江草 乗の言いたい放題
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2007年03月01日(木) 悪魔の命令で人を殺せば無罪です!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 きっこのブログさまがブログランキングの1位に返り咲かれました。おめでとうございます。やっぱり私の目標ですので1位に君臨してくださらないとなんだか寂しいです。これからもきっこさんを目標にして読者を増やしていきたいと思います。今年の折田先生画像を入手しました。2月25日の日記からリンクしています。


 人を殺せば「殺人」だ。巧妙に交通事故に見せかけて殺しても「業務上過失致死」だ。とにかく人を殺しておいて罪に問われないということはない。だから多くの殺人者たちは完全犯罪を完成させるために工夫したのである。巧妙なアリバイを作るとか、あるいは凶器や死体を隠すとかいうふうにして、涙ぐましい努力をしてきたのである。それでもバレて多くの犯罪者が逮捕され、罰を受けてきたのだ。

 しかし、この世には人を殺しても「心神喪失」ということで罪を問われないケースもあるのだ。どんな状態なら心神喪失なのか。たとえば認知症でまわりのことがわからなくなってる人が刃物を振り回したらそれが他の人に刺さって・・・という場合が考えられる。覚せい剤や麻薬で幻覚症状が出てるようなときも「心神喪失」と判断する裁判官もいる。しかし、人を殺すようなヤツはたいていその瞬間には我を忘れてるわけで、そういうのももしかしたら広義の「心神喪失」に含められるのではないかとオレは怖れてるのである。

 2004年の11月18日、大阪府茨木市で自殺目的でクルマを暴走させ、男女5人を次々はねた暴走男がいた。オレはその翌日の日記「早朝の全裸暴走ひき逃げ男」でこの事件について触れている。その暴走の時、この男は全裸でクルマを運転していたのである。この「全裸」という部分はかなり大切な要素である。まともな人間が果たして全裸でクルマを運転するだろうか。つまり、自分が尋常の人間じゃないということをアピールするのにこの真っ裸作戦はかなりの効果を上げたのである。裁判官も「こいつはかなり変だ」と思ってくれたのである。

 検察側はこの暴走男を殺人と殺人未遂の疑いで起訴した。自殺が目的で、自分を死刑にしてもらおうとして人を次々はねたという行為はちゃんと殺人罪を構成する要件を満たしてると考えたわけだ。しかし、日本一お馬鹿な判決を量産するあのお笑い裁判所、大阪地裁の判断はいつものようにかなり予想外だったのである。

車暴走で2人殺害、大阪地裁が「心神喪失」と無罪判決
大阪府茨木市で2004年11月、車を暴走させて男女5人をはね、2人を殺害したとして、殺人と同未遂の罪に問われた元新聞配達員の男(25)の判決が28日、大阪地裁であった。西田真基裁判長は「被告は当時、心神喪失状態で罪にならない」として、無罪(求刑・無期懲役)を言い渡した。
 男は、自殺の道連れに通行人を殺害しようと、同月18日早朝、同市内の路上で自転車に乗っていた会社員村田忠治郎さん(当時61歳)と同米林和夫さん(同56歳)を乗用車ではねて殺害し、男女3人に重傷を負わせたとして起訴された。
 男は公判で「自殺の道連れではなく、悪魔に命令されてやった」と供述し、精神鑑定では「責任能力がまったく失われていた」とされた。検察側は「心神耗弱状態だったが、心神喪失までには至っていない」としていた。
 判決で、西田裁判長は「犯行後、家族に『悪魔に5人殺してお前も死ねと言われた』と涙ながらに訴えるなどしており、当時、統合失調症が急激に重症化し、物事の善悪の判断や行動を制御する能力が失われていた」と結論づけた。
 判決後、遺族らが記者会見。村田さんの兄、恒治郎さん(67)は「犯人が無罪なら犠牲者は浮かばれない。こんな判決で社会の安全を守れるのか」と声を荒らげた。米林さんの妻、美紀子さん(56)は「なぜこんな結果になるのか。悔しい」と涙を浮かべた。
 清水治・大阪地検次席検事の話「判決内容を精査のうえ、上級庁とも協議して適切に対応したい」(2007年2月28日12時23分 読売新聞)

 
 犯行後にこの男が家族に向かって言った言葉「悪魔に5人殺してお前も死ねと言われた」が裁判官の無罪判決の最大の理由となってる可能性があるわけだが、精神鑑定でも「責任能力が全く失われていた」という結果が出ているという。こうなると裁判官はもう無罪以外の判決を出せないのだろうか。オレにはこの「悪魔」云々というのがどうも信じられないのである。そのように言えば無罪に出来るかも知れないという弁護士の入れ知恵ではないのか。そうであるとしかオレには思えないのである。統合失調症が急激に重症化してるわりには、ちゃんと家族ではなくて他人を殺してるのである。また「5人殺して」と言われてきっちり5人を殺せるのも不思議だ。責任能力が失われるほどの混乱状態ならば、しかもわざと人をはねる場合、何人はねたかということをいちいち数えていられるのだろうか。それが不思議なのである。

 この判決は多くのならず者たちに勇気を与えた。もしも人を殺しても。それが「悪魔の命令」なら無罪にしてもらえるという重要な判例になったのである。大阪地裁の馬鹿裁判官が発したクソ判決は、こうして一つの力になってしまうのである。もしもこの全裸暴走男がまた同様の事件を越しても「悪魔の命令だった」と答えればやはり無罪にするのか。統合失調症が改善したり治ったりしないのなら、これからも同じ類の事件を繰り返すことは容易に想像できる。

 オレは人を殺すという行為を犯せば、健康体であっても認知症であっても、統合失調症であっても、やった行為に軽重はないと思っている。人を差別しないということは、同じように扱うと言うことであり、同じ罪を犯しているのに一方は無期懲役や死刑でもう一方は無罪なんてことになれば、それこそが不当な差別差別ではないのか。公正、平等な社会というのは、悪を犯せば身分や出自、金持ちか貧乏か、容姿が美しいか醜いかなどによって差別されない社会のことである。この男は「統合失調症」というただそれだけの理由で、一般人と同じように刑務所に入れてもらえるというチャンスを奪われてしまったのだ。どう考えてもそれはおかしなことである。

 パリに留学していた佐川一政氏はそこで交際していた女子学生を殺してその肉を食べた。彼の父親が大金を使って有能な弁護士をつけてくれたおかげで、佐川氏は無罪という判決を受けて帰国した。「人肉を食べるなんてまともな人間のするじゃない」というふうに受け取られたのかも知れない。普通の人間には思いもよらないような突拍子な行動こそが「心神喪失」になるかどうかのカギである。たとえば女性が殺人事件を起こす場合、全裸で頭にパンティを被って襲いかかるとか、わざと目立つようにウェディングドレスを着ていくとか、頭にたいまつを取り付けて奇声を発しながら包丁を振り回すとか、常識人のおよそやりそうもない行動をすることで、馬鹿裁判官を巧妙に欺けるのだ。

 オレは犯罪には動機も情状酌量も不要だと思っている。犯罪はすべて結果によって処罰するべきだ。正当防衛であるか、よほどのやむを得ない事情でない限り、人を殺すような者は原則死刑にするというルールを作って欲しい。この全裸暴走男がこのまま釈放されれば、市民に及ぼす危険は計り知れないのである。


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