| 2007年01月23日(火) |
何故残していかねばならないのか。 |
「伝統文化を継承していかなければいけない理由って 何なんですかね?」
「は?」
「いや、単純にそう思うんですよ。」
「はぁ・・・」
「しかもね、伝統文化の継承って、 よく小学生が継承の対象になってるんですよ。 あれって何で小学生なんですかね?」
「お前よくわからんこと考えるなぁ」
「いえ、これはとっても大事なことだと俺は思うんです。 『コレ』を取材させてもらおうって考えた時、 僕の心で『コレはいける!』ってそうスイッチが押されたんです。 でも、その理由ってのが分からないんです。 それが答えられないと、どう作っていいものかわからないんです」
「そうか。でも、それは残そうとしている本人に聞いてみないと 分からないかもしれないよ。 そこに価値を見出している人だからこそ、継承していきたいと そう考えているのだろうしね」
なるほど。
僕はそんなこともわからなかった。 だけど、それを確めてから取材を考えるほど、 僕に時間的余裕はなかった。いや、作れなかった。
取材させてもらう時に聞いてみた。
「失礼ですが・・・この伝統文化を継承していきたいという理由、 そして、何故対象が小学生なのか、教えてください」
「え?・・・それは、小学校側が・・・ 教育のあり方が中央で変わって・・・」
「いえ、そういうことではないのです。 皆さんが、これをしている根本的な理由を聞きたいんです」
誰も答えられなかった。
「たくさん取材してもうてるけど、 アンタみたいな質問する人は初めてやわ」
まぁそうだろうなとも思った。
「だけど、、、 やっぱり町の名産というか特産というか、 それを知ってほしい気持ちはある。 小学生が喜んで、感想を送ってもらえると嬉しい。」
「僕も、皆さんが無駄なことをしているとは思っていません。 とても素晴らしいことだと・・・そう思っていると思います。 しかし、その理由がわからなくて・・・」
「難しいことやな。それは。 何が正しいかっていうのは、今すぐに分かる問題でもないし。 だけど、そういう観点から物事を見るっていうのは、 やっぱりアンタはマスコミやな。 大切なことだと思う。僕も改めて考えなおしたいわ」
「そ、そうですかね。。。」
「『なぜか?』なんて考えもしていなかったよ。 別にやらされていたわけでもないんだけどね。 子ども達喜んでるし、自分たちも大変だけど、 それなりにやりがいを感じていたから、 それでスムーズにいっていたようにも思う。 だけど、考えやなあかんことやよね。それは」
伝統文化と呼ばれる様々なものを、 何故残していかなければならないのか。
そして、その歴史のある「伝統」に、 何故僕の心は響いたのか。
今でもその謎は解けない。
自分たちがおもしろいと思うものを伝えていく。
結局残らないものは残らない。
それはそうなんだが・・・
何か心にひっかかりを感じる。
松阪市は国学者、本居宣長が有名である。 本居宣長は勉強の合間に鈴の音色に心を癒されたとある。 生粋の松阪市民の家には、まず間違いなく、 形は違えど「鈴」がある。
公立の幼稚園の名札には、小さな鈴が必ずついている。
それは、何故なのか?
伝統って何なのか? まちづくりって何なのか?
豊かな町、暮らしやすい町ってどういう町のことなのか?
ずっと考えていかなくちゃならない。 それが僕の使命だと思っている。
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