独り遊び
〜破片がみえますか?〜



2004年01月08日(木) おかえりなさい

昨晩、何気なくテレビをつけてみたら、柳 美里の「」が放送されていた。
残念ながら、途中からだったけれど、ビデオに録画して観てみた。

豊川悦司さんの役者魂に、鳥肌が立った。
彼は、この撮影の為に13キロも体重を落としたそうだ。

私は、”豊川悦司”っていう役者さんの事は、もの凄く尊敬はしているものの・・・
好きなのか嫌いなのかは、分からないのです。
”豊川悦司”って言う人物像がはっきりと浮かばない。
彼が演じた役柄でしか彼を認識する事が出来ない。
役柄によって、もの凄く大好きになるのですが、
役柄によっては、もの凄く気持ち悪くて大嫌いになる。
それだけ、役柄になりきっている。
個人個人の魂を持った、別人になりきっている。
その演技に、その人物に、私はすっかり騙される。


「あなたは、僕を殺してくれる?

治る見込みの無い病気にかかって、痛みや苦しみに耐え切れなくなった時
アルツハイマーや、精神病になって自分を失くした時。
自分から生きる事も死ぬ時も出来なくなった時は・・・

あなたは、僕を殺してくれる?」

健康で希望に溢れた若かりし頃の東の言葉。

周りに迷惑をかける事が耐えられない・・・
哀れな目で見られる事に耐え難い・・・

それならば、潔く命を落とす方が美しい。
美しく散りたい。



正直、何が正しいのか分からない。
諦めず、どこまでもどこまでも戦い続ける事。
死を受け入れて、静かに命を絶つ事。

この映画の中で、最後の最後まで諦めず、”生きる事”へ執着している東の姿は
見ていて、決して美しいものでは無い。
壮絶で苦しくて、目を覆いたくなる。

かつて、「殺してくれ」と言っていた男が、ここまで、”生きる”事へ執念を燃やす。
”生きる”と言う事は、いったい何なんだろう。

「生きたい」
「生きていたい」
「何が何でも生きていたい」
「一分一秒でも長く生きていたい」
どんなに恥ずかしくても、どんなに醜くても、どんなに哀れでも・・・

生きるという事は死ぬよりも何百倍も辛くて、しんどくて多くの勇気が必要?

それでも「生き抜きたい」と思う。
その理由は何?その目的は何?

私には、まだ見つける事が出来ない。

でも、知りたい。

みつけたい…


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