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2003年03月06日(木) ■ |
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黒澤明監督の「メイクを取ろうね」 |
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NHK番組「私はあきらめない」今回は、ピーターだった。 つきまとう「美少年・ピーター」は、彼の役者の可能性を狭めた。 人の前に出るときは、必ずメイクをしてくるように指示され、 一度ついた美少年のイメージを崩すことは出来なかった。 そのイメージ払拭に、彼は7年間悩み続けたが、 世間は彼の心の傷も知らず、美少年ピーターを求め続けた。 そんな彼を救ったのは、たったひとつの言葉。 映画「乱」撮影で、無邪気な子ども役を与えた黒澤監督は 彼に「今回はメイクをする必要はないよ」の意味を込めて 「メイクは取ろうね」と声を掛けたらしい。 その一言で彼は「救われた」と嬉しそうに振り返った。 やっぱり「言葉は力だ」と、再確認したシーンである。 人生のレールをひかれるのは嫌、自分でひきたい、と語り、 この映画をきっかけにして、 彼は「美少年ピーター」のイメージを捨てたのではなく、 へぇ、こんな役もできるんだ、と世間に認知され、 ピーターのイメージが拡がった、と喜んでいた。 これをやれるのは私しかいない、と張り切っている彼も凄いが、 彼の悩みを解決し、さらに可能性を見つけスポットを当てた、 故黒澤監督の偉大さを見たような気がしてならない。
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