江草 乗の言いたい放題
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2005年05月09日(月) ハメこまれた人たち・2        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

松村組WEBサイトより〜民事再生手続開始の申立てに関するお知らせ
 当社は,平成17年5月5日開催の取締役会において,民事再生手続開始の申立てを行うことを決議し,同日,大阪地方裁判所に申立てを行い受理されましたので,下記のとおりお知らせします。 関係する皆様におかれましては,多大なご迷惑をおかけする事態となりましたことを衷心よりお詫びし,今後,役職員一同,再生に向けて全力を尽くして参る所存ですので,何卒,ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。


 松村組は関西を地盤とする中堅ゼネコンである。公共事業の削減によって大きなダメージを受けたことと、バブル期前後に手掛けた大型の土地案件などを中心に多額の不良資産を抱えたこと、受注減少に歯止めが掛からない中の競争激化で採算が悪化したことなどが理由で2000年3月期以降続けて赤字決算が続いていたが、ついに民事再生手続きをとることとなったのである。ただ、この松村組は大証一部に上場している。民事再生手続きが発表される直前、5月2日の終値は112円となっていた。ところがわずか2ヶ月前の3月7日には瞬間的に株価は200円を記録していたのである。倒産寸前のこの株を巡ってどのような駆け引きが起きていたのかを検証してみたい。

 長く80円前後の株価で低空飛行していた松村組は、2005年2月初めから動きを見せ始める。大証一部ということで出来高もそれほど多くなかったのが、数日おきに100万株単位の出来高に膨らんだ。そして少しずつ上昇し始めたのである。それでもまだ動きはかなりゆっくりだった。動き出してから一ヶ月後の2月28日にやっと株価は100円台になる。出来高も300万株に膨らんだ。このあたりから株価は激しく乱高下するようになる。3月7日には高値200円を瞬間的に記録、この頃には出来高は900万株近くに増えていた。この急激な上昇を支えていたのが、一部の投資顧問と呼ばれるはめ込み屋たちであった。

 実はこの時期、松村組の買いを推奨していた有料投資情報サイトがいくつか存在していたのである。理論株価を無視した急激な上昇を「仕手筋の介入」と吹聴して提灯買い(素人さんたちが値上がりにつられて闇雲に追従買いすること)を誘っていたのだ。300円まで上昇すると具体的な数値目標を掲げて買いを勧誘するサイトもあったし、緊急メール情報と称して買わせる動きもあったようだ。そうして騙された個人投資家が、かなり高い値段で買わされた(はめ込まれた)のである。投資顧問によって、凍死(買った株が値下がりして身動きできない状態)させられてしまったのである。


 瞬間的に200円を示現して高値を更新した翌日の終値は147円、そこからはしばらくもみ合った後に徐々に値下がりして、終値も140円台から130円台、120円台とゆるやかに下降していった。「まだ終わっていない」という期待も空しく、仕掛けた側はすでに高値の時に売り抜けていたのである。値上がりが始まる前の2月中に時々出来高が膨らんでいたのは、仕手筋がいわゆる玉集め(将来の値上がりを見越して安いうちに株を集めること)を行っていたわけである。

 4月末には一日の出来高は10万株を割った。しかし、「きっとまた値上がりする」と期待して保有し続けた個人投資家が大勢いたことは、信用買いの残高が500万株を超えていたことから十分予想できる。民事再生法の申請というニュースが流れたため、連休谷間である翌日の5月6日はストップ安で買い手がつかなった。整理ポストに入れられてこのままストップ安が続けば早晩株価は1円となるだろう。一割や二割の損失ではないのである。百分の一以下になってしまったのだ。

 3月初めの頃のヤフー掲示板を見ると、この株を強気で買い煽っている人たちの書き込みが目に付く。絶対に上がるからとまるで狂信的な勧誘である。もちろんそういう書き込みから余計に胡散臭さを感じるオレのような投資家だけではなくて、信じてしまうお人好しの初心者も多かっただろう。

 ネット株取引が手軽にできること、中高年の方に投資ブームが起きていることなどから個人投資家はこの一、二年でかなり増加した。その中には一攫千金を夢見て有料情報に頼り、急激な値上がりを見せる仕手株に飛びつく人もいる。しかし、そのほとんどは業績を無視した実体のない相場である。ろくに配当も出していないボロ株が理論株価の数倍、数十倍で取引され、買うから上がる上がるから買うという状態になって相場が過熱していく。

 仕手筋の本山と呼ばれる
6316・丸山製作所などは昨年秋にはまだ200円台の株価だったが、連休谷間の5月6日にはなんと高値1145円を記録している。今も多くの投資顧問WEBサイトがこの株を推奨しているが、ここから買うのはあまりにも危険である。これはネズミ講と同じで、最初に仕掛けた者は巨利を得るが、最後に参加したものは大損するようになっているからだ。もちろんその最初に位置するのは仕手筋と呼ばれる裏社会の連中であり、そうして合法的に稼いだゼニは政治家の裏金や暴力団にも流れていく。カモられた個人投資家のゼニがそこへ消えていくのである。

 値上がりする材料など何もなかった松村組を推奨して値をつり上げた連中は、もしかしたら民事再生法を申請する可能性について知っていたのかも知れない。いずれ紙切れになることがわかっている株を使って、個人投資家の貴重なゼニを巧妙に巻き上げたのである。吹けば飛ぶような零細投資家の一人として、オレはこのようなイカサマに絶対に引っかからないように注意して自分のゼニを守りたい。結局の所、投資は九分九厘自己責任である。そしてすべての株価は必然である。どんな仕手株も最後は理論株価近辺に落ち着いていく。永遠に上がり続ける銘柄など一つも存在しない。


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