サッカー観戦日記

2022年07月02日(土) プリンスリーグ北信越 松本山雅−新潟明訓

コロナ禍が続き、しかも感染数が再拡大している中、高校生のゲームの観戦はなかなか困難であろう。特にリーグ戦やトーナメントの序盤は観客の個人情報を管理するだけの大人のボランティアの絶対数が足りない。よほど無責任な競技団体でもない限り大会序盤は無観客にするはずだ。全国高校総体でも香川会場では看板競技の一つ、バスケは屋内競技ということもあってか、早々に無観客と発表している。徳島会場のサッカー競技は報道で有観客が発表され、それだけで不安で電話で大会事務局に直接問い合わせ、有観客と裏を取った。
さて言うまでもないが、高校生のサッカーは普段何をしているかといえば、毎週末リーグ戦を行っている。9地域リーグがプリンスリーグだが、プリンスリーグ関西は観戦が歓迎されていない。つまり行くと運営に迷惑をかける。そこで観戦可能と裏を取ったところにだけ出かける。今期はプリンスリーグ九州とプリンスリーグ四国に足を運んだ。そして7月9日、プリンスリーグ東海の藤枝会場で藤枝明誠対藤枝東の藤枝ダービーを含む2試合があるが、確認を取ったところ無観客と分かった。となると交通費に余裕が出来るので、有観客と発表されているプリンスリーグ北信越の松本山雅対新潟明訓に足を運べる。会場は松本駅からバスで20分強、そこから徒歩で10分強の松本山雅トップチームの練習場を含むかりがねサッカー場である。なおこの日の松本市の天気予報は35度。猛暑日である。

この日はほぼ始発ののぞみで名古屋に向かい、そこから特急しなの1号で松本に向かい、駅前の松本バスターミナルで7分乗り換えに成功。無事会場についた。すぐシャツとタオルをびしょ濡れにして首に巻き、折り畳み傘を日傘代わりにして陣取る。試合直前に大会プログラムも売ってくれた。実はプリンスリーグ北信越は売ってくれないことが多く、北信越協会に電話して通販をお願いするのが毎回心苦しかった。なおプログラムの番号は無茶苦茶である。

松本山雅
9番10番
8番6番5番18番
14番17番3番2番
GK

新潟明訓
9番10番
7番6番15番8番
16番5番4番23番
GK

新潟明訓は赤地の金色の番号でこの上なく見づらい。ユニフォーム規定では番号は判別しやすいように、との趣旨の一文があるはずであるが、最近判別困難なユニが多い。これは勘ぐりだが、中にはわざとやっているチームもあるのでは?という印象である。

さて試合開始。まず驚いたのが新潟明訓である。もともとパワフルな守備からのカウンターが持ち味のチームだが、ボランチ6番が下がって両サイドバックを押し上げ、丁寧にビルドアップしている。監督も変わっていないはずである。やり方を大きく転換している。持ち前のデュエルも健在だが、とにかくポゼッション型のチームに変わろうとしている。対する松本山雅は相変わらず激しい守備からのタテに速いフットボールという方針は変わらないが、繋ぐところはしっかり繋ぎ、ノーマルなJユースサッカー、つまり徹底的に個人を育てる方向性が強まっている。Jユースといってもポゼッションとは限らないが、個人の技術戦術を高めることが第一、という方針でないJユースは黎明期を除き観たことがない。すぐに目についたのはデュエルに強くミスをしない6番とスペースに流れて受けるのが上手い小柄な10番。またセンターフォワード9番はポストができてやはりマークを外すのが上手くスペースで受けられる上に突破できる。6番とボランチを組む5番は守備専門だがやはりデュエルが強い。3番は高さがあり潰しが強烈。左センターバック17番はやや小さい。右ハーフ18番はタメを作ったり切り返したりで両足を使える。右サイドバック2番はどんどん上がる。左ハーフ8番は線が細いながらもテクニックがある。ドリブルカットイン3人抜きもあった。
新潟明訓としては15番にゲーム作ってほしかったのだろうが、10番が変化をつけるくらいで、中盤で競り負け、個々の能力で劣るので、なかなか厳しく、松本山雅ペースで進むが、新潟明訓も持ち前の守備力で耐えて前半はスコアレス。

しかし後半、松本山雅が流れとは関係なく、後半7分、左から8番のロングシュートが突き刺さり、1−0。8番か6番か判断つかなかったが記録見る限り8番。しかし6番が大喜びするので判断を迷った。この現象は終始続くことになる。さらに後半19分右サイドバック2番のオーバーラップから正確なクロスがファーポスト際で9番ヘッド。2−0。クロスもマークの外し方もよかった。今度こそ9番だろうと思ったら6番が大喜びでハイタッチしていて、すぐには分からなかった。しかし後半33分、新潟明訓も1点返す。実にメンタル強いチームだ。だが後半38分、松本山雅も右サイドバック7番(いつの間に2番から変わっていたのか?実は分かりにくいだけで最初から7番だったのか?)の正確な右クロスがまたしてもファーポスト際に入り8番が決めて3−1。またしても6番大喜び。結局3−1で松本山雅が勝利した。内容的には完勝だった。ただ展開によっては新潟明訓も面白かった。今は変わろうとしている時期かもしれない。

松本山雅
52,折井擢斗
64,田中想来
83,折井擢斗
新潟明訓
78,友坂海空

試合後、バスで松本城近くに行き、松本山雅サポが集まり、クラブ名の由来となった喫茶店の名を引き継ぐ、喫茶山雅に向かった。松本山雅サポが集まる、と思っていたが店内には女性の二人連れだけだった。特にフットボール談義もできず、カフェオレとケーキをいただく。松本城の前の信州そば店に向かい、「わさび菜野沢菜そば」(1300円)を食べた。具がたくさん。そして松本城の天守閣に登る。6階。場内には刀剣や鉄砲、甲冑などが展示されている。本当ならじっくり回るべきだろうし、私はこの種の城では他の客よりゆっくり回るほうだが、何せ35度なので、手早く回ることを心掛けた。松本城は入場ゲートをくぐる前のお堀を手前に斜めに見た天守閣が一番美しいと思う。ゲートを入ると庭園があるが日本庭園の枯山水のような味のあるものとは言えない。シンプルな芝が広がっている。天守閣正面から見上げると迫力がある。もちろん国宝だ。
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その後駅に向かい、私鉄のアルピコ交通で新島々に向かう。新島々は観光バスの拠点で、上高地などの避暑地へのアクセスや乗鞍などの夏山登山に便利がいい。が避暑地で過ごす趣味も登山趣味もないので、新島々で即引き返す。
松本駅に戻ってみれば1分前にしなのが出て、1時間待ち。土産物を買って滅多に食べないジャンクフードのハンバーガーを食べて時間をつぶして次のしなので帰った。


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T.K. [MAIL]