江草 乗の言いたい放題
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2007年07月18日(水) 原発は本当に安全なのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 7月16日に発生した新潟県中越沖地震で、当初は「放射能漏れはなし」と発表された柏崎刈羽原子力発電所で次々とトラブルの報告がされている。今回の地震では震源に近かったこともあり想定を超える激しい揺れが発生し、そのために予期せぬ事態になっているという。だが、この程度の地震で「想定を超える」わけだから、いかにその耐震設計というのが甘めの数値であるかは一目瞭然である。もしももっと大きな揺れで、震源が原子炉の真下であったならば、想定を超えたひどい被害が発生したとは言えないだろうか。原発周辺に設置された排出放射能を測定する装置が都合良く故障してるあたり、どうも東京電力は何かを隠してるような気がしてならないのである。

柏崎刈羽原発、放射性物質は大気中にも 中越沖地震2007年07月17日23時32分
東京電力は17日、柏崎刈羽原子力発電所7号機(新潟県)の主排気筒から放射性物質が大気中に出たと発表した。新潟県中越沖地震の影響とみている。低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶約100本が倒れたり、消火用水配管から水が漏れたりするなど、同原発の1〜7号機で計50件の機器の故障や破損が見つかったことも明らかにした。想定を上回る地震の直撃で、原発の思わぬ弱点が浮かび上がった。
 主排気筒は、原子炉で発生した蒸気を冷やして水に戻す復水器内の空気を浄化し、大気中に放出する施設だ。17日午後に放射性物質が外部に漏れていないかを点検したところ、放射性のヨウ素やクロム、コバルトなどが検出された。
 東電によると、放出された放射能量は推定3億ベクレル。法令で定める量の1000分の1程度で、環境に影響はないという。放射性物質は通常外部に漏れず、なぜ大気中に漏れたかはわかっていない。1〜5号機では排気用のダクトにずれが見つかったが、放射性物質を含む気体が漏れた可能性は低いという。
 また、低レベル廃棄物入りのドラム缶約100本が倒れて数本のふたがはずれ、床の一部から1平方センチあたり0.5ベクレルの放射性物質が検出された。缶にはネジや配管の一部、手袋、焼却灰などを入れてあり、貯蔵庫2棟に計約2万2000本が保管されていた。
 一方、同原発6号機で16日に使用済み核燃料プールから微量の放射性物質を含む水があふれ、排水溝を通じて海に流れ出た問題は、17日も3秒に1滴の割合で原子炉建屋内に水漏れする状態が続いているが、海への流出は収まったという。ほかの原発6基の燃料プールでも水があふれ、建屋最上階の床が水びたしの状態という。
 また、地震直後に火災を起こした変圧器以外の変圧器7台でも、油が漏れたり地面に固定するボルトが折れたりしていたのが見つかった。消火用水の給水管も破損して水が漏れていた。東京電力では「複数の変圧器で火災が起きた可能性も否定できず、消火施設も十分機能しない状況だった。耐震補強工事も含め、検討が必要だ」としている。


 オレはこの報道で繰り返し強調される「微量」「環境に影響はない」という表現が気になるのだ。本当に微量なのかどうか、少なくともどれだけ排出されたかちゃんと把握されていないのに「微量」かどうかもわからないだろう。それはてめえらの希望的観測じゃないのか。

 使用済み核燃料プールの水が簡単に海に流れ出るような構造というのも問題じゃないか。「3秒に一滴」という説明は量の少なさを強調して「だから安全だ」と言いたいのだろうが、そういう説明をされればされるほどオレは眉に唾をつけたくなる。少なくとも地元住民の不安感はオレの比じゃないはずだ。放射性物質を含んだ排水が海に無造作に流されてしまったことはまぎれもない事実じゃないか。それが食物連鎖の形で濃縮され、最終的には我々の口に入るかも知れないのである。

 建物やパイプ、構造体にひびが入って放射性物質が漏れだしたとして、それがごく微量で環境に影響がないから即「安全」と言い切れるのだろうか。少なくとも漏れ出さないように耐震性や耐久性に関して最高の水準で設計されていたはずであり、それが地震で簡単に破綻するということはすなわち、原発という施設が地震に対する耐久性という点できわめて脆弱な構造であることを意味する。少なくとも今回の地震はその事実を我々の前に露呈させたのではないか。オレにはそうとしか思えないのである。

 原発の中にはもっと危険な場所に立地してるものもある。たとえば浜岡原発は活断層の真上にある。原子炉格納容器の真下で大きな地割れが発生しても大丈夫なのだろうか。震源から9キロも離れたところにあったのに当分の間使用不能な状態にまでメチャメチャにされてしまった柏崎刈羽原子力発電所のせいで、東電はこの夏電力不足に追い込まれる可能性すらある。ただそんなことは国内問題に過ぎない。地震国日本にたくさんの原発があり、その原発というのはこの程度のそれこそ日本では毎年あるような規模の地震でさえかなりのダメージを受けるという事実が世界に報道されているのである。今後世界各国から日本に対して「おまえの国に原発を持つ資格はない。地球を危機に陥れるつもりなのか?」という抗議が押し寄せればいったいどうするんだ。

 おそらく専門家の方たちはオレのこの素朴な疑問に対して「おまえはアホか!」と笑い飛ばすのだろう。ただその専門家の方たちの想定を超えた揺れが実際に起きているわけで、その事実を踏まえた上で今回の事実を受け止めてもらいたいとオレは改めて思うのである。100%の安全が達成されてこそはじめて科学技術というものは使えるようになるのだ。原子力発電がそのレベルに到達しているとはオレにはまだ思えないのである。

 参考に東京新聞夕刊の記事を貼り付けておく。

【関連】『危険性を過小評価』燃料棒破損の疑いも  2007年7月18日 夕刊
新潟県中越沖地震を受け、柏崎刈羽原発の直下に断層がある可能性を認めた東京電力。広報部は「設計時に今回の規模の地震は想定していなかった」と説明するが、専門家からは「国や東電の見立ては甘い」と指摘する声が上がる。東海地震の想定震源域の真上に立つ浜岡原発(静岡県御前崎市)を運転する中部電力は「安全性は確保されている」としている。
 京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「今回の事故で、国の安全審査や(断層は地震の原因にならないとした)東京高裁の判断は、危険性を過小に評価していたことが証明された」と指摘。「耐震設計にできるだけ費用を掛けたくないのが電力会社側の論理。そこに危険性を過小に見積もる余地がある」と話す。
 今中助教は「今回はヨウ素が大気中に放出されており、炉心内部にある燃料棒の破損が想定される。配管のひびや、制御系回りのトラブルが発見される恐れもある」と分析する。
 一方、地震で受けるダメージが国内で最大規模になると想定される中部電力浜岡原発。中部電は国の新しい原発耐震指針に照らし、今年一月に国に報告した安全性評価で「問題となる活断層は発見されなかった」と結論付けた。
 しかし、地元の感情などに配慮し、二〇〇五年十二月から自主的に配管の補強や地盤改良などの耐震性向上工事を開始。
 東海地震の想定地震動を従来の六〇〇ガルから一〇〇〇ガルに引き上げ、中央防災会議が想定する同地震の揺れ(三九五ガル)の二、三倍の揺れにも耐えられるよう二〇一〇年度までに全五基で工事を終える予定だ。


 今回の地震での柏崎原発の惨状並びに東電の姑息な事故隠しの体質に関してはきっこのブログ「恐怖の柏崎原発」に詳しく記載されているのでリンクしておきます。


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