初日 最新 目次 MAIL HOME


しもさんの「気になる一言」
しもさん
MAIL
HOME

My追加

2016年01月22日(金)
「紅炉一点雪」(こうろいってんのゆき)

映画「終戦のエンペラー」(ピーター・ウェーバー監督)から。
つい気になってしまう、作品の中に出てくる「掛け軸」の言葉。
1つは、近衛文麿邸でみつけた「天地人」。
戦に勝つことや物事を成功させるには、3つの条件(天・地・人)
が必要だと言われ、その意味は、
「天の恵みの絶好のタイミングは地の利には及ばない。
その地の利でさえ、人々の団結力には及ばない」。
なるほど・・出来ることなら戦争を回避しようとした近衛文麿氏は
そんな気持ちで戦争を考えていたのか、と映画を振り返った。
しかし、今回はもう一つ、作品の中で発見した。
西田敏行さん演じる「鹿島」宅でのワンシーン。
(ほんの瞬間なので、あっているのかちょっと不安ですが・・)
「紅炉一点雪」(こうろいってんのゆき)(正確には「紅炉上一点雪)
この禅語の意味は「真っ赤に燃えている炉に、
一片の雪が舞い落ちて瞬時になくなるように、跡形を残さないこと。
人間のはかない命や寿命、また煩悩や妄想が一瞬のうちに消え去る」。
こんな意味の禅語である「掛け軸」を、どうして飾ってあったのか、
それが、この作品を理解するうえで、とっても大切な気がしている。
戦争の勝利に、執着心をもっている、当時の日本国に対して
その雪のように、すべては無常であると教えているのだろうか。