼったくり家賃なのがURの賃貸住宅なのである。河内松原駅前にあるアーベイン松原の家賃をネットで調べてみるとその家賃のぼったくりぶりにびっくりする。3LDKで10万円以上だ。しかし、そのマンションは中古で1000万円ほどで買えるのである。利回り12%の物件なのだ。いかにぼったくりであるかがわかるだろう。

 家賃が高止まりしているために、国と地方自治体がが支出する生活保護費の多くがその家主に還流し、金持ちをますます金持ちにするのである。派遣社員や非正規雇用で収入の少ない若者が高家賃を負担させられるために若者はますます貧しくなるのである。そして家主たちはたいてい高齢者だ。若者からぼったくられたゼニはそのまま流動性のない預貯金となって貯め込まれて市場で流通することなく、結果的にますます景気が悪くなってしまうのである。入居者にいっそ住宅ローンを組んだ方が得だと思わせるような高家賃が果たして妥当だろうか。低賃金の若者が収入の半分近くを家賃に巻き上げられる状況を放置していていいのだろうか。

 更新料を「ぼったくりすぎ!」と認定し、取りすぎた分を返せ!という判決が出ればこれまでぼったくりで甘い汁を吸っていた家主たちは震え上がるだろう。「こんなもの払わなくてもいい」ということになれば入居者たちは大喜びだろう。

 強欲家主の側は「契約時は更新料を了解していたはずだ!」と主張するだろうが、だったらサラ金の過払い金を見てみろよ。あれだって借りるときは了解していたのに、後から決まったルールが過去の貸出金にすべて適用されてるじゃないか。もっともそのせいでサラ金がバタバタつぶれているわけだが。家主もつぶしてやれよ。どんどん破産させてやれよ。それではじめて市場原理が働くのだから。

 高すぎる家賃が暴落して、人々が住居費に無駄なゼニを使う必要が無くなったとき、国民は真に豊かな生活を享受できるようになるのだ。オレは以前にこの日記で「かつて家にはお母さんがいた」という論考を書いた。間違った住宅政策が国民を貧しくし、今の情けない世の中を作ってしまったのである。いつから日本はこんなみじめな国になってしまったのか。どうして家族は崩壊したのか。すべては政府のこの間違った住宅政策に原因があるのだ。誰もこのことに気がついていないのである。このことをまともに主張しているのはオレの日記だけだ。

 高度成長の頃の日本は確かに貧しかった。でも街には大量の「文化住宅」という低家賃の賃貸住宅が存在した。大卒の初任給が3万円くらいのときに、わずか3000円ほどの家賃で住める住宅があったのだ。家族5人が2DKで暮らすというつつましい生活であっても、そこには濃密な家族の絆があり、幸福な営みがあったのである。

 一人暮らしの老人が月々10万円近い生活保護を受けとり、その半分以上が家賃として吸い上げられる今、一番裕福なのはそのゼニで肥え太った家主どもである。国と地方自治体が支出している生活保護費3兆円の半分近くが家賃として消えているのだ。ここで家賃の価格破壊が起きれば、生活保護費を削減することも可能になるし、若者の貧困も解消するのである。一部の家主どもが破産してもそんなことは全体にもたらさせる利益からみればたいしたことではないのだ。


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