初日 最新 目次 MAIL HOME


しもさんの「気になる一言」
しもさん
MAIL
HOME

My追加

2004年02月23日(月)
傷口を見るのが怖いから、絆創膏を貼るんだよ

第130回芥川賞受賞作品「蹴りたい背中」(綿矢りさ著)も
モノは試し、とばかり読んでみることにした。
ふたりの作品を続けて読んだためか、
「蛇にピアス」ほどのインパクトはなかった・・が本音である。
そんな中でも、私のアンテナに引っかかった台詞が、気になる一言。
傷を直すためでもなく、それ以上、傷が広がらないためでもない。
単純に、傷口を見るのが怖いから・・という視点は、
私にはとても新鮮に感じられた。
「ほら、もう夕焼けが始まっている」
こんな表現も随所に見られ、若い女の子の感覚かな、とメモをした。
仲間はずれにされるのが怖いから、すぐ群れをつくりたがる。
そんなクラスメイトを見て、
「どうして、そんなに薄まりたがるんだろう」と呟くシーンは
喫茶店や居酒屋に一人で行けない私には、グサリときた。
「一人で喋ってると、なにを喋っても独り言になってしまうんだね」
のフレーズなどは、クスッと笑いながらも、
最近、結婚しない若者たちが増えていることが気になった。
彼らは、独り言が多くなるんだなぁ、と思いながらも・・・。
2つの作品の選評を読んでも、その評価が分かれているが、
芥川賞にも、新しい流れが来てることを予感させていることは確か。
私の場合、物語の展開よりも、どれだけ素敵な台詞・フレーズを
文中に散りばめているか、に視点をおいて読んでいるかもしれない。
一人くらい、そんな読者がいてもいいだろう。