ぶつぶつ日記
DiaryINDEX|past|will
とてもおしゃれな美しい人・・・。 モノトーンのその人の写真を見る度にそう思っていた。 特別目鼻立ちが整っているわけではないが、 凛として、清潔な美しさと言うか・・・。
昨日新しい本を買った。 そして私が見ていたモノトーンの写真のほとんどを、 彼女が「添い遂げた」男性が撮ったものだということを知った。 その表情がなんとも言えない淡いものをまとっているのは、 心を許している安心感と、恋している相手への恥じらいと、 そんな自分への誇らしさが入り混じっているからなのだろう。
そっけないようなわずかな手紙と、記録簿のような日記。 最後の年に過ごした時間がぎゅっと濃縮されていた。 相手を思いやる心、思いやってくれる相手への感謝、 甘えと支え・・・。
こんな2人がどうして結ばれなかったんだろう。 妹は思う、「何年かかっても駆け落ちしてもよかったのに。」と。 でも一家の総領娘としての責任感と、恋人の家族と同じ立場にあった苦しい母の姿が 彼女の選択となっていく。 彼が自ら命を絶った時、彼女はまだ35歳より若かったそうだ。 真夜中の、たんすに手を突っ込んで呆けたように座っていた姉の姿。 その取り乱した様子に、声がかけられなかった妹。
どうして死を選んだんだろう、彼女を残して? つらい病から逃げるため? それとも彼女の迷惑になると思ったから? どうして? 私はその名前も知らない見知らぬ人を心の中でなじった。
それでも一途に思いつづけ、結局誰とも結婚することもなく、 飛行機事故でなくなったひと。 簡単に結ばれるよりも強い不思議な絆とやるせなさ。
私より先に、死なないでください。 私の心からの、たった一つのわがままを、思い出した夜。
|