江草 乗の言いたい放題
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2008年12月01日(月) 自由にタバコが吸える高校があった!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 ルールに従わない高校生を学校側はどうやって指導すればいいのか。修学旅行の時に生徒が集団万引きする学校があったり、校舎内で隠れて喫煙して火事になりかけたり、馬鹿のやることは我々真っ当な人間からは想像もつかないようなことが多い。そんなヤツは最初から入学させなかったら指導も楽なのだが、そうすると人権派の弁護士とかが「学力は基準を満たしてるのになぜ合格させないのか!」とくるのである。入学試験の偏差値の低い高校ではその基準自体が恐ろしく低いことをどうやらその弁護士は知らないのだろう。定員割れしてるような学校はどんなに学力の低い生徒でも入学させないといけないのだろうか。公立高校が公費で運営されてることを思えば、全くやる気のない生徒まで公立高校が面倒を見ていることはどう考えてもおかしいとオレは思うのだが。

 そうした問題児たちが仮に入学してきたとしても、どの高校でもルールを守らない生徒に対して停学や退学などの処分が行われるわけで、全く勉強しなかったら試験でも点数が取れずに留年ということになるだろう。そういう状況の中で不登校になってしまったり中退したりする生徒も多数出るわけだが、逆にそうして不登校や中退になった高校生たちを全国から受け入れる高校も存在するのである。そのジャンルでは北星学園余市高校が先駆者として名高いが、同様のコンセプトでスタートした全寮制の私立黄柳野(つげの)高校というところが愛知県新城市に1995年に開校していたのである。もともと問題を抱えた生徒ばかりが入学してくるだけに先生方の苦労も大変なものだっただろう。

 喫煙の習慣は麻薬みたいなものである。すでにカラダがニコチンを求めるようになってしまっているわけで、教師がいくら「吸うな!」と指導したところで生徒は隠れて吸うだろう。それを摘発した学校側の対処としては停学などの処分を与えることになる。ところがその件数があまりに多くてもはや処分が追いつかないようになればどうすればいいのか。そんなひどい実態の学校にオレは勤務したことがないので想像もつかないのだが、なんとそこで黄柳野(つげの)高校では「ルール違反を黙認」するという方針を打ち出したのである。「喫煙は決められた場所でフリーパス」という高校にあるまじき対処をこの高校では実行したのである。毎日新聞の記事を引用しよう。

黄柳野高:学生寮に喫煙室 県条例違反容疑で捜索 愛知
 愛知県新城市の私立黄柳野(つげの)高校が学生寮に喫煙室を設置したとして、県警少年課が県青少年保護育成条例違反(喫煙場所の提供)容疑で同校を家宅捜索していたことが分かった。同校は「禁煙指導室であり、喫煙室ではない」としているが、生徒の喫煙を黙認していた。県警は教職員らから事情聴取し、容疑が固まり次第、書類送検する。
 家宅捜索は29日に行われ、県警は灰皿などを押収した。
 同校によると、喫煙室は「禁煙指導室」との呼称で07年4月、4棟ある男子寮に1室ずつ設置された。同校では同年1月、女子寮で、たばこが原因とみられるぼやが発生。「隠れて山林でたばこを吸って山火事になったら周囲に迷惑をかける」などの理由から寮に喫煙場所を設けた。「禁煙させることが目的」とされるが、常に開放された状態で、生徒は自由に出入りし喫煙していたという。押収された灰皿について同校は「生徒が用意した。学校は置いていない」と釈明している。女子寮(1棟)については生徒が外に喫煙所を設けていたという。
 同校は禁煙指導室を閉鎖する方針で、1日の全校集会を開いて生徒に経緯を説明する。辻田一成校長は「苦しい選択だったが、喫煙を容認していると受け止められても仕方がない。来年度から喫煙する生徒は入学させないつもりだ」と話している。
 同校は95年開校。全寮制で生徒数231人。不登校の生徒や中退者を全国から受け入れている。【加藤新市、福島祥】


 今回書類送検された先生方に対してオレは同情するのである。いくら注意してもきかない喫煙をやめないアホを相手にして、先生方がついに根負けして容認したという経緯が容易に想像できるからである。この場合悪いのは喫煙をやめない生徒であって、生徒が喫煙することはあくまで生徒自身の罪であり、その学校の先生方の責任ではない。不登校や中退者を全国から受け入れたということはもともと問題児が集まってくる可能性が高かったわけで、その中に喫煙常習者がいてもちっともおかしくはないのだが。オレは自分の勤務する高校で休み時間まで熱心に勉強し、大学受験のために必死に机に向かうまじめな生徒たちに日常的に接しているが、それは現在の高校生の平均的姿ではないだろう。平均的高校生というのはもっと勉強しないで遊んでばかりいるはずだ。そうでなければWiiやDSがこんなに売れるはずがない。そして平均以下の高校生というのは反社会的行動ばかりとっている犯罪者予備軍みたいなもので、そのむちゃくちゃなヤツらが覚せい剤を使用したり大麻を校内で売買していたりするのだろう。

 ここではっきりさせておきたいことがある。生徒がタバコをやめないのは生徒の罪であり、やめさせられなかった教師の罪ではない。どうしてもやめない馬鹿もいるのである。それなのに今回書類送検されるのはこの学校の側だという。なぜ吸っていた生徒を逮捕してくれないのだろうか。「おまえらがタバコをやめるまで留置場に放り込んでおく」くらいの罰がなぜ与えられないのか。

 オレがこういうことを書くと、喫煙者側から「たかがタバコくらいでなんで留置場なんですか。停学も厳しすぎますよ!」という反論が返ってきそうである。「たかがタバコ」と考えている人とオレとは議論の立脚点がねじれの位置にあるわけで、議論そのものが成立しないからここでは無視したい。

 喫煙室を設置したのは、黙認するように見せかけて話し合いの中で徐々に喫煙人口を減らそうとした学校側の苦肉の策だったらしい。ハイレベルの入学試験を実施して学力の高い生徒だけを入学させるような高校とは違うのである。この私立黄柳野(つげの)高校には他校をドロップアウトした生徒が集まってくるのだ。喫煙率もかなり高いだろう。その生徒たちに対して直球ストレートの「処分」一辺倒で臨まずに「喫煙室設置」という変化球で指導しようとした工夫はとりあえずは評価したいのである。体罰が禁止されてる以上タバコを吸ってる生徒をみんなぶん殴るというわけにもいかないわけで、問題児どもは教師や学校を最初から舐めてるだろうし、実にやりにくいのである。

 また別の考え方をすると、喫煙者たちというのは自分の命を削ってまで国に税金を納めてくれている立派な人たちということも言えるのだ。喫煙率が倍になればたばこ税も2倍入ってくるのである。警察が本気で取り締まる気がないのはおそらくそのせいだろう。

 どこかの女子大で「喫煙者は入学させない」というルールがあって、喫煙癖を隠して入学した生徒が、後からバレたために退学勧告を受け、逆ギレして「この程度のことで退学か!」と暴れていた事件があったなあ。

 今回のことに関してオレはなんとも言えないのである。高校もいろいろだ。みんなが受験勉強に打ち込む高校もあれば、生徒が校内で大麻や覚せい剤を売買してる高校もある。今回問題とされたその喫煙常習生徒たちに直接接していない以上、何が真実なのかはわからない。「タバコを吸うような生徒は退学だ!と強気でいられる私学はもしかしたら少数で、「喫煙者であろうが馬鹿であろうが経営のためにはどんな生徒も欲しい。授業料さえ払ってくれるならば文句は言わない」という学校もかなり増えてるのかも知れない。


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