江草 乗の言いたい放題
コラムニスト江草乗の日記風エッセイ クリック募金にご協力お願いします。

日記目次(検索可能)前日翌日 エンピツ投票ランキング  江草乗の写真日記  ブログ  お勧めLINKS  

ご愛読ありがとうございます。「江草乗の言いたい放題」は読者100万人を目指す社会派コラムです。一人でも多くの方が読んでくださることで、執筆意欲は倍増します。ぜひ、お友達に勧めて読者数UPにご協力ください。掲示板へのご意見の書き込みもお願いします。

2003年08月07日(木) 8月6日(原爆投下の日)に思うこと        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

絶対に安全な場所から殺戮を実行する者にとって、個々の生命の消失は非現実な別世界のことでしかない。アメリカで「原爆展」をやらせてもらえないのは、加害者としての自分たちの現実に向き合うことをあの国の愛国者どもが拒否するからである。インディアンの迫害、奴隷貿易、そしてヒロシマナガサキの原爆、彼らにとって有色人種はおよそ対等につきあう生命体とは認められなかったのだろう。あの8月6日朝の一瞬に、閃光の中で瞬間的に多くの生命が失われた。その事実を我々は永久に忘れてはならない。その破壊力を生身の人間に対して行使することの恐ろしさに彼らがためらわなかったこともまた忘れるべきではない。

 同時多発テロが与えた恐怖は、それがアメリカ建国以来はじめて受けた直接攻撃であったからではないだろうか。(一方的に征服して属州にしていたハワイを日本軍に攻撃されたこととはわけがちがう)それは彼らの歴史の中で唯一の「戦争」と呼べるものであるからだ。

 イラク戦争や湾岸戦争を戦争とは呼びたくない。そこに赴く兵士たちには自分たちが戦場で生命の危険にさらされることなど思いもしないであろうし、そもそも相手だけが一方的に死ぬようなものを「戦争」とは呼べない。それはただの殺戮と破壊である。

 今回のイラク攻撃でも多くの誤爆があり、市民に多数の犠牲者が出たが、もちろん米軍はその補償を一切行わない。彼らにとって巻き添えになった市民が死ぬことなどはひとつの手続きに過ぎないからだ。

 第二次大戦の戦争犯罪とは何かと問われれば、私は迷わずユダヤ人虐殺と原爆投下だと答える。非戦闘員である市民への無差別攻撃は、当時の国際法でも違法だったはずであり、また毒ガスなどの残虐兵器の使用を禁じたジュネーブ条約違反でもあったはずだ。原爆投下の直後に、日本がスイス政府を通じてその行為を提訴したことはほとんど知られていない。

 戦後の歴史は、同程度に愚劣な行為の一方を戦争犯罪として断罪し、もう一方を無法国家への懲罰と認識させることでスタートした。終戦前日の8月14日、大阪には最後の大空襲があり、日本最大の軍需工場であった陸軍砲兵工廠は徹底的に破壊された。作家の小田実はその炎を京橋ガード下で眺め、私の父は

「残った爆弾全部落としていきやがった」

と唇を噛んだ。


My追加
江草乗の言いたい放題 - にほんブログ村

前の日記   後の日記
江草 乗 |ファンレターと告発メール   お勧めSHOP エンピツユニオン