江草 乗の言いたい放題
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2008年09月23日(火) そのゴキブリを殺せ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 わが家には多くのゴキブリが棲息している。なぜこんなに多いのだろうかと思うが、古い日本家屋なのできっと隠れ場所がたくさんあるからなんだろうとあきらめている。それに輪を掛けてゴキブリが多いのは、オレの妻がゴキブリ退治に対して全く情熱をもっていないからである。それどころか、オレがゴキブリを目の前で殺害すると怒るのである。床にいるゴキブリをスリッパで撃ち殺すと、当然のことだが床にはゴキブリの体液が付着することになる。それが妻には耐えられないということなのだ。どうしてそんな場所で殺すのか!と妻は怒るのである。つまりわが家ではゴキブリを殺す時に部屋を汚さないで殺すという困難な課題が伴うのだ。数日前もまな板の上でまな板を舐めているゴキブリを発見したが、そこで殺したらおそらく妻はそのまな板を捨てるだろう。オレが打撃をためらった瞬間にゴキブリはすばやく逃走して、食器棚の後ろの空間に入り込んだのである。そうなるともう手出しできない。そうしていつも取り逃がすのである。

 もちろん、ゴキブリホイホイという便利なものが市販されていて、それを仕掛けるとゴキブリはいくらでも捕獲可能である。しかし、妻はそのゴキブリホイホイを嫌うのである。それは、そこにゴキブリが捕まってるという事実を妻が嫌うからだ。ゴキブリ捕獲装置とはすなわち、ゴキブリ誘因装置であり、それが妻にはどうも許せないらしいのである。だったらどうすればいいのか。ゴキブリを見つけたときの妻の反応は「逃げる」である。

「一匹いるということは100匹隠れてるということ。今一匹殺したところで全体の数にはたいした違いはない。だから殺しても無駄!」

というのが妻の理屈である。しかしオレは「その一匹を逃がせばまたそこから繁殖して増加する。一匹ずつでも殺し続ければいつかは減らすことが可能だ!」と思っていて、いつも妻とは意見が対立するのだ。

 深夜にちょっとコンビニに行こうと思い立って勝手口から出ようとすると、自転車置き場の足元にゴキブリが出現する。オレはとっさにそこにあった妻のサンダルをつかみ、それを地面にたたきつけてゴキブリを殺害する。目の前にある無惨なゴキブリの死骸をそのまま放置する。朝になって、妻がその干からびたゴキブリの死骸を目撃して「きゃあ!」とか叫ぶ様を想像してオレはわざとその死体をその場に遺棄するのである。まさか妻もその殺害行為に自分のサンダルが使われたとは思いも寄らないだろう。もしもそれを知ったら二度とそのサンダルを履かないだろう。だからこのことは言わない方がいいのである。そのサンダルはゴキブリ叩きにちょうどいい軽さと、裏側の平面部分を持つのである。

 ついさっき、オレは大便のためにトイレに入った。洋式便器に腰掛けてふと扉を見るとそこにゴキブリがへばりついていた。もしもドアをのんびり開けたらそいつはトイレから外へ出ていただろう。いや、なぜそこにゴキブリが存在するかなのだが、実はわが家のトイレの壁と床下の間には2ミリほどの隙間があって、そこからゴキブリたちは出入りしてるようなのである。屋外からわが家に侵入するために開口部がそこに存在するのだ。

 排便のためにきばってる間、ゴキブリの野郎は悠然とオレの目の前を闊歩していた。オレはすばやくケツを拭いてまわりに何か武器がないかを探した。スリッパを使って叩くと、オレはトイレの中で裸足にならないといけない。それは困るなあと思って周囲を探すと、手の届くところに「トイレマジックリン」という霧吹きスプレー式の洗浄剤があった。ためしにそいつを目の前のゴキブリに浴びせてみると、直撃はさせられなかったもののしぶきの一部を浴びせることに成功した。ゴキブリはすごい速度でオレの足元から便器の背後に回り込んだのである。やばい、このままではあの開口部から逃げられてしまう。オレは先回りしてその開口部にたっぷりとマジックリンを浴びせて泡だらけにした。そこにやってきたゴキブリは、目の前の泡を見て泡をくったように引き返した。オレはすかさず間近からマジックリンを噴射した。直撃させるのに成功して、ゴキブリはぴくぴくと断末魔の症状になった。「なんだ、こんなので簡単に死ぬのだな」とオレは安心してそのまま出ようと思ったのだが、そのときにゴキブリは最後の力を振り絞ってオレが開いた扉の方に逃走しようとしたのである。その動きを事前に察知したオレはすぐにトイレの扉を閉じて、最後の力を出したゴキブリにもういちどていねいにマジックリンの液を浴びせたのだ。ざまあみやがれ!

 今度はかなりのダメージだったのか、ゴキブリは腹を上にしてピクピクとけいれんしたようになった。オレはその腹にも再度マジックリンの現液を垂らした。やがてゴキブリは動かなくなったのである。やったぜ!

 ゴキブリ一匹殺せない女が一家の妻として家事をこなせるだろうか。家事能力の中に「対ゴキブリ対処力」というのは通常含まれるのだろうか。なぜ家庭科の授業で「害虫対策」をちゃんと教えてくれないのだろうか。動き回るゴキブリを手近な道具で叩き殺せる反射神経と動体視力は主婦にとって大切な力であるとオレは思うのである。オレの母はゴキブリを見つけるとさっさと自分で殺している。もう70代半ばなのにどうしてそんなにすばやく殺せるのか。ゴキブリ駆除は家事能力の一つなんだなと改めて思うのである。


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