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| 2002年05月13日(月) ■ |
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| 私を甲子園に連れてって♪ |
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ときたま、友人に「甲子園、連れてって」と言われる。その大半が計画倒れに終わるのだが、すでに3,4回同行している子もいる。
「甲子園」なので、阪神戦のときもあれば、高校野球のときもある。しかし、その大半が阪神戦。それもナイターを希望してくる。
では、友人たちがそれほど野球が好きかというと、実はそうでもない。彼女らは、ときたまブラウン管越しに見るあのライトスタンドにあこがれているようだ。
メガフォン叩いて大声で叫んでみたい、甲子園カレーを食べてみたい、ナイターってどんな感じか体験してみたい、阪神ファンのヤジを聞いてみたい、ジェット風船を飛ばしてみたい、中には応援しているときの私を見てみたいという不届き者もいる。
そのため、濱中のバッティングが見たいとか、井川のピッチングがみたいとか、赤星の足が見たいとか、そういうことは誰も口にしない。だって、誰がよく打ってるとか、誰がエースだとかすら知らないのだから。
でも、甲子園で阪神を見たいという。決して、「野球」とは言わない。
車窓で甲子園の蔦が見えた地点で、「いや〜、甲子園や〜」とキャキャ騒ぎだし、ダイエーでご飯を買い込むと「品数が多すぎて迷うなあ」といいならも嬉しそう。
球場のグッズ売り場に立ち寄り、買いはしないがとりあえず何があるかはチェックする。チケットを買う。比較的安い外野だが、たいがいの子は「高いなあ」と言う。
外野の席に座り、球場を眺めると、ほぼ100%「広いなあ」とか「きれいやなあ」と言う。試合前の待ち時間に阪神のことを聞いてくる。「今、何位なん?」「今日は勝てそう?」。全く無知なわけではない。
普段野球に興味がないといえど、三振やヒットやホームランはわかるようだ。阪神が打つと大喜び、打てないと悔しがる。ほぼ全員は「ホームランを見たい」と言い、見れたらすごく喜ぶ。
7回にジェット風船。普段、私は7回表のワンナウトから吹き始めるが、友人はいるときは、回の頭がから作業に取りかかる。彼女らに風船にふくらませ方を説明したり、風船をはなすタイミングを伝達しておかねばならないからだ。
風船は、膨らます前に下の部分と吹き口付近を軽く伸ばしておく。そうしないと、真ん中だけが膨らんでへんてこな形になってしまう。
風船はファンファーレに合わせて、右に左に担ぎあげるように動かす。ファンファーレは2回流れるので、風船を放すのはそれから。
私は初めて見に行ったとき、それを知らなかったため痛い目にあった。今でも休日やデーゲームなど家族連れの多いときに、フライイング気味の風船が甲子園の空を舞っている。ちなみにビジターでは、ファンファーレの代わりに応援団がトランペットで「六甲おろし」を吹く。
そんなこんなで試合が終わる。友人たちにとっては、お祭りのような3時間強だあるようだ。私も彼女らを見て、新鮮な気持ちになれる。
長い間弱い阪神を応援し続けていたため、マイナス思考が身に付いていた。試合展開に関係なく、1本のヒット。ホームランで大喜びする彼女らに改めて野球の魅力を教えてもらったりする。
そんな友人と引き連れて甲子園に乗り込むと、何故か勝率がいい。六甲おろしを歌う、みんな気分がいい。時には負けてしまう場合もあるが、行った子はたいがい「楽しかった」「また来たい」と言ってくれるから嬉しい。
昨日も友人から電話があり、「9月頃、甲子園に行きたいねんけど、日程わかる?」とのこと。
話を詰めていった地点で、ふと「チケット、早いうちにとっておかんと、なくなるかもしれんで」とこぼしてしまった。
「あのさ、そのさ、え〜っと、ほら、今首位やん。強かったりするやん。そりゃ、これからどうなるかわからんけど、首位なわけやん。ということは、秋にはもしかしたら、優勝…するかもしれへんしなあ」
優勝。 この言葉を口に出すまでに時間がかかった。こんな時期から優勝って、気が早いんちゃうか?などと自分でも思いながら。
すると、やはりというか、尻から阪神が首位から脱落。ま、シーズンはまだこれからとはいえ、やはり口に出したら逃げてしまうのかなあ?改めてそう痛感した。
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