2007年02月03日(土) 夕焼け


「中途半端なやる気なら、来なくていいよ」

名前も知らない後輩に僕はそう告げた。

うちの会社を見学にきたい、俺に話しをしたいという
3個したの後輩からだった。


だけど、彼はちゃんと時間より10分前に会社に来た。
考えられるだけの質問と疑問をノートに書いて。

・この仕事のやりがいは何ですか?
・試験を受ける時、どんな気持ちでしたか?
・仕事は思っていたことと違うことはありましたか?

簡単な施設案内をして、
彼と食堂で質疑応答。
まぁドキドキしてるみたいで、ろれつはまわらないが、
一生懸命さは伝わる。

「自分にできるかな・・・」

彼はそう呟いた。

「できるんじゃない。がんばれば」

僕はそう答えた。

でも、答えは心にあったんだ。
俺はがんばってるのかな、いや、これが普通なんだと。

いつからかコレが普通になって、
よくも悪くも俺は大人になったなって。

毎日会社にいさせてもらうことに不安がなかった。
必要とされなくなることを想像していない。

俺の代わりなんていくらでもいる。

悪く考えるのではない。

それは、俺の生きる意味を考えるということなのだから。

毎日を「こなしていくだけ」じゃだめだ。
その中から何か発見や感動を見つけて、

最高に仕事して、最高に遊んで。

うんそうだな・・・


そんなことを考えていたら、
彼の言葉が聞こえていなくて、

「あ、すまん。聞いてなかった」

ごめん、こんな先輩で。

「先輩の話聞けてよかったです。」

「そうか。なら俺もよかった。」

顔も知らない後輩は不安と希望を秘めた目で、
僕をジッとみつめていた。

「お前本当のこと言っているか?」

そんな風に見えたのは、
俺がまだ俺を疑っているからかもしれない。
だけど、怖くねぇ。

俺は一生懸命仕事してるのだから。

俺はカッコいい大人ってやつに日々近づいているのだから。

「失敗するのが怖いってのは誰だってあんだよおまえ。アホ。
 だけどな、自分が向かいたいって目標が定まっているならば、
 そこに向かって日々突っ込むしかねぇ。
 お前は向かいもせずに、座り込むのか?
 もう少し考えさせてってうずくまるのか?
 だが、人によっちゃ考えることも、
 進むってことなのかもしれない。
 思い方次第なんだ。

 目標は目の前にある。ああなりてぇとかこうしてぇとかな。
 そこまでの距離もつかめねぇとしてもお前、歩くっきゃない。
 向かうっきゃないんだ。
 それが夢に向かうってことだろ」

当然のように思っていることを言ったら、
まだ「少年」と呼べそうな彼は目を輝かせた。

馬鹿だなって苦笑いしながら、分かってくれることに
ちょっと嬉しかった。


今日は節分だ。
俺は家に帰ると、おかんが豆と鬼のマスクを用意してあった。
自分からは豆まきしようと言えないようで、
何か少し恥ずかしいみたいで。

だから、豆まきしようって俺が言った。

親父もいやいやそうに付き合っていた。
ほんの短い時間だったけれど、楽しかった。

家族っていいね。たまに思うわ。


俺の勤める会社はちっせぇかもしれねぇ。
だけど、その映像を誰かが見て、
感動して、オリンピック選手を目指したら、
ノーベル化学賞をとったら、総理大臣になったら。

それは俺は夢を叶える可能性のある仕事って
そう言えるんじゃないかって思う。

「そんな仕事してて大変じゃないですか?」

「ばーか。
 日本の未来の為だよ」

まだまだ彼にはわからない言葉だったかもしれない。



 past    will


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