::思い出し泣き。 2003年08月09日(土)

気がついたらわたしは撃たれて
気がついたらわたしは死んでいて
魂だけで、歩いてた。
ふわふわと。
誰かが、一週間以内に何かを見つけることができたら
元の体に戻してあげるよ、と言われて
必死になって、その何かを探していた。



わたしは生きている、という認識が
ある。
でも、わたしは死んでいるんだ、と
わたしに未来はない、と考えると
恐ろしくなって
考えないよう、ただがむしゃらに
何かを探していた。



探している途中で、今まで出会ってきた大好きな人たちに出会って
笑いながら、
「わたし、死んじゃってさー、
 今ゾンビ状態、みたいな?」
みんな冗談だと思って笑う。
でも、それは冗談ではないんだって
わたしは心の中で呟いて、人知れず涙を流す。



わたしは、殺されたんだ、と
死んでしまったんだ、と
その認識だけを抱えて
探し回っていた。
何かを。
その真実を知っている二人の友人が、
何かを探す手伝いをしてくれていて
その二人が仲良くしゃべる様を見て
わたしは、こんなことをするのではなくて
おとなしくいなくなったほうがいいのかもしれない、
なんて思ったりして。







そこで、目が覚めた







わたし、生きているんだ、と
漠然と、そう思った。
怖かった。
わたしが死んだら、一体どれくらいの人が悲しんでくれるのかな、と
ふと思った。
少し、身震いがして
ほどなくして、考えるのをやめた。






こういうとき、独りでいるのがひどくいやだ。
親でもお兄ちゃんでも友達でも誰でもいいから、
会いたいな、と思った。
とくに関係のない電話でも、
その時のわたしにはとても嬉しかった。
ありがとう。



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