江草 乗の言いたい放題
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2008年09月19日(金) サンル川のサクラマスを守れ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 巨大なダムを建設するという公共事業は、果たしてそれ自体に意味があるのか。それだけの環境負荷を与えながら、ただ税金をばらまいてゼネコンに仕事を与え、利権だけが目的の行政側の自慰行為なんだったら、いっそ工事などしないでゼニだけその連中にくれてやれと思うのである。たとえば530億円のゼニを使う代わりに、工事の利権に群がる連中に1割の53億を山分けさせてやるから、どうか余計なダムを造らないでくれとオレは思うのだ。そうしたらドブに捨てる税金も一割で済むし、自然環境も守られるのである。これからは「1割山分け」という方針で税金の無駄遣いをなくしていくのがいいじゃないかとオレは勝手に思うのである。

 天塩川の支流にサンル川と呼ばれる川があって、その流域面積は天塩川の流域面積の3%ほどしかないのだが、自然環境がそのまま残されていて約3000匹のサクラマスの遡上・産卵が観測されている。そこに利権に群がるハイエナどもがダムを造ろうとしているのである。読売新聞のWEBサイトの記事を引用しよう。

サクラマスの産卵、ダム建設で危機…北海道・天塩川支流
 北海道北部を流れる天塩川の支流サンル川で、日本海から200キロ・メートル近く遡上(そじょう)してきたサクラマスが産卵の季節を迎えている。
 川底の砂利を尾でたたきつけて産卵床を掘るメスに、鮮やかな桜色の腹のオスが寄り添い、産卵を促す姿があちこちで繰り広げられた。
 砂防ダムなどがないサンル川は毎年、国内最大規模の約3000匹のサクラマスが遡上する。しかし、多目的ダムの建設が下川町で来年度にも始まる予定で、多くの産卵床もダム湖に沈む。このため国は、高低差約30メートルの階段式魚道や、ダム湖を迂回(うかい)する約9キロ・メートルの魚用バイパスなどの措置を検討。今月10日から試験用魚道での遡上観察を始めた。(2008年9月17日15時30分 読売新聞)


 サンルダムの建設工事は来年から始まるという。それで階段式魚道や魚用バイパスなどが建設されようとしてるわけだが、このダム建設によってそこにある産卵床が水没してしまうのである。この川で暮らしてきたサクラマスにとって、それがどれだけ生活環境を破壊されることであるか。

 この建設計画が発表されたのは1992年、それがようやく来年着工に向かうことになったのだが、530億円という建設費を投入するだけの意味があるのか。それだけのゼニがあればどれほど地域のために使えうるだろうか。オレには納得がいかないのである。多目的ダムということで「治水対策」「生活用水」「環境保全」「水力発電」の4つの目的で建設されるという。この中で「環境保全」に対しては「あほか!」と思うだけで即却下である。「生活用水」とあるが、人口がどんどん減少しているこの地区で今後生活用水が不足するなんてことはありえないから却下。「水力発電」だが、こんなところに小規模な発電施設を作ったところで、生み出せる電力は知れているからそれも却下だ。となると残るのは「治水対策」でしかないのだが、そもそもダム建設が本当に治水対策になるのか。日本中にこんなにダムがあるのに、なぜ大雨や台風による洪水はなくならないのか。もっとダムを増やせばいいと主張するアホもいるかも知れないが、ダムというものが本質的に治水対策に役立たないどころか、かえって水害の原因になっている場合もあることを忘れてはならない。

 青森県に目屋ダムという昭和35年に完成したダムがあるが、ダム建設と同時に立派な林道が建設され、上流域での伐採過多のために崩壊した土砂が流入して堆砂でどんどん埋まってしまいダムが用をなさず、そのために下流域で水害が多発するようになってしまったのである。こんな余計なダムがなかったら堆砂も発生しないし、森林破壊も起きなかったという典型である。地元ではそれを教訓にするどころか、目屋ダムの60m下流に3倍の大きさの津軽ダムというのを作って、数倍の面積のダム湖で貯水量を回復させようとしているのである。どうせまだ30年も経てば、その下にさらに5倍くらいのダムを造るのだろう。こうやってダムを作り続ければ永遠に利権は守られるし、地元の土建屋は仕事ができる。地元選出の田舎議員どももこの馬鹿事業の利権に群がってゼニが入ってくる立場なのでみんな大賛成である。オレはただ「アホか!」と思うだけだ。都会の人間が払った税金が、そんなクソ田舎の自慰的公共事業に使われるなんて馬鹿馬鹿しすぎるのだ。どうせなら1割をおまえら田舎者にタダでくれてやるから残りを返してくれと言いたくなるのだ。

 田舎の二束三文の土地は確かに売ろうとしても二束三文の価値しかないかも知れない。しかし、その土地にそのままの自然が残されてるというだけでゼニには換算できない価値があるのだ。しかし、田舎者はそれをゼニに換えたがるのである。どうせ田舎者どもはそのゼニをもらったとしてもパチンコ屋や風俗店で使ってしまって後には何も残らないのに、それでも先祖伝来の土地を手放して、今の自分の快楽のために使いたいのだ。この田舎者どもの愚かさが日本の環境破壊を先導してきたとオレは思っているのである。高層道路や新幹線、ダムのおかげで二束三文の土地が巨額のゼニに化けるというイナカモンドリームが、日本中で多くの環境破壊を引き起こしてきたのだ。

話をサンルダムに戻すが、支流の中でも規模の小さなサンル川にダムを造ったところで、洪水時の水位低下効果はほんのわずかである。それなのに「治水対策」としての意味を強調するあたりにオレはうさんくささを感じるのだ。治水対策を考えるなら、下流域で川幅が狭まっていて洪水の危険のあると考えられる音威子府あたりで堤防を強化するとか、遊水池を作るとかの工夫をすれば済むことである。そのためにかかる費用は530億円もいらないだろう。

 ダムを建設すれば、今遡上しているサクラマスの多くは絶滅させられる。クマゲラやヒグマが棲息するという自然環境も大きなダメージを受けることは間違いない。その後に魚道を造ってバイパス河道を造って、どこかよそから運んできた稚魚を放流して、そうやってサクラマスを復活させたとして、それは人間の勝手な押しつけじゃないのか。手つかずのまま残しておくことがどうしてできないのか。費用対効果を考えたとき、530億円もの支出がこの地域の人口規模に対して適正なのか。オレはそんなことをあれこれと思うのである。この事業には税金が投入されるのである。オレは納税者の一人として、こんな馬鹿馬鹿しいゼニの使い方には断固反対したい。

 田舎者たちが必死でダムを造りたがるのは、もしも建設をやめれば期待したゼニが入ってこなくなるからである。彼らにあぶくゼニを保証し、しかも自然環境を守る最良の方法は何か。それはオレが提案する「1割バラマキ作戦」しかない。「1割分のゼニをおまえらに無条件にくれてやるからそれで満足してくれや!」30年後にまた田舎者どもがダムを造りたいと騒げば、またその乞食どもに1割くれてやればいいのである。今の日本で自然環境を守る現実的な方法はこれしかないのである。全くもって馬鹿馬鹿しい話である。


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