江草 乗の言いたい放題
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2006年01月13日(金) 共通一次試験の思い出        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 もうすぐ大学入試センター試験である。その前身である共通一次試験を自分が受けたのは1979年のことだから、あれから実に27年の歳月が流れたことになる。ビンボーな家に育った自分にとって、受験勉強というのは自己実現の一つの手段だったわけで、スポーツでそれを達成する者もいれば、持って生まれた美貌に磨きを掛けて自己実現する女もいるだろうし、自分の得意なことがなんなのかを考えてそれで勝負するしかない。

 受験勉強の思い出を肯定的にとらえることができるのは、少なくとも自分は浪人しないで現役で入学することが出来たということで、あの苦痛を短期間で脱出できたからこうして「思い出」として語れるわけで、もしも3年も4年も浪人していればとてもそんなふうには語れなかっただろう。幸運に感謝するしかない。

 共通一次試験とはいったいどういうものなのか、はじめてマークシート方式の模擬試験を受けたのは高校2年の3学期だった。河合塾の全統模試である。今は高校一年の頃からじゃんじゃん模擬試験を受けるのが当たり前だから昔はのんびりしていたのだなあと思う。まだ高校二年生の頃は自分は理科系志望で、最初の模試で書いた志望校は京大医、京大工学部原子核工学科、慶応医、学習院理学部数学科だった。判定は医学部がどっちもB判定で、他はA判定、学習院は志願者の中で2位となっていた。自分のようなビンボー人の子弟が皇室のご学友なんてと笑った。

 受験勉強というのはスポーツに似ている。集中して問題を解き、トレーニングを繰り返して短時間で解けるようになればその結果がすぐに現れる。高校3年になった自分は模擬試験をなんでもかんでも受けまくった。河合塾も旺文社も、京大オープンも関関同立判定模試も受けた。日曜日、家にいるよりも試験を受けに行った方が勉強になると思ったからである。

 オレは朝8時に起きて自転車で5分の高校に通っていた。通学の時間が少しで済んだことはかなり有利だったと思う。だいたい夜8時から深夜2時までの6時間が受験勉強タイムとなった。睡眠時間はほぼ6時間ということになる。高校で一番集中して授業を受けた科目は英語だったと思う。もう故人になったが京大の仏文を出ていたすばらしい英語の教師がいて、3年間主にリーダーを教わった。丸暗記させるのではなくて、興味がわいて教養がどんどん深まるという授業だった。ただ、進度はものすごく速くて、家で予習して完璧に理解しておかないと授業について行けなかった。おかげで50分の英語の授業の予習に2、3時間かけるのはざらだった。

 授業の予習以外にメインで使った英語の参考書は、美誠社「英語構文の研究」、研究社「英文解釈教室」あと、「入試英作文の急所」(毛利良雄)の3冊である。毛利氏の著書にあった英作文の基本例文400は今でもかなり覚えているから面白い。海外旅行の時にその基本例文を思い出してしゃべるオレは、英語圏の方からはきっと奇異に映ったことだろう。

 英語の勉強というのは不思議だ。大量にこなすといつのまにかすべての問題が見覚えのある問題のようになってしまう。新しい問題集を買う余裕の無かったオレは駅前の本屋でよく問題集の立ち読みをしてその場で解いた。さすがに数学や物理の計算問題はそういうわけにはいかなかったが。問題を解く「速さ」を身につけることはその中で養われたと思う。実はオレは英数国3教科よりも理・社が得意だったわけだが、共通一次では理科社会がそれぞれ2科目ずつあったということも有利に働いた。その400点分を満点近くとればかなりの貯金ができたからである。理科は物理、化学を選択し、社会は地理A(系統地理)、日本史を選んだ。どの科目も模試ではほぼ満点がとれたし、たまに一問でもミスするとかなり悔しかったことを覚えている。

 残念ながら国語は一番苦手だったが理系志望だったから仕方がない。国語で満足に点が取れるのは漢文だけだった。漢文が得意だったのは、家に徳間書店の「中国の歴史」「中国の思想」というシリーズの本があって、中学生の頃から論語や孟子、史記を読んでいて漢文をせっせと覚えていたからである。自分にとっての「趣味」の部分が受験勉強に役立ったのである。

 一時の気の迷いから自分は文学部というやくざな道に進み、いつのまにか暴言を垂れ流すだけの情けないオッサンになってしまうのだが、少なくともあの頃の自分は学ぶことから多くの快楽を得ていた。それは間違いない。まるでスポーツに打ち込むように模擬試験の点数を競い、掲示される成績優秀者一覧表に自分の名前が載ることに満足していた。オレが疑問に思うのは、さまざまなスポーツの世界で一番の人がこれだけ有名になるのに、受験勉強という世界で頂点に立った人が誰なのかという名前が明らかではないことだ。入試センター試験の得点が全国1位だった人の名前は公表してもいいのではないか。そこまで到達できたことは称賛に値することである。授業料免除などの特典を与えるべきだ。

 受験勉強に打ち込む人を「ガリ勉」とさげすみ、「勉強しかできないヤツ」という偏見を持つ連中に対して言いたい。だったらおまえは何ができるのか。もしかしたら「SEXしかできない馬鹿」じゃないのかと。「こんな一回の試験で人生を決められたくない」と文句を言うヤツに言いたい。「そんなに大切な試験なのにどうしてしっかり勉強してこなかったのか」と。馬鹿野郎め人生の結論がそんなに早く出てたまるか。勝負は死ぬまでなんだぜ。

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