ぶつぶつ日記
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| 2005年06月18日(土) |
自分の利益、他人の利益 |
我が家で購読している新聞は毎日新聞なのだが、 そこでは時折、パレスチナ問題に関しての特集記事がでる。 昨日も、久しぶりに記事が出ていて、 なんら変わっていない(むしろ停戦後悪くなってる?)現状に、 出るのはため息ばかり。
以前、テレビのインタビューか何かで、 ユダヤ教原理主義の家庭の子供(中学生くらい)が、 「自分たちの生活や権利を守るために、誰かが犠牲になるのはしょうがない。」 と正々堂々と言っていたが、 果たして、他者をないがしろにして(この場合は迫害であるが)、 自分たちの生活が守れるのだろうか?と思う。
イスラエルの入植者たちから言わせると、 自分たちは日々パレスチナテロリストの危険にさらされている・・・ と言うことなのだろうが、 その反面、入植地近くに住むパレスチナ人たちだって、 国家と言う後ろ盾もないまま、 イスラエル入植者から、さまざまな迫害や妨害を受けている。 何が許せないって、それは学校に通うとする 子供たちまでもが、その対象になっていることだ。 今では、パレスチナの子供たちは、 イスラエル軍や国際平和団体の護衛なしには、学校に通えない。 しかも、入植者を刺激すると言う理由で、 最近では、国際平和団体の付き添いが拒否され、 まだ、日本で言ったらランドセルをしょって集団登校しているような そんな小さい子供たちが、 イスラエルの戦車にはさまれて、学校に通っているのだ。 それだって、国際平和団体に言わせたら、約束違反だらけ。 イスラエル兵は、絶対に戦車や装甲車から降りて、子供たちと一緒に歩かない。 そして、その状態でも、妨害をやめない入植者から 罵声と投石は、続いているのだ。 学校に行くという、最低限の権利ですら、 子供たちは、命の危険と精神的な苦痛を伴っている。
入植者から言わせれば、自分たちの子供たちだって、 パレスチナテロリストの殺害の危険に晒されているというだろう。 確かに、それを否定するほど、私はロマンチストではない。
しかし、「正常な、戦争のない国家」ということになっているのなら、 自分たちの権利ばかりを守るために、 自分たちとは異質なものは、どうなってもいいということでは、 それはすでに、「正常な」国家運営ではない。 そう、イスラエルは常に内戦状態にあると言って良い。 建国以来、内戦状態でなかったことなどないと言えるだろう。 そしてこれからも、自分たちの権利ばかりが正しく、 他者の権利はどうでもいいのであれば、 パレスチナ問題に、解決の糸口は見えてこない。 それは、パレスチナ側にももちろん言える事だが、 現状、パレスチナ側の権利の方が、あまりにも守られていない。 それは、事実であると私は思う。 学校への通学路で、学校で、 テロリストではない子供が殺されていることは、事実なのだから。 少なくとも、イスラエル側の入植者たちは、 ある日突然理由もなしに、家を壊されたりもしない。
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