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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年12月20日(金)
20分の快感


 夏から応募させてもらっているS-move「スポーツライター新人賞」の表彰式に行ってきました。ありがたいことに、監督賞という賞を頂戴しました。文章で賞をもらうのは、随分久しぶりです。拍手をしてくださった会場のみなさまや応募作の原点であるこの日記の読者のみなさま、そして、秋ごろから愚痴の多くなった私を叱咤激励してくれた友人知人に感謝の気持ちで一杯です。ネット上からではありますが、“ありがとうございます”。

 私は弱虫で、だから、人から“いいよ”と言ってもらえないと何も出来ないヤツです。(もちろん、反論や批判の中にも“いいよ”的な意味合いのある場合もあるので、一様にホイホイして欲しいというわけではありませんが)だから、今回の受賞も一つの“いいよ”の形だと受け止めてます。純粋に嬉しいです。

 受賞作は、0−3と追い込まれたピッチャーが、一か八かで“あとはボールに訊いてくれ!”とばかりに投げ込んだくそボールです。バッターが振ってくれたからストライクになった。それが正直な感想です。だから、“これは精魂込めて書いた力作です!”といった気合いの入ったものでは決してなかったです。むしろ、わからんところはそのまま白紙にして提出したテスト用紙と言った感じでしょうか。

 帰りのバスの待ち時間、東京駅周辺をぐるぐる徘徊していました。受賞の際に貰った記念のボールの重さを右手にかみしめながら。時々、立ち止まって、“2002 スポーツライター新人賞”と書かれたちょっと丸みを帯びた字をじっと見つめていました。ずっと触っていると、白球が手あかで白球ではなくなっていきます。

 時は確実に流れています。“賞をもらった”という事実との戦いが始まったのです。

 以前見たTVのドキュメンタリー番組で、ロシアの元レスリング選手がこんなことを言っていました。「試合に勝ったことの喜びに浸れるのは、せいぜい20分程度。それからは次の試合のことを考えてる」