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| 2002年02月20日(水) ■ |
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| 甲子園神社〜感謝の心〜 |
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ろくに勉強しなかった高校時代、学校がイヤでたまらなかった。でも、そんな学校から教わったことがある。それは「感謝する心」だ。言葉は悪いが、これが自分がより快適に生きることのできる手だてだと私は思っている。
その影響か、スポーツにおいても、「感謝する心」を見つけることのできるシーンがすごく好きだ。
今回の冬季オリンピック、フィギアスケートで銀メダル(のちに、ジャッジの不正で、同点金メダルに昇格)を獲得したカナダペアの男性は、滑り終えたあと、真っ先にしたことが、氷上へのキスだった。最高の滑りが出来たことを氷に感謝したのだろう。また、今日行われた女子シングルの村主(すぐり)選手も、演技後のインタビューでも「感謝」の言葉が口から出た。
高校球児の聖地とも言える阪神甲子園球場のレフト後方には、通称「甲子園神社」と呼ばれる神社(正式名称は、漢字が複雑なため、PCでは変換不可能でした)がある。
境内には、たくさんの人の思いが詰まった絵馬が掛けられている。家屋の形をした通常の絵馬もあったが、甲子園を意識した(?)野球ボールの形をした絵馬も目立った。絵馬には、手作りのお守りや色鮮やかな千羽鶴がひもで結ばれているものもあった。
「○○高校が甲子園に出場できますように」「○○君が怪我なく、試合が出来ますように」というファンやマネジャーもいれば、「レギュラーになれますように」「今度こそ甲子園で勝てますように」などという現役球児の字もちらほら。
私が初めて甲子園神社に足を運んだのは、確か1992年の春だ。この日は、センバツ大会の開会式のリハーサルがあった。試合もないのに何故行ったのかは定かでないのだが、とにかくこの日が私の「甲子園デビュー」だった。
リハーサルが無事に終わり、帰りに寄ったのが、かの甲子園神社。早速絵馬を買った(当時は1枚500円でした。今はいくらなのでしょう?)。備え付けのペンから紫色のペンを見つけだし、「東山高校ナインが怪我なく最高のプレーが出来て、甲子園で活躍しますように」。なんという欲張った願い!(苦笑)。
境内に人がいないことをいいことに、他の人が書いた絵馬を見まくった。(ついつい、やりますよね?好奇心で)その中で、強烈に印象に残る絵馬を見つけた。
絵馬を書き主は、その前年1991年の夏の甲子園準優勝した沖縄水産高校の屋良キャプテン。書かれていたのはただ一言。
「 準優勝 ありがとうございました 」
感嘆のため息が漏れてしまった。そして、沖縄水産が甲子園で準優勝をいう快挙を成し遂げた理由が、なんとなくわかる気がした。
もっとも、これで「高校球児はすばらしい人格者」という真髄とも偏見ともつかない思いを抱えることのなるのだが。
また、よくよく見てみると、「2回戦ありがとうございました」「3回戦ありがとうございました」などというものあった。きっと、試合に勝つたびにお参りに来られたのだろう。
絵馬は、願いごとをするためのものである。また、それほど信心深さを持たない私のような人間にとって、寺や神社に詣でるということは、願いごとをしに行くこととイコールに近い。叶えてもらったという経験もそれほど持たないが、果たして「感謝」のために詣でたことはあっただろうか。ふと考えさせられた。
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