サッカー観戦日記

2020年11月08日(日) 高校選手権京都大会決勝 京都橘−東山

高校選手権京都大会は新型コロナウィルス禍の中で関西で唯一、準決勝以降をスタジアム観戦可能な地区である。京都は全体にレベルが高いが、今年の決勝はまさに全国制覇を狙える2校、京都橘と東山の決戦である。

入場の待機列を見て焦った。密も密、激混みである。しかし前の人から距離を置いて立つと間に入られるので、詰めざるを得ない。待機列の間に役員を入れて注意喚起すればよかったかもしれないが、そんな役割、誰もしたくないはず。難しい。そして観客席2階も混んでいるので3階の中央付近に陣取った。私は中立の立場での観戦だから。

なお恒例のプログラム無料配布も、有料での販売もなく、しかもKBS京都での中継録画に失敗したので、選手名については現場でのメモである。


京都橘          東山
−−−九番−−十番−−− −−−十一−−十五−−−
−−−−−十三−−−−− −−十四−−−−七番−−
十四−七番−−六番−十六 五番−−−三番−−−八番
−−十七−三番−二番−− −−四番−十八−九番−−
−−−−−一番−−−−− −−−−−二一−−−−−

京都橘
1 中村 2 山田 3 小山 17 金沢 6 高崎 7 中野 16 青山 13 杉本 14 中川 10 西野太陽 9 木原

東山
21 佐藤 18 新谷 9   4  5 7 3 大山 14 ?口 8
11 岩村 15 ??

速記が出来ないので東山の選手については観戦ノートに急いで書き込んだ名前をほとんど読み取れませんでした。すみません。是非情報をお寄せください。

立ち上がり、東山は4−4−2に見えたが、すぐに5バックに変更する。これがこのゲームへの秘策だろう。左ストッパー4番は大柄で左足ロングフィードがあり、スペース察知能力の高い15番を走らせようという意図を感じる。15番はスピードとセンスがあり、ただ80分間は持たないというスタイルだった。3番は極端にミスが少ないボランチで戻っての守備もよく、攻守の中心選手。14番はFW陣と近い距離を保って勝負パスを出す。これに対し、京都橘は3−5−2で両アウトサイドからは正確なクロスが飛び、また今年は体格に恵まれ、当たり勝ちできる。そして2トップが大駒だ。全国高校選手権準優勝時(PK準優勝)のダブル得点王、仙頭と小屋松が浮かぶがまるでタイプが違う。徳島入り内定の西野は中で競り勝ちキープできる一方で左に開くことを好み、1対1でも仕掛けられる選手。相棒の2年生木原もすでにJの争奪戦が噂される逸材で、仕掛けて決める力がある。たぶん共に相棒にはポストをさせて自らは飛び込みたいタイプじゃないかなあ?そして左ストッパーはロングスローの名手。京都橘が体格に優るだけに17番のロングスローは脅威だ。しかも京都橘は流れではアウトサイドを使うタイプのチーム。つまりスローインの機会は多い。

2分、京都橘、フリーキックから13番シュートは外れる。決定機。3分、東山、左ロングスロー、京都橘キーパーキャッチミスもこぼれは外れる。決定機。8分、京都橘、左コーナーキック、6番のキックにファーで合わせるがバー。やはり京都橘は高い。徐々に渋いゲームとなる。リスクを避け、東山はスペース狙い、京都橘は2トップを活かしたスタイルに。決定機ベースでは互角だが、東山サイドとしてはハイボールの処理を誤れば即失点という厳しいゲーム。35分、京都橘、ロングスローからヘッド左隅に決まる。場内の熱で得点者は良く聴こえず。たぶん木原。前半1−0。

後半に入る。46分(40分ハーフ)、京都橘、ロングスローを東山ゴールキーパーがファンブル、誰かが押し込み2−0。京都橘の両アウトサイドはタイプが違う。右は上手くて自ら仕掛けられ、トリッキーな落としもある。左はクロスの名手。ただ今年の京都橘は中からの崩しが少なく、高速パスワークは観られない。60分、東山15番→20番。限界までよく走った。2点ビハインドだが、20番も高さはなく、むしろドリブラー。72分、東山、左コーナーキック、京都橘はゾーンで守るが、ゴールキーパーの前に飛び込む選手を誰も見ておらず、無責任なタイプのゾーンにより14番ヘッド。2−1。しかし京都橘は執拗にコーナーキープ、芸術的なまでのコーナーでのキープで時間を稼ぎ、2−1と優勝し、全国へ進んだ。

まず京都橘について。全国でも優勝は十分狙えるだろう。力もあるし全国慣れしているという経験面でのアドバンテージもある。京都橘は例年必ずしも大柄なチームではないが、今年は飛び道具がある。というか、京都橘は毎年のようにスタイルを変える。全国的に成功している高校でありながら、変化を恐れないというにはなかなかできることではない。

対する東山。こちらもスタイルを変えるが、対京都橘スペシャルだったか?鎌田大地の頃は典型的なポゼッションチームだったが、ロングボール主体のチームになっていた。理想と現実のすり合わせを絶えず行っているチームだ。だから近年でも全国高校総体ベスト4に入れるのだ。東山が全国トップクラスの力を維持することが京都高校サッカーのためになる。このまま頑張ってほしい。


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T.K. [MAIL]