初日 最新 目次 MAIL HOME


しもさんの「気になる一言」
しもさん
MAIL
HOME

My追加

2014年02月26日(水)
ワレ狂カ愚カ知ラズ、一路ツイニ奔騰スルノミ。

映画「226」(五社英雄監督)から。
私たちの知っている「二・二六事件」と言えば、
「日本の陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが起こした
クーデター未遂事件」程度の知識である。
作品の中で印象的なのは、萩原健一さんが演じた
「歩兵第三連隊・野中四郎大尉」が、
ハンカチを窓ガラスに押し付けて、書き綴るシーン。
「ワレ狂カ愚カ知ラズ、一路ツイニ奔騰スルノミ。」
三浦友和さん演ずる「安藤輝三大尉」も、
「俺はこの言葉で動いた。この言葉で立ったんだ」と、
興奮して言うのだが、この部分の説明は僅かでわからない。
ネットで調べてみても、あまりピンとくる説明もない。
しかし「狂愚」と言う単語で、その糸口を見つけた。
なんと吉田松蔭が、自らを「狂愚」と呼んでいた。
「狂」は積極的に行動する人。
「愚」は退くことを知らぬ馬鹿正直な人間。

「狂・愚」あわせて、積極的な意味をもっているようだ。
ただし「社会に対する絶望の表現」という人もいる。
国をどうするかという意識を強く持ちながらも、
一途な思いで突進していくひたむきな生き方こそ、
青年将校と吉田松陰の共通点ではなかろうか。
いつの時代も「狂愚」と呼ばれる人たちが、社会を刺激する。
その人たちの熱い想いを、どう受け止められるかが、
私たち大人たちの役目であると思う。
この事件が、太平洋戦争に繋がった気がしてならない。