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| 2020年06月06日(土) ■ |
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| あなた生きてるんだから、まぁかわいい、幸せにならなきゃだめね |
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映画「命みじかし、恋せよ乙女」(ドーリス・デリエ監督)から。 原題「Kirschblüten und Dämonen」は「さくらと悪魔」の意味、 それが、どう解釈したら「命みじかし、恋せよ乙女」になるのか、 ちょっと首を捻りながらの鑑賞となってしまった。 ただ、今の日本とドイツがともに抱える社会問題が満載で、 性同一性障害や、引きこもり、アルコール依存症、単身老人世帯など あげたらキリがないくらいの現実を突きつけられた気がする。 振り返ると、何気なく撮影されていたドイツの車に書かれていた、 「ドイツがドイツであるために」というフレースが引っかかった。 それはトランスジェンダーでアルコール依存症の主人公が、 男として、夫として、父親として「あるべき自分」や「理想の自分」から 「自分が自分であるために」と悩み続ける葛藤の日々と重なったから。 住んでいるドイツでは、居場所がなかった彼を受け入れてくれたのは、 日本の老舗旅館「茅ヶ崎館」の女将に扮する(故)樹木希林さんだった。 トランスジェンダーを個性として受け入れているようでもあり、 男湯・女湯の場所を案内しながら、こう尋ねた。 「こっちが女の方、こちらが男の方、あなたはどっち?」 そして、部屋に案内し、着替えの着物を選択させる時も、 女性ものを選んだ彼に「あーこれが好きだったのね」と差し出し、 「あなた生きてるんだから、まぁかわいい、幸せにならなきゃだめね」と 何の抵抗もなく話しかけた女将が、とても温かった。 どんな人生を送ってきた人に対しても、差別をせず接すること、 これが彼女の遺作となったからこそ、記憶に留めておきたい。
P.S スマホの翻訳アプリを通して会話する外国人(ドイツ人)に 「あなた日本語上手ね」と声を掛けるボケぶりは最高だったなぁ。
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