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| 2021年05月28日(金) ■ |
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| 水が怒るんと違いますかのし |
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NHKラジオ番組「朗読」から。 この番組は、明治以降の日本文学、西洋古典の翻訳を中心に、 著名俳優やアナウンサーの朗読で名作の息づかいを感じられる。 名作をたった一人で朗読するだけの番組だけれど、楽しい。 今回は「有吉佐和子作『紀ノ川』」の一節、 作品の舞台が、紀州和歌山であり「小さな川の流れを呑みこんで しだいに大きくなっていく紀ノ川のように、 男のいのちを吸収しながらたくましく生きる女たち」の物語だが、 明治・大正・昭和の時代背景をよく表している。 明治時代「紀の川」は、頻繁に氾濫を繰り返して、 下流域の住民を苦しめたようだ。 夫のけんさくが「どうして、氾濫が多いのかな」と首を傾げると、 妻のはながサラッと、こう答える。 「豊かな紀の川を豊かに使わんので、水が怒るんと違いますかのし」 歩きながら聴いていた私は、立ち止まってメモをした。 「川」とか「水」に関する表現に、敏感に反応してしまう。(汗) 「〜のし」というのは、紀州和歌山の方言なのか、 何度も耳にしている間に、違和感なく聞き流せるようになった。 さて、本題のフレーズ。 「豊かな川の氾濫は、豊かな生活になるよう利用されないから、 怒って氾濫する」という視点が気に入った。 せっかく「日本一の湧水量を誇る、自然豊かな柿田川」も、 「地元に住んでいる人々の生活が豊かになるように使わない」と 怒って氾濫するかもなぁ、と思った。 柿田川は、全て湧水だから氾濫することはないんだけど。(笑)
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