サッカー観戦日記

2019年03月16日(土) 奈良県1部リーグ開幕節 奈良育英−法国 五條−奈良 一条−畝傍 香芝−橿原 大和広陵−生駒

実はこの日はおおさか東線の全線開通日。というわけで新大阪からおおさか東線で南下し、近鉄に乗り換えた。桜井線でフットボールセンターに向かう手もあったが、朝早くておおさか東線の車窓を楽しめないので近鉄経由にした。おおさか東線の先頭車両の一番前は鉄道ファンがぎっしり詰まっていた。


奈良県1部リーグ
奈良育英高校−法隆寺国際高校
3月16日 9時 奈良県フットボールセンター 人工芝 小雨

奈良育英         法隆寺国際
−−−十番−−九番−−− −−−−−四八−−−−−
−−−−−−−−−−−− −三八−−−−−−九四−
十一−六番−−八番−七番 −−−七番−−二六−−−
十七−四番−−二二−二番 四六−四七二番三十−五番
−−−−−一番−−−−− −−−−−五一−−−−−

法隆寺国際は5バックでガッチリ守る体制。奈良育英は左コーナーを11番の右足、右コーナーを8番の右足で担当、7番が快速。9番が明確にエースストライカー。10番も引くことなくストライカーポジションでゴールを狙う。9番がポストになって10番がフリーになろうとする。序盤、法隆寺国際のカウンター狙いがはまる。奈良育英はセンターバックが余裕たっぷりに持って前を向いていても逆サイドハーフが背中を向けているシーンが散見された。一気に振ってスイッチを入れるチャンスなのにボールが欲しくないのか?上間先生が抜けた穴は大きいのか?それでも8番のフリーキックを法隆寺国際キーパーキャッチミス、背中とゴールポストの間にボールが挟まる珍プレー。24分、奈良育英7番が敵陣カット、右シュートに法隆寺国際キーパー止められず。1−0。奪われ方も悪ければ、GKの反応もミスだった。ミスが二つ重なれば失点する。43分、47の50mFKをGK弾き30番蹴り込み法隆寺国際同点。難しいボールだが、これもGKのミス。前半は1−1で終了。
後半4分、奈良育英11番の左クロスを9番ワントラップボレーで2−1に。奈良育英がきっちり崩せたシーンは少ない。不出来なのか、今年のチーム力なのか。いずれにせよディテールが甘く、指導が行き届いていない感がありあり。法隆寺国際は7番と26番のインサイドが強力で奈良育英を中で作らせず攻め気も失わずボールを運び、カウンターで効いている。しかし徐々に奈良育英が時間を進めはじめ、終盤はコーナー付近でキープして逃げ切る。2−1で奈良育英の勝利。

奈良育英は確かに奈良県でもトップクラスなのだろうが、以前ほどトップクラスでもなければ、一条と2強という印象でもない。パスが流れず、サイド攻撃にしてはサイドハーフもサイドバックも大きく開き、距離感が悪いのでサイドバックが追い越せないのだ。サイドハーフの突破力は大したものだが、単調なサイド攻撃では読まれてしまう。今の時代サイドハーフが大きく開くならサイドバックはインナーラップを見せなければ。そしてインサイドで回せないなら後方で大きく回すなりチェンジ・オブ・ペースが無ければ法隆寺国際の守備のリズムを作ってしまう。法隆寺国際はミスから失点したのがもったいなかったが、ゲーム運びを見る限り、偶然のミスというよりある程度ミスするチームのようだ。大事な場面でミスしないことを祈る。自陣深くまで引きずり込んでのロングカウンターは見事だった。個人的には焦土作戦と呼んでいる。ポゼッションが善でカウンターが悪みたいな見方は見当違いで自分と相手の力関係を観ながら長所を押し出し勝機を探るのがサッカーだ。いい戦い方だった。




奈良県1部リーグ
五條高校−奈良高校
3月16日 11時 奈良県フットボールセンター 人工芝 小雨

五條           奈良
−−−十番−−五十−−− −−−四番−−六番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
五五−三八−−五七−十七 四六−二五−−七番−四二
三二−四五−−五一−五八 四五−五番−−四四−四二
−−−−−二一−−−−− −−−−−二十−−−−−

