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| 2002年03月31日(日) ■ |
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| ツーアウトの背中 |
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今日、「日本一だと思う」ピッチャーを見つけた。その選手は、山梨県の市川高校・ヨシイ君という。
え、日本一ならとっくの昔にドラフト候補として騒がれていたり、今頃西宮のあの球場にいるだろうって?
確かに。おっしゃる通り。
しかし、実のところ、私が彼の名前を知っているのはユニフォームの背中に並んだローマ字を見たからに過ぎず、実際、彼が同校のエースなのかどうかとか、決め球は何だとか、ましてやその「ヨシイ」という苗字の正確さすら自信が持てない。
彼は、私の思う日本一の「ツーアウトの背中」の持ち主だ。
チームが守りについているとき、ツーアウトあたりでピッチャーがホームプレートの背を向け、野手に手で「2」を示しながら、「ツーアウト、ツーアウト」と声をかけるシーンをしばしば見受けうるのだが、私は、彼のそんな後ろ姿に惚れ込んだのだ。
ヨシイ投手は、身長はそこそこあるが、細身である。でも、鍛えているのがキュッと上がっているお尻で分かる。よく「尻の大きな選手は大成する」というが、私は横に大きい尻はあまり好きじゃない。肩幅はそれほど広くない。だから、「ツーアウト」と声を出したときに、「2」を表すために上げる腕がきれいに伸びているように見えるのかもしれない。
背が低くても決まらないし、高すぎてもぎごちない。ほどよくバランスが取れていなければならない。それが私の持論。
10年単位で野球を見てきたので、ものすごいスター選手から地元の無名選手まで何人もの「ツーアウトの背中」を見てきたはずだ。しかし、今日ほどこの仕草に強烈な印象を受けたピッチャーはいない。
何故なんだろう。うまく説明出来ない。それは、チームメイトの彼に対する信頼感であるかもしれないし、彼自身の人間性かもしれないし、はたまたロケーションが良かったに過ぎなかったのかもしれない。とにかく「撮りたいっ!」と思った。
私は、市川高校が守備につくたびに、持っていたデジカメのズームを最大限にして、その後ろ姿を捉えようと必死だった。
何回目かの撮影でようやく彼の「ツーアウトの背中」を捉えることができた。軽い感動を覚えたが、「2」をしめした指先がすでに出塁していたランナーの足と重なっていたよくよく見たら、絵にならない。
あーあ、野球写真ってむずかしいなあ。
追伸:本日をもって、当「つれづれ野球日記」が1歳の誕生日を迎えました。つまり1周年なのです。長かったような、短かったような複雑な心境です。この1年で多くの方に日記を読んでいただいたこと、また気持ちのこもったメールをいただいたこと、とても感謝しています。その度に「ああ、日記を書いていてよかったなあ」としみじみ思います。 では、今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
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