日本はサッカーの実力こそ上がったが