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| 2016年11月08日(火) ■ |
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| 誰あろう、その母から生まれてきたのだ。 |
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書籍「しずく」(西加奈子著・光文社刊・210頁)から。 短編「シャワーキャップ」の一文にハッとさせられた。 「私のために泣き、私を恐ろしいほどに愛している、母がいる。 どれほど頼りなくても、情けなくても、 母は全力で、私の『母』だった。 母のことを子供のようだと思っていた私は、 誰あろう、その母から生まれてきたのだ。 その事実が、どれほど私を慰め、そして勇気づけたか」 親子だからこその愛憎は、どの世代でも存在する。 反抗期の時は、うっとうしかったりしたけれど、 就職して初めての給料で母親にマッサージ器を買った。 年を重ねて、耳が遠くなってきたことを指摘すると、 大きな声で「まだ若いよ」と言い返す母親の姿を見ながら、 子どものようだな、と思った矢先に、この表現にぶつかった。 子供が母親に対して抱く感情は、やはり特別なんだと感じる。 しかし、よく考えると、私はこの人から生まれたんだ、と 思えると、不思議に心が安らぐことを知った。 親子の関係、特に「母子」の関係だけは、切っても切れない、 それを喜ぶ感情を、いつまでも持ち合わせていきたい。
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