サッカー観戦日記

2020年07月12日(日) 関西クラブユースリーグ 枚方FCカンテラ−センアーノ神戸ユース O−60シニア大会 大阪−和歌山

まずこの日までの流れについて。当初J3のG大阪23対鳥取をG大阪スタジアムに観戦に行こうと考え、唯一のチケット販売機関のJリーグチケットで抑えていた。私はカード使用には反対派なのでコンビニ払い可能なこのゲームはそのつもりでいた。ところが支払期間が水曜日まででそれを忘れていたのだ。まあ直前でもいいか、と思っていたら金曜日に重大なニュースがリリースされる。関西クラブユース連盟によれば延期されていた日本クラブユース選手権が12月に前橋で開催されるという。そして金曜発表で日曜日に関西クラブユースリーグが開幕する。関西クラブユースリーグとは例年秋の関西街クラブの大会でJユースカップの街クラブ予選、および最近ではタウンクラブカップの予選を兼ねる。しかし今年はJユースカップが中止でクラブユース選手権が冬に移動したため、Jユースカップではなく、クラブユース選手権の予選を兼ねることになった。全9クラブが総当たりリーグで上位2クラブがJユース4クラブの総当たりリーグの下位2クラブとプレーオフで、その勝者がJユースの上位4クラブとともに全国へ。街クラブが総当たりリーグを行えるというあたり、今年の府県リーグはほとんど開催できないのでは?という懸念もあるが、とにかくそう決まった。

さて関西の街クラブだが、ここ近年、センアーノ神戸・エストレラ姫路・ディアブロッサ高田の3強が中心だった。いずれも県リーグ1部の経験があるし、何なら姫路はプリンスリーグ経験もある。一方、関西最古の名門は枚方FCだった。故近江先生(医師)が宅地の子に健康的な生活を、ということで始めた日本でも最古クラスの街クラブである。その枚方FCが昨年華麗に復活し、関西街クラブの王者に返り咲いた。枚方FCといえばカナリア色である。テクニック主体の華麗なサッカーには定評がある。

関西クラブユースリーグ
枚方FC−センアーノ神戸
7月12日 9時15分 堺S8


枚方FC         センアーノ神戸
−−−十三−−七番−−− −−−−−十番−−−−−
−−−−−十番−−−−− 十八−十一−−三九−八番
−八番−−九番−−十九− −−−−−六番−−−――
十四−十一−−十二−二八 三三−十九−−十七−二六
−−−−−二一−−−−− −−−−−一番−−−−−

なお、何故か公式記録から選手名をコピペできないので、個々の記載はまた後日に。





さてセンアーノ神戸といえばパワフルなフィジカルと自由闊達な雰囲気が売りで、専用人工芝グラウンドもあるのでテクニックも高い。小学生は夏冬全国制覇したこともある。一般に街クラブの弱点はフィジカルトレーニング不足からくるパワー不足である。ところが枚方FCは全く当たり負けしないパワーがある。さらにセンアーノは1トップ10番が左右に流れスペースを作り2列目が飛び出す策を採る。しかしパワー負けしない枚方FCは10番を潰し、さらに2列目の飛び出しにも対応して戦術的にも無効化している。普段ならセンアーノ神戸は10番がクサビになり、またスペースを作り2列目が飛び出せるので押し込めるのだろうが。さらに中盤ダイヤモンドの枚方FCはボランチ9番が高さとパワー、さらにシンプルに捌く判断があり、トップ下10番はトリッキーに味方に繋ぎ、そしてエース13番が再三ドリブルで仕掛け、脅威になる。しかしセンアーノ神戸も左センターバック19番を軸に耐える。はっきり枚方FCの攻勢が続く。左サイドバック14番がクロスを入れ、19番の右クロスも脅威。そして遊び心のあるプレーで押し込む。しかしセンアーノ神戸もよく耐え、シュートに行かせないのは流石である。40分ハーフの飲水タイム、黙っていたセンアーノベンチが何か指示したのか、2列目が高いポジションをとってきた。この状況で攻め合いを選んできた。これが本来の形で、ゲーム感覚の無さゆえに忘れていただけなのか、11番がどんどん飛出し、11番もパワフルなので起点になり枚方FC9番とバチバチやり合う。39番もパワフルで、1ボランチ6番が攻撃面でも効いてくる。飲水タイム以降は互角の展開に。前半は0−0で終了。

さてハーフタイムでセンアーノ神戸は10番を下げるが、4−1−4−1はそのまま。そして双方リーグ戦の初戦だから、とか強敵だから、引き分けでOKなんてこれっぽっちも考えてなく、激しく攻め合う。ゲームプラン自体は変わらない。枚方FCはテクニカルに繋ぎ、センアーノ神戸は如何にスペースに身体をねじ込むか、という展開だが、決定的なシュートを撃てない。つまり双方DF陣も堅い。枚方FCがこのレベルに戻ってきたなら、少なくとも大阪府2部リーグには参入できるんじゃないだろうか?そして激しい攻防が続いたまま、結果はまさかのスコアレスドローだった。

負けを恐れないいいゲームだったのではないでしょうか?レベルも高かったし、あとは駆け引きだ。これはゲーム感覚が戻ればなんとかなるだろう。あと、ベンチ入りが少なかった。つまり大会が11月末まで続くし、引退して受験を考えた3年生も多いのだろう。



この日はもう1試合、O−60シニア大会を観た。いつもU−18とか、つまりアンダー18といった表現は多いが、O−60、つまりオーバー60、60歳以上の大会である。シニア大会には独自の魅力がある。高校生の大会の魅力が若く未熟の選手がただ一生懸命プレーしているだけではないのと同様、シニア大会も運動量が少なくスペースがある分、パスが良く繋がり、丁寧に崩すというスタイルになる、ということだ。逆にドリブルをすると、その直後ドリブラーはへばって守備に戻れない。そしてこの年齢までプレーしている選手というのは、派手なテクニックこそないものの、基本の止めて蹴るという技術はしっかりしているものである。また彼らの時代はほぼマンマークしか守備方法がなかったものだが、戦術眼がないわけではないので、この歳になってゾーンディフェンスを身につけている。つまり向上心をもって取り組んで成長している。大会はトーナメント方式。優勝府県が全国大会に進む。

さて第1試合前に奈良県のベンチの裏を通ると滋賀県のことを「前に見たけど大したことなかったで」などと話している。そんなに油断していて大丈夫か?そんなに甘くいくか?と思っていたら、なんと滋賀県は棄権した。ホントに甘かった!

第2試合は大阪府対和歌山県。大阪府がパスを繋いで支配し、押し込むが和歌山選抜が引いて耐える。なおフィジカルコンタクトありだ。スライディングタックルもショルダーチャージもあり。O−70では禁止だが。20分ハーフだが、もっと短そうだ。前半0−0。基本技術の大切さ、インサイドキックとインフロントキックさえしっかりしていれば、フットボールは何とかなるということが良く分かる。トラップも工夫はないが、とにかくピタッと止める技術はある。しかし和歌山もパスサッカーにも上手く対応し、ドリブルの時だけ崩されそうになる。前半は0−0だったが、後半、大阪府48番が中央右寄りから仕掛け、切り返して逆足の左足でコントロールシュート、浮かせて左上隅に叩き込み先制。シニアのサッカーなので興奮のあまりハグする習慣はない。結局大阪府が1−0で和歌山県を下した。


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T.K. [MAIL]