サッカー観戦日記

2023年02月18日(土) J2リーグ 山口−大宮の観戦旅行記

この観戦記では基本的にJリーグは扱わないが、開幕ということと観戦旅行を書く気分だったので。
コロナ禍でしかも世の中以上に野々村チェアマンが対策緩和の前のめりなので(何かあっても政府の責任ということに出来るからね……)混むJ1は観に行きにくい、のと中国地方で唯一J2レノファ山口に行ったことがない。大阪南港・新門司港間の名門大洋フェリーが全国旅行支援で2割引き+船内で使えるクーポンが平日二千円ということで、山口遠征を決めた。
大阪南港・新門司港間は片道2本ずつとなっている。第2便の船は新型船になった。金曜日は17時発の第1便に乗る。まずカウンターの手前に設置されたデスクで全国旅行支援の手続きをするが、予約を取っていないのですぐにカウンターでチケットの手続きをして再度戻り全国旅行支援の二千円クーポンを受け取る。紙チケットと電子チケットを兼ねる。紙チケットは船内でQRコードを読み込む方式で一円単位まで使える。ならば電子チケットを読み込むのは面倒という感じである。ただどのみち船内の電波状況が悪ければ、紙チケットのコードを読み込まねばならない仕組み。船内に入り、雑魚寝より一つだけ等級が上の簡易ベッドに入る。疲れていたので一息つき、船内バイキングが閉まる30分前の19時半をめどにバイキングへ。瀬戸内海を進むフェリーだが必ずしも電波が通るわけではなく、紙クーポンの読み込みに手間取る。バイキングは1600円で、第1便は簡易朝食券もつく。刺身もある。そして高いせいか野菜は少ない。全体的に満腹になりやすい食べ物を腹いっぱい食べて、食後大浴場に行く気分にはならず、あっさり寝る。
翌朝、4時30分の朝食バイキング?で簡潔な朝食をとり、クーポンの残り400円でビールを買おうと思ったら、朝はビール販売がなく、コーヒーなどを買った。5時30分、新門司港到着し、速やかにシャトルバスに向かう。ツアー客がいて団体専用バスもあった。シャトルバスに20分揺られて山を越え、門司駅に。シャトルバスはさらに小倉駅に向かう。門司駅北口につくが、橋を渡り南口コンビニでビールを買い、山陽本線の下関行きに乗り関門トンネルをくぐり、下関で乗り換え、そこからクロスシート。その電車でビールを飲む。1時間強で新山口駅。山口線に乗り換える。セミクロスシート。ボックス席に陣取り、10キロちょっとを山口駅に。
この日は小雨。傘を忘れていた。山口で観光を考えていたのは香山公園瑠璃光寺の五重塔で、他に考えていたのが「ザビエル聖堂」である。香山公園にはバスが出ていて駅から13分となっている一方、サビエル聖堂は徒歩15分。バスは1時間近く待つので、先にザビエル聖堂だが、調べると、そこから1キロ強で香山公園。ならばついでに徒歩だ。
ザビエル聖堂へは山口線から垂直方向に西に進む。15分近く進むと右折し坂を上り、キリスト教系の幼稚園らしき建物の前を通り右手に塔が見える。それがザビエル聖堂。まだ朝早く、中は見学できない。白くて立派な聖堂である。もちろんフランシスコ・ザビエルが来ている。シャビは名前がシャビエルで、スペイン人らしく親しみを込めて「エル」を取って「シャビ」と呼ばれているが、ザビエルはファミリーネームであり、結構な名家出身。日本に来たから日本国内で歴史上重要視される、というより実際に優れた宣教師だったらしい。
再び坂を下りてまっすぐ進むと国道9号線にぶつかる。日本海側の国道というイメージだが、山口線に沿って瀬戸内海側に抜ける。国道9号線を渡って右折すると県庁。旧山口城。県庁前にバスターミナルがあり、通り過ぎて左折すると香山公園。ザビエル聖堂から1キロ強という触れ込みだったが、すんなり着けたわけじゃなかった。公園に入ればいきなり出し惜しみなく五重塔。池の奥にある。雨に浮かぶ五重塔はなかなかで、何度も繰り返し観た。香山公園は庭園でも知られるが、実は五重塔付近が一番きれいだ。脇には雪舟の像がある。室町時代の画僧で知られる。遣明船で明に渡り絵を学んだ。瑠璃光寺で生涯を終えた、と瑠璃光寺の説明にはあるが、いささか胡散臭い。庭園内には大内弘世の馬上の像もある。室町時代の武将。山口といえば大内氏だが、戦国時代のヒーローがいない山口市のヒーローは室町時代なのか。瑠璃光寺に拝観して、バス待ちの間は極力五重塔の前で過ごす。ここから上手くいかなくなる。まず次の目的地の湯田温泉に向かうディーゼルカーが、駅にバスが着く1分前に出る。次は1時間待ち。で山口駅からバスで湯田温泉に向かおうと調べて駅の観光案内所でも湯田温泉への行き方を尋ねて、そのバスでよいと言われる。が、とんでもない間違いだった。経験上田舎の観光案内所は客のニーズを分かっていないことが多い。分かっていないから観光客に不親切で見当違いのガイドをしてしまう。そもそもプロ意識がない。このバスは2キロちょっとの湯田温泉にまっすぐ向かうどころか、県庁前に向かい(いきなり大回り!)、さらに山口駅から湯田温泉とは真逆の方向の駅に向かう。さんざん大回りして40分以上かかって湯田温泉に着く。山口駅の観光案内所!湯田温泉に行きたい、というのは結果として湯田温泉に着けばいいのではなく、早くて楽に着きたいのだ。それくらい分かってくれ!いや分からないから、観光客のニーズが分からず、観光案内所に人が来ないのだろうが。
湯田温泉で外湯というか、とにかく千円で入れる温泉に浸かる。無色無臭で薄く、お湯とあまり変わらない。でて湯田温泉駅に向かう。足湯がある。結構熱い。すぐに出てディーゼルカーで二つ先の大歳駅に向かう。陸橋を渡ろうとしたが、スタジアムとは逆方向に出口があり、逆方向からの列車から大宮サポも降りてくる。オレンジの道に沿って踏切を渡り道路にぶつかり右折して道路沿い向かいにスタジアムがあるが、雨がきつくなってきた。スタグルにありつく。県内の家庭料理の「けんちょう丼」が目当てだったが売り切れで、キムチ丼と焼きそばを買う。この間レノファサポに質問すればよかったが、観光案内所に失望して質問する気力がなくなっていた。こういうものは地元の人に尋ねるのが一番なのだが、がっかり感と雨でローテンションになっていた。

