後輩の卒業式に行く。
キナコとそして、僕らカップルと仲の良い友達を連れて行く。
花を買う。キレイな少し変わった花。 アイツには合わないだろう花。 アイツとアイツの彼女の分を買う。
それをキナコと友達に渡した。
会場に着く。 少しまだ信じられない。 顔が少し曇る。 何か現実としてみたくないような気がして。
アイツが社会人になっちまったら、 もう本当に戻れない気がして。 何かが崩れちまう気がして。
どんどん連絡を取らない仲間が増えてきて、 友達に久々にメールしたら
「sk君はすごいね。 人のことを考えられる余裕があるんだね〜」
だって。 俺はしてもらったことを返しているだけ。それだけなんだけど。 むしろ、そのお返しができないことを、 してもらうことが当たり前だと思っているのか? 俺にはわからない。
別に余裕なんてない。 でも、俺にとって大切なヤツだと思ったから。
会場についてもなかなか見つけられない。 一時期仲の良かった後輩に話しかけられ、
なんか当然のように話しかけられ、 少し気持ちが曇る。
お前は何故そうも当たり前に俺と接することができる?
好きな子に振られて泣いていたのに、 何度も何度も皆でおしかけて、大切にしてきたつもりだったのに。
男ができた時も、模擬店を出すときも、 就職が決まったときも、いつも・・・
連絡してくれなかったのに。
こんな時だけ、俺に会って、 俺になんて言葉を求めているの? 俺は「おめでとう」って言えばいいのか?それで済むのか。
会いたい子たちが、いた。 仲良くした女の子たちだった。 異性として見ていたんじゃない。
仲間として、大事だった。 だけど、それは俺だけだったのかな。
なーんて書いてみる。 分かっている。 別に諦めているわけではないけれど。
俺が悪かったことを。
俺が「してやった」だとか思い上がった気持ちでいるから、 こういうことになるんだろうということも。
この寂しさは見返りを求めているからだってことを。
「会いたくないやつらばっかなんだ」
と、キナコと友達に言ったら、
「会わなくてもいいの?」
と、言われた。
「いいんだ」
って言ったら、
「本当にいいの?」
と言われた。 いいんだ。また寂しくなるから。
嘘はつけないんだ。
後輩は、ミツコシは、 俺より二つしたの後輩だ。
アイツは、アホだと思う。 考えていないようで、考えているようで、考えていない。 だけど、 俺にとっては愛すべきやつだ。
キナコや僕の友達(ミイとしとこ)から花をもらっても、 二人に言うと同時に、俺に頭を下げた。
卒業式終わったらまた遊ぼうって言ってくれた。
俺はしかめっ面をしていた。 こんなとき、どんな顔をしたらいいのか、分からないから。
何か気を抜くと泣いてしまいそうだから。
無我夢中でミツコシを空に放り投げた。 胴上げをした。 理由なんてない。担ぎたかったから。
そして、コイツに卒業生の中で一番幸せなヤツと、 そう思わせてあげたかったから。
たくさん一緒にいっぱいしたよな。
ケンカもしたし、一緒に辛いこともあった。 ここに本当は堂前もいてくれたら最高なんだけど、 アイツはもう、少なくとも今は、コッチにはいない。
愛ふれで走り回って一番動いてくれたこと、 大学祭でリーダーになることが不安なことを、 俺にだけ打ち明けてくれたこと。 アイツの親父が死んで、俺を頼ってすぐに電話してくれたこと。 就職試験前の不安な時間に、電話で応援歌を唄ってくれたこと。 俺にキナコって言う大切な存在が出来たときに、 自分のことのように電話の向こうで泣いて喜んでくれたこと。
当たり前すぎなんだけど、 だけど、すげーなんか当たり前すぎて、 なんか実感わかねーけど、 だけど、何かなんか嬉しくてな
いいじゃないか、skよ。 お前にはこんなにもお前を慕ってくれる男が一人いるじゃないか。
コイツ以外にも何人かは今もお前を慕ってくれているだろう?
そんな声が俺の中からしてくるんだ。
卒業、おめでとう。 辛いことがあったら俺にいつでも言ってくれ。
マジで辛いことがあれば、いつでも言ってくれ。
おめでとう。 なんか、さみしいぜ。
俺が先に卒業してんのに、寂しいってのがわけわかんないぜ。
だけど、寂しいぜ。
そして、ありがとう。 これからもよろしく。
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