ぶつぶつ日記
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2005年06月25日(土) ご近所

幼馴染のお母さんの体調がおかしくなったのは、
4,5年前のこと。
最初は、うつ病ということだった。
でも、病状はぜんぜんよくならず、
途中からは、近所で「本当にうつだけなのかな???」と
言われるようになってきた。
その症状が、いわゆるアルツハイマーに似ていたので。
でも、どんなに近所付き合いが良好でも、
こういうことって、なかなか他人が家族に言えることじゃない。

定年退職をして、おばさんの面倒を見るようになったおじさんが、
「お父さん、何か悪いことしたのかなあ・・・。
だから、お母さん、あんなになっちゃったんだろうか・・・。」
と言ったという話を聞いた時、誰もが泣いてしまった。
ぜんぜん、そんなことはなかったからだ。
いいだんなさん、良いお父さんだった。
何かの罰で、奥さんが病気になっただなんて、誰も思わない。
でも、病気は突然家族を襲い、家族は無気力感に襲われる。
家族だけでなく、周囲の者も。
もっと、話しかければよかったかな、とか、
気にしてあげれば進まなかったのかな、とか・・・。

つい最近、さすがにこれはおかしい・・・と気がついたおじさんが、
おばさんを検査に連れて行った。
やはり、単なるうつではなく、脳がかなり萎縮し始めているという。
まだ、60代半ばなのに、
おばさんの姿は、うちの隣に住んでいる80歳のおばあちゃんよりも、
年を取って見える・・・・。

ゆっくり歩いているおばさんに、おはよう!と声をかける。
他人だけれど、まるで姉妹のように、
母は頼まれて病院に付き添っていった。
近所の誰もが、これ以上病状を進行させない様に、
自分にできることをさがしている。
時折、その姿が切なくて涙を流す。
なぜなら、自分の将来にその姿がかぶるから。
でも、次に会う時には笑顔で声をかける。
ずっと、同じ町に暮らしてきたから。
いい時も、悪いときも。
いやなことも、良い事もあった。
悪口をいうことだって、もちろんある。
でも、困った時はお互い様。
みんな、一生懸命、生きているから。

ご近所というのは、やはり粋なものだと思う。
そして、何よりも、暖かい。






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