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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年08月31日(土)
奥田さん、新人賞主催してくださいっ!(読書感想文)


 久しぶりの読書感想文です。

 読んだ本:『延長戦に入りました』(奥田英朗著・幻冬舎)
 内容:1991年11月から1999年7月まで『モノマガジン』(ワールドフォトプレス)に連載された「スポーツ万華鏡」より抜粋再構成されたスポーツエッセイ集。

 勝手に名付けました。待ってました!本。

 とにかく、めちゃくちゃ面白かった。スポーツを明るくおちょくるエッセイの数々。私は中途半端にひねくれ者なので、スポーツに対して敬意を抱く反面、ちょっとおちょくってやりたいと思うので、その欲求が見事に満たされました。東京ドーム案内係リカちゃんの奮闘や、50メートル走タイム性格判断、運動部の不潔自慢など急にコメディードラマを見せられているような文章展開は痛快。もっともらしいことを並べた堅苦しい野球改革論やスポーツへの提言などよりもはるかに説得力のある内容だった。(著者にとっては心外でしょうけど)

 図々しいことを言って、作者の奥田さんには申し訳ないのですが、「この人、私と思考回路が似ている」と思いました。大きく違うのは、やはりプレーヤーとしての経験と一般教養、そしてスポーツ全般を書ける文章力と好奇心の広さ。あーあ、私もこんなん書きたかったなあとちょっと羨望のため息が出るも、それ以上にこのおもしろさに出会えてよかったという思うの方が強い。なんか嬉しくなる。スポーツをこういう目線で見ている人の本が出版されていることが。出来ればベストセラーとかになって、たくさん売れればいいな。

 もし、奥田さんがスポーツライター新人賞を開催してくださったら、この日記に書いている素の文章でも応募出来る気がする。評価はされなくとも、受け入れてもらえそう。