江草 乗の言いたい放題
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2007年12月09日(日) 教え子に因縁をつけた体育教師の話        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 長年教師をしてるといろんな場所で教え子に出会う。その昔、大阪南部の片田舎の公立高校に奉職していた頃は、近鉄南大阪線というローカル線の車両の中に必ず学校の関係者がいた。教え子であったり卒業生であったり生徒の保護者であったりだが、必ず誰か知ってる人に会ったのものである。それだけ顔見知りの率が高いということはすなわち田舎ということである。それ以外にもびっくりするようなところで教え子に出会うことがあった。交通違反で免停になって、講習を受けるために門真にある免許試験場に出向いたところ、窓口の係員が教え子だった。「先生、こんなところで何してるんですか!」と大声で言われて、周囲で待ってる人たちが一斉にこちらを振り向いたのでとってもバツが悪かったことを覚えている。もっとも彼はちょっと便宜を図って、私の講習の待ち時間を少なくしてくれたのだが。私がそういうよんどころない事情で有給休暇を取ったことはすぐにその教え子の口からバレることとなったのだから悪いことはできない。

 ファミレスで食事をしてるときに少し離れたテーブルから人がこちらに歩いてきて「先生ですか?」と声をかけられたこともたびたびある。きっとオレのような特徴のあるオッサンはいつまでも忘れられないのだろう。毎年多くの卒業生を送り出すこちらとしては相手を忘れていても、生徒の方はしっかりと覚えてくれているのである。ありがたいというのか、困ったというのか、これでは絶対に悪いことができないのである。

 ところが自分の元教え子が元教え子であることに気づかずに暴行を加えた、ちょっと危ない教師がいたのである。鳥取県の話である。読売新聞のWEBサイトから記事を引用しよう。

恩師がいた、と顔見たら…「文句あるのか」と殴られる
 顔を見たなどと因縁をつけ、男性2人を殴るなどしたとして、鳥取県警米子署は8日、私立米子松蔭高校教諭松本裕樹容疑者(38)(鳥取県米子市錦町)と双子の弟の同県境港市社会福祉協議会職員松本直樹容疑者(38)(境港市渡町)を暴力行為の疑いで逮捕した。
 男性の1人は裕樹容疑者の教え子で、恩師と気づいて見ただけだったが、同容疑者は最後まで気づかなかったという。
 調べによると、両容疑者は6日午前0時50分ごろ、米子市冨士見町のレストラン駐車場で、店内から出てきた同県内の男性会社員(34)と同じ会社の男性パート社員(23)に「店内で何をじろじろと見ていたのか。文句あるのか」と言いがかりをつけ、2人の胸ぐらをつかんで頭や顔を平手でたたいたり、パート社員の腹をけったりした疑い。
 パート社員は裕樹容疑者から保健体育の授業を受けており、「先生が店内にいるのに気づき、見ただけなのに……」と話しているという。(2007年12月8日20時34分 読売新聞)


 ファミレスの店内で恩師の存在に気づいたらついついそっちを見てしまうだろう。「先生かな?声をかけたいけどまずいかな・・・」と思ってちらちら見たりすることは当然あるだろう。そんなことはごく普通のことである。オレは外見に特徴があるせいか、電車に乗ると他の乗客からよくじろじろ見られるし、街を歩いていても女性からじろじろ見つめられることが多い。いい男である以上、そんな宿命はちゃんと受け入れなければならないのである。だからじろじろ見られていてもちっとも気にならない。もしかしたらその視線はオレに対する不審の念から来ているのかも知れない。「なんでこのオッサンはこんないい女を連れてるのだ!」という嫉妬から来るのかも知れない。それもまたひとつの必然として受け止めるしかない。

 できるだけオレは目立たないようにとハンチングをかぶり、サングラスをかけ、街の風景に埋没しようと心がけているのだが、残念ながらそれでもバレてしまって教え子や暴言日記の読者から声をかけられてしまうのである。これまでに何度も見知らぬ人から「江草先生ですか?」と声をかけられたことがある。誰が見てるかわからないのでもう絶対に悪いことはできないのである。

さて、自分たちをじろじろ見ていたという理由で駐車場で待ち伏せして出てきたところに因縁をつけたこの松本裕樹、松本直樹の双子の兄弟だが、兄が私学教員というだけではなくて弟も社会福祉協議会職員とお堅いところにつとめているのである。駐車場で待ち伏せして殴ったという行為だけを見れば暴力団員かと思ってしまうが、しごくまっとうな職業だったのである。それだけにオレは驚いたのである。どうしてそんな職業なのに街のチンピラまがいのことをしたのかと。おそらく学校の方は懲戒解雇されるだろうし、社会福祉協議会の方もこんな乱暴者はお呼びじゃないだろう。自分たちのしでかした行為に対して、失うもの、払うべき代償はあまりにも大きいのである。

 それにしてもこういうチンピラまがいの連中はどうして「顔をじろじろ見られる」ことに対して怒るのだろうか。よほど自分の顔に自信がない情けない連中が多いのだろうか。容姿に自信が有れば堂々と振る舞えばいいのである。このオレ自身がいつもそうしているのだ。オレはいくら見られても平気だ。顔をじろじろ見ることを関西では「メンチを切る」という。見られた側は「ワレ、いまメンチ切ったやろ?」というセリフで相手に因縁をつけるのである。この事件は米子で起きている。米子のツッパリたちはどんなセリフを標準で使ってるのだろうか?そんなの顔を見られたくないと言うことは、見られるのがとっても恥ずかしいようなひどい顔の連中がツッパリグループには多いということなのだろうか。それはご愁傷様である。もう顔は直せないからせめて性格だけでも素直で穏やかになってくれ。


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