五條は相変わらずドリブルの優れたチーム。潰せて捌ける57番と中から突破できるドリブラー38番のインサイドが強力で、右の17番、左の55番も優れたドリブラー。10番はループパスなど変化をつけ、50番がしぶとくゴールを狙う。ドリブルだけなら野洲と同等以上だろう。ただし相手を引き付けてのギリギリのパスでは野洲が上回る。対する奈良はエース4番に預け、突破力に託す。対人守備が甘いのでガツガツ行ってファウル覚悟で止めるしかないと思うのだが。20分、五條、50の右シュートが決まり1−0。27分、奈良のゴールキックを左サイドで55番カット、得意のドリブルでペナ内に切れ込みこぼれを50番蹴り込む。2−0。とにかく奈良としては基本に立ち戻り守備の距離感を狭め、一人抜かれてもカバーが間に合うようにするしかない。前半は2−0で終了。

後半4分、奈良4番が左から仕掛けて6番潰れ回り込んだ4番蹴り込む。2−1。後半22分、五條55番の左ミドルが右隅に決まる。3−1。27分、右コーナーからの流れ、奈良46番の左クロスを4番が決める。3−2。31分、五條50番ポストに入りターン、裏に出し10番決める。4−2。後半43分、PKを10番が右上隅に決める。5−2。後半45分カウンター38番が運び、右フリー10番が決める。6−2。

結局五條の底力が上回った。守備は甘いが、それは承知のうえで攻撃サッカーを貫いている。今年こそリーグ戦でも総体・選手権でも優勝候補だろう。この日観た中では一条と並んで、あるいはそれ以上に出来が良かった。



奈良県1部リーグ
一条高校−畝傍高校
3月16日 13時 奈良県フットボールセンター 人工芝 小雨


一条           畝傍
−−−十一−−十番−−− −−−十番−−九番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
二番−八番−−七番−九番 十一−八番−−三番−七番
二二−四番−−三番−五番 二番−六番−−四番−十六
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−


畝傍の谷口祐樹先生(監督)はおそらく元カマタマーレ讃岐所属の元Jリーガーだろう。

立ち上がりから一条は両センターバックとキーパーの3人で後方で大きく回しゲームを作る。一条の4番は決まって左センターバックで左足ロングフィードがある。たぶん右利きだが、一条における守備のエースナンバーか?畝傍は2トップが強力で9番がチャンスメーカー的、10番が点取り屋っぽい。ただ一条が後方で回すので追った方がいいのか、リトリートすべきか迷い、結果として追わされ消耗しているように見える。ただはっきりしているのは畝傍は強いということ。守備も対人守備はなかなか良い。一条の動き出し、スペースで受ける動きがよく、後方からいいパスが出るので加速されてしまうが、中を固めて止めている。12分、一条、左フリーキックに競ったこぼれを5番蹴り込む。1−0.5番は身体の強くタフなサイドバック。しかし畝傍も動じず、41分に10番の左シュートで1−1に追いつく。一条は激しいフォアチェックのドリブラー10番がラフプレーで警告を受け、交代させられる。エースだと思うのだが。43分、一条、左70度25mFKを8番が左上に叩き込み2−1。ロスタイム、一条のミドルをセーブも交代出場の17番蹴り込む。3−1。前半終了。

後半開始。運動量低下が懸念される畝傍だが、良く鍛えられている。自慢の2トップもクオリティーが落ちない。ただ一条の交代出場17番もクオリティーを持った選手であるのに比べ、畝傍は層が薄いのかもしれない。17番は10番ほどテクニックはないが飛び出す迫力を感じる。後半13分、一条じっくり後方で回しロングフィードに11番飛び出し、畝傍キーパースライディングタックルもこぼれを17番蹴り込む。4−1。後半30分、一条7番の左クロスを2番折り返し11番ボレー。5−1。結局一条が勝った。点差ほど力の差があったわけではないが、淡々とゲームを組み立てた一条が試合巧者だった。交代出場の17番も大活躍ながら下げるなど層の厚さを見せた。畝傍としては法隆寺国際のように割り切って引いてロングカウンターを狙えば強力な2トップが活きたのだと思うが、ポリシーとして引かなかったのだろう。あとセットプレーの守備が気になった。