維新ではメインに座る。屋根はしっかりしていたし、陸上競技場ながら角度もあった。陸上競技場にしては観やすいが、やはり距離があるし、未確認だが防府市にサッカースタジアム建設の動きがあるらしい。サッカースタジアム建設の動きがあると決まって共産党が建設反対運動をする。それだけなら生活密着で箱もの反対なのだろうが、共産党は野球場や陸上競技場には反対運動しないのだから、サッカーファンの反発を食らっている。共産党は20年前後も党首に居続ける志位委員長に対し、党首公選制を主張するグループを民主的とは言い難い党内独自の仕組みから「攻撃」と見なして除名するなど、国民の一般常識からすると民主的とは言い難いトップダウン式だが、志位委員長以下幹部がサッカー嫌いなのだろうか?共産党員にもサッカーファンは多いだろうに。ただ、ここでは共産党を全否定したいわけではない。どんな政党でも長短はあるし、よほど偏った思想か党派性の持ち主でない限り、主要政党ならば全面肯定や全面否定はありえないだろう。サッカー政策、スタジアム政策について共産党はサッカーファンとは相いれない、偏った考えの持ち主というだけの話である。

この日は先着4千人にブランケットが配られるのだが、4600人ほどで、間に合わず、入手できなかった。湯田温泉に手間取ったのが祟られる。
さて開幕のレノファ山口対大宮アルディージャは試合前の挨拶が多かった。県知事や市長、そして県議会の代表、スポンサー、電報などである。
完全に山口寄りで観る。山口は4−3−3、大宮は4−4−2だ。山口3トップは左に小林、中央に皆川、右に吉岡。左攻撃的MFに矢島、右に五十嵐、ボランチ佐藤。左センターバックヘナン、右に生駒。右サイドバック高橋、左に沼田。小林がガンガン仕掛けて吉岡は仕掛けたりタメたり判断がいい。レフティ。派手なのは小林だが、むしろ右が効いていると思った。そして大宮センターバック陣が自分のところで奪う意識が強くで何度も入れ替わりそうになる。まさにその形で警告ももらった。皆川は得点の雰囲気はあまりしないが、矢島と五十嵐が飛び出す雰囲気が漂っていて、まさにこれが起用される理由なんだろう。矢島はエース格かな?五十嵐は知らなかったが、才能豊かでエゴイストの雰囲気があり、チームによっては活きないだろうが、佐藤が献身的にフォローして活躍できている。五十嵐はのびのび成長してほしい。ヘナンはレフティで開いてビルドアップの起点になりつつ、潰しも素晴らしい。生駒もまずまずだが、起点はヘナンだ。そしてこの二人は守備が安定していて、センターバック出身の名塚さんの指導の賜物かと思った。サッカーで長期監督というのは珍しいが、名塚さんはフジタや平塚で24歳くらいでキャプテンで代表で井原さんとコンビを組んだレギュラーセンターバックだった、選手としてもリーダーとしても素晴らしい選手だった。山口でもいいチームを作っている。試合は矢島のゴールで山口が勝った。

帰りは駐車場から新山口駅へのシャトルバスに乗った。300円。そこから山陽本線で小倉へ。でシャトルバスが出ていて、新門司港に向かう。行きと同様の手続きをしたが、帰りはクーポン千円。フェリーに乗り込み冷えた体を大浴場で温め、バイキングを食べて大阪南港にまったり向かうのだった。帰りは第2便、新造船でコンフォートという第1便にはないクラスがある。個室もどき。天井が高い。帰りは20時発の8時半着で、朝余裕があるため、朝食バイキングはしっかりしている。それなりの値段もする。翌日高校の近畿大会があるため、大阪南港ではドタバタするのだった。


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T.K. [MAIL]