| 2025年03月20日(木) |
雑文・選抜高校野球 壱岐高校の観戦記 |
10云年ぶりに選抜高校野球に行った。野球には疎い。観に行くスポーツベスト10には入らない。だが、日本では野球はメディアと強く結びつき、メジャーなスポーツとなっている。だから競技そのものには関心がなくとも、その周囲には関心がある。 今回足を運ぶことにしたのは長崎県の離島・壱岐から壱岐高校が出るからだ。選抜大会というのは選手権・チャンピオンシップと異なり招待大会である。その中には実力が伴わなくても出られる枠がある。その枠に今回選出されたというわけである。
まずは離島の野球部について各種記事を探した。が何もない。なぜ離島でそこそこ強くなったのかを知りたいのだ。全国隈なく普及している高校サッカーはとてつもない田舎でも離島でも普及している。沖縄県の離島で琉球王国では流刑地であったほどの僻地・宮古島から宮古高校も2回全国に出ているし、今年(2024年度)の高校女子選手権の沖縄県17チームを勝ち上がった選抜チームは石垣島にある八重山高校主体のチームだった。八重山高校は男子も春秋県ベスト4だったこともある。宮古高校の強化法は離島故県リーグに参加できない、参加すればアウェイ遠征費がとてつもなく高くなる、そういう事情で島内の社会人リーグにエントリーして揉まれた。そして全国大会でPK戦で負ける、つまり引き分けるところまで行った。が、高校野球ではそういうことは認められていない。記事を読むと壱岐の中学生時代は黄金世代だったとか、その程度しか書いていない。島は熱狂している、とかスポーツジャーナリズム失格としか言いようがない。中学時代に黄金世代とか、要するにたまたま強かったのであって、強さに秘密とか理由とか仕組みとかないのだろうか?
次に成績を見る。選抜大会はサンデー毎日が毎年大会展望号を出している。それによればチーム打率0.258とある。要するにほとんど打てないチームのようだ。したがって投手に恵まれたチームとなるが、ものすごく投手成績がいいチームでもないようだ。小さくまとまったチームのようだが、記事には万人に理解できるような書き方をしていない。
さて当日、壱岐高校の試合は14時から。で、昼にラーメン食べたら急にお腹の調子が悪くなった。トイレを気にしながら甲子園に向かう。JRで大阪まで行き、阪神梅田でトイレに寄ってから阪神特急で甲子園駅へ。途中尼崎手前の大物(だいもつ)駅で阪神タイガースの新2軍球場が見える。なお旧本拠地は武庫川線武庫川団地駅近くにある。全日本フットサル選手権で会場の体育館に行く際目の前を通ったことがある。甲子園に着いたら半分近くの客が下りる。阪神電車の経営に大きく関わっているということ。球場前にたむろしている人々の中には胡散臭い人もいるが、他人から見れば私もそうなんだろう。目を合わせないように前を通り過ぎ、「8号門」へ。高校野球ファンの中で有名人に「ラガーさん」という人がいる。長年高校野球全試合ネット裏の決まった席にラガーシャツを着て陣取る人だ。近年ネット裏が指定席になったので今は決まった席には座れないが、そういう人は開門何時間も前にネット裏への入り口「8号門」で待ち続けて開門即ダッシュするのである。当然トラブルも多い。けっして尊敬できない人だが、ある意味趣味人として極めぬいた人だ。そこから入る。荷物チェックはなかった。
入ると自販機を見る。ペットボトル500ml300円!高い。そしてトイレが少なくてやたらと喫煙所がある。タバコが多いのは古い施設だからか、ファン層か。トイレが少なくて不衛生なのも古い施設というのはあるが、野球は競技特性上、トイレには試合中少しずつ行くということに気づいた。ハーフタイムに一斉に入る普通のスポーツではないのだ。売店はやたらと高い。甲子園から一時退場は不可能なので、いったん入ったらすべて中のものを飲食せねばならない。入り口でドリングは取り上げられなかった。
ネット裏に入る。野球はスタンドのボールが飛んでくる、危険な観戦となるスポーツなので、観に行くならネット裏以外考えられない。が、ネットがギリギリかかってない危険な席だった。「ファウルボールの行方にご注意ください」との恐怖の放送が何度も流れる。座席にドリンクホルダーはなく不便だが、簡易テーブルがあり、そこにペットボトルを置ける。そしてビールを注文した。高校サッカーではビール販売はない。高校ラグビーでも場内では販売はないが、そぐ外で売っており、案内もある。そしてバンバン座席にビールを売りに来る高校野球。客層や考え方が競技によって違う。私自身は高校サッカーに限らず、学生のフットボール観戦では一切飲酒しない。なぜなら高校サッカーは「観させていただいている」ものであって、あくまで現場リスペクト重視だからだ。まあこの日はお客様として来ているのでビールを飲む。
さて試合は第2試合の山梨学院対天理の終盤をしている。野球は予定通り進まないのは不便なところだ。このカード、高校サッカーなら山梨学院の、ラグビーなら天理の圧勝だろう。尤も最近は山梨学院もラグビーを強化しているが。天理高校の校歌が流れる。ラグビー好きだから分かる。奈良県2強の御所工(御所実)の校歌は知らないが天理は分かる。白川グラウンドまで行ったこともあるし。そして天理のオリジナル応援の「わっしょい」。神道の祭りの掛け声の「わっしょい」を天理教の学校がする。山梨学院は�后Ε侫 璽譽鹹杭蠅留�援ソングの「�后州劭錬腺帖廖�ちなみに次の壱岐高校は長崎県。どういう経緯か知らないが、ここ数年高校野球はV・ファーレン長崎人気で、あちこちの高校が演奏しているそうだ。
試合終了。山梨学院の勝利。向かい合って整列してあいさつした後、山梨学院が一列に並び校歌を演奏する。勝利で報われているのに、わざわざ儀式までするのだ。もちろん敗者の天理は起立させられ聞かされている。野球の文化とはいえ、フットボールファンとしてはギョッとする。勝者はまだいいが、敗者にムチ打ちと感じる。実は以前は日本テレビが高校サッカーで真似してこういうことをやらせていたが、不評でやめた。ほかのどのスポーツがこういうことをやっているというのだ。国際試合みたいに試合前に両校の校歌斉唱でいいのではないだろうか?