奈良県1部リーグ
香芝高校−橿原高校
奈良県フットボールセンター 3月16日 15時 曇 人工芝

香芝           橿原
−−−十番−−十四−−− −−−十番−−十七−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
九番−七番−−六番−八番 十一−七番−−六番−八番
五番−四番−−三番−二番 二番−三番−−十八−五番
−−−−−二一−−−−− −−−−−十二−−−−−


香芝は自陣から空いた味方を次々に使う都会的なスタイル。フリーになる動き出しが良く、2トップ10番と14番は小柄ながらいいタイミングで流れて起点になり、中央にMFが飛び出していく。10番と14番はドリブルもいい。特に14番。香芝の10番は五條の10番と双子だそうな。とは言え米原前監督の頃ほどの精度はなく、一条ほどの力はないと思った。橿原は押し込まれて、後方からのロングボールが多いが、18番がチーム1の技術で運べてロングフィードもある。3番が彼に次ぎ技術があり、センターバックからチームを作っていることが良く分かる。香芝は相変わらずコーナーをゾーンで守る。最近はゾーン破り対策も進んできているが、橿原はあまりゾーン破りの練習をしてきていないのか、形にならない。前半香芝先制も見逃した。後半24分、右クロスをファーに流れて9ダイレクト。奈良県1部リーグ、香芝2対0橿原。後半43分、サイドチェンジ9左パスに10スライディングシュート。奈良県1部リーグ、香芝3対0橿原。後半橿原は大黒柱の18番をボランチに上げ、4番をセンターバックに入れるが、ボランチの位置で身体の強さを活かすものの前を向けず、今度は左センターバック3番が自陣から運んでビルドアップも崩せず、香芝の完勝だった。
香芝は以前と比べて精度は落ちているが、やはり奈良県1部リーグでも上半分のチームか。ショートパスを次々に繋ぐサッカーは魅力的だ。橿原は個々の能力で落ち、18番とか3番とか能力の高い選手に依存気味だった。



奈良県1部リーグ
大和広陵高校−生駒高校
奈良県フットボールセンター 3月16日 17時 曇 人工芝


大和広陵         生駒
−−−−−十九−−−−− −−−十三−−五八−−−
十三−八番−−七番−十番 −−−−−−−−−−−−
−−−−−十一−−−−− 三一−十七−−三番−十九
六番−十七−−四番−五番 五七−二番−−四四−七番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

3分、大和広陵先制!右カウンター10の右クロスが直接ゴールイン。奈良県1部リーグ、大和広陵1対0生駒。大和広陵は完全に自陣に引いてのカウンター狙いの4−1−4−1で高さで勝てて追い方の上手い19番と身体が強く展開力のある11番のチーム。彼らがいなければ戦術そのものが成り立たない。対する生駒はセンターバックから大きくつなぎビルドアップ。サイドバックが高い位置を取る。キャプテンの7番など中盤じゃないか?と思うほど高い。個々の能力では明らかに生駒が上回っている。生駒は監督が元Jリーガーの古田先生でしっかりと自陣から組み立てる教科書通りのスタイル。しかも下級生を香芝を強豪に育てた米原先生が見ているというのだから、かなり指導体制はいい。メモが散逸して不明だが、生駒も追いつく。後半も生駒がボールを動かし続け、強さを見せつける。また生駒の19番の加速するドリブルからのシュートが脅威になっている。大和広陵とは力の差は確かにあるが、大和広陵もしっかり耐え、後半44分、大和広陵ハーフ付近フリーキック、10番が放り込んだこぼれを7番が蹴り込む。2−1。結果的にはキック精度に優れた大和広陵10番がカギになり、貴重な勝ちを拾った。当たり前だがリーグ戦は「勝った〜」と「拾った〜」があり、どれだけ押されていても勝ち点を拾うゲームを作ることが残留のカギになる。大和広陵はカウンター時に19番に納まるから、ずっと押し込まれず時間を作れた。おそらく残留争いすることになる戦力だが、こういうゲームを続けていれば期待は広がるのではないか?生駒はとにかく決められなかった。58番は何度か決定機もあったし、サイドハーフが中に切れ込んでサイドバックを活かすなど形は作った。あとは決めるだけだ。


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