2005年03月09日(水) ナキムシで何が悪いのよ


キナコが最近よく泣いている。

嬉しいそうだ。
嬉しくて毎日泣くなんて、
お前は一体どんだけ幸せなんだと問いたい。

そして、それが俺のおかげらしい。
俺はそんなにも何かができているだろうか?

でも、あの泣き方は、きっと本当に嬉しかったんだろうな。
でも、そうやって想ってくれるのも悪くない気持ち。


「ごめん・・・。ごめん・・・。」

「何がや?」

「弱音吐いたり、愚痴ったりして。」

「何で弱音吐いたり、愚痴ったりしたらあかんの?」

「だって、迷惑かけるやん?愚痴とか聞きたくないやろ?」

「別に迷惑やないし、愚痴もええんやないか?
 あのな、キナコ。
 俺はキミより長く生きてるわけよ。
 キミよりもしかしたら、たくさん色々経験してるかもしれん。
 いや、きっと経験してると思う。
 だからな、そう簡単に倒れることもないし、
 傷つくこともないよ。
 そんなに「ごめん」ばっか言うなさ。」

「だって、だって・・・」

「『だって』ばっかうるさいなぁ(笑
 『だって』何なんだい?」

「だって・・・」

「だって?」

「迷惑じゃん・・・。」

「迷惑じゃないよ」

「なんで?」

「お前の彼氏やん、俺。キミが弱さ見せてくれるのは嬉しい」

「(涙)」

「コラコラ。あんまり泣きすぎるな。目がまた垂れるぞ」


キナコはいつもニコニコしてる。
だからこそ、弱さが見えにくいんだろう。
本当はとっても弱いところ、あるよね?
誰だって辛い時はあるんだから。
でも、そうやって弱いとこ、ずっと隠すのに必死だったんだよね。
そういう弱いとこを、なかなか見せられなかったんだよね?
それを、怒りでしか表現できなくて、
泣くことができなかったんだよね。
泣くのも、きっと一人だったんだよね。


あのな、キナコ。
そして、全世界の女子(おなご)たちよ。

男はな、女を守りたいと思うもんや。
そして、男は女にもまた違う形で守られたいと思うもんや。

だから、弱音を吐いたり、泣くことを悪いことやと思うなさ。

だいたい、泣くことを悪いと思ってるヤツは、
泣き顔を見たことのない人だ。
泣き顔を見たことがある人は、泣くことの大切さを知っている。

人が泣いてる時の顔ってね、
目の下まぶたにうっすら涙がたまって、
スーッって目じりから頬を伝うんだ。
それで足りないと、目頭からも流れ落ちたりする。

目が少しずつ赤くなって、
眉毛はとても悲しそうにへにゃってなる。

人が涙する時の顔は、とても愛しい顔をしているものさ。
笑顔がこの世で一番美しい人の表情ならば、
笑顔の逆の涙をするということも、
きっと美しいのさ。


あんまり強がるなよ、キナコ。
悲しい時に悲しいって言えないのは辛いじゃないか。
そんなに、無理して笑うな、キナコ。
キミの笑顔がだいなしになっちゃうだろ。


ほら、泣け。
そして、また笑えばいい。

だからこそ、キミの笑顔は可愛いんだから。




ナキムシのうた


人は涙なしでは 生きていけない生き物だから
そんなに弱さ隠さずに どうか好きなだけ泣いてください

その涙はきっといつの日か 誰かを守る強さに変わるでしょう
そう 今は痛みを知るために どうか好きなだけ泣いてください

何かに耐えて笑うより 何かも全て忘れて
泣く時も必要なんだ そして元気が出たなら歌いましょう

シャラララララ シャララララ 大好きなうたを 
歌えば ほら 君の顔に笑顔が一つ咲いた
シャラララララ シャララララ さぁ気がすむまで

明日の君に 届くまで


人は前を向いてしか 歩いていけない生き物だから
そんなに 過去にすがらずに どうか好きなだけ泣いてください

その涙はきっといつの日か確かな足跡へと変わるでしょう
そう人生も捨てたもんじゃない だから今のうちに泣いてください

はるか遠くの向こうには 流した涙の数だけ
幸せの花が咲く だから元気が出たなら歌いましょう

シャラララララ シャララララ 大好きなうたを 
歌えば ほら 君の顔に笑顔が一つ咲いた
シャラララララ シャララララ さぁ気がすむまで

明日の君に 届くまで




 past    will


sk6 [手紙] [Ai to U]

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