さて第3試合、壱岐対東洋大姫路。甲子園は兵庫県、姫路も兵庫県。観客の入りはなかなかである。高校サッカー1回戦ではこうはいかない。交通至便の地にある常打ち会場の強みだ。3塁側応援団席はアルプススタンドという。野球では安い席だが、アメフトでは最上の席になる。その3塁側は第2試合が奈良県の天理、第3試合が兵庫県の東洋大姫路。入れ替えは大変そうだ。そして1塁側の壱岐も入りがいい。当日移動は無理なはずだ。単なる九州のチームなら夜の間中バスで移動することは可能だろう。しかし離島の場合、どうしても船(あるいは飛行機)が間に入る。需要はあっても供給が追い付かないのだ。船の輸送力など知れている。ということは試合前後島の人は大量に休みを取ったのだろう。壱岐の産業構造は知らないし調べてもいないが、主要産業が漁業としたら休んでいるのだろう。休みやすいだろうし。
さて、先行は東洋大姫路。壱岐の投手を見ていると足をこまめに上げてから投げる。野球のルールには疎いがボークではないだろうかと思った。が、審判が禁じない以上は合法なのだろう。ボールは遅い。コントロールがよいタイプの投手のようだ。初回無失点で済んだ。その裏、壱岐高校の攻撃だが、何やら東洋大姫路の投手がおかしい。ボールは速いがストライクが入らない。2失点した。なお壱岐も「V−ROAD」を演奏する。緊張?不調?2回も東洋大姫路が得点できなかったが、その裏に東洋大姫路は投手を変えた。相手が壱岐だから控え投手を先発させて2回から本気出す、という意味かと思ったが、実は先発投手はプロ注目だったそうである。強いからあっさり投手を変えられるのだろう。控えも力があるから、と教えられた。この控え投手も147キロの速球をマークしてまったく壱岐を寄せ付けない。やはり壱岐は打てないチームらしい。 4回、東洋大姫路は1点返した。そして5回、東洋大姫路が走者を出すと、壱岐の投手の複雑に足を上げる投げ方ができなくなる。3塁に走者がいるときは複雑な上げ方をしていたが。とにかく普通に足を上げると打者がタイミングを取りやすいようだ。この回タコ殴りにあう。この投手はやはり全国レベルに達していないのか?それとも東洋大姫路が強いだけなのか?とにかく通用せず、大量失点で勝負がついた。 6回表、壱岐は投手を変えたのだが、唐揚げを買いに行って見られなかった。4個650円という値段もなかなかだが、買うとき売り子に「サービスするから(小声)にしませんか」と言われて同意すると1150円といわれて慌てて取り消した。大幅に値段が上がる売り子のテクニック。甲子園怖い。
さて勝負は5回についていて、まったりと進む。最後まで見たが、壱岐高校の打者は東洋大姫路の二人目の投手に手も足も出ず、東洋大姫路は壱岐の二人目に淡白な攻めで1点しか取れず、おとなしく試合が終わった。東洋大姫路の完勝だった。
壱岐高校は競技の高みを目指すチームには見えなかったが、頂点を目指すだけがスポーツじゃない。エンジョイすることも大事だ。壱岐の子供たちにとっては一生の思い出になったのではないだろうか?離島野球部には離島甲子園という大会があるらしい。この大会なら優勝できるのでは?
ネット裏の客層は悪くはなかった。酔客はいなかった。帰りの阪神電車の客層は「阪急沿線民の偏見の阪神電車」そのものだったが。阪神は阪急の子会社と言ったら血色を変えて訂正するという有名な話があるが、まあ阪神沿線は「ワイルド」ですね。帰りの阪神電車がクロスシートなのはよかった。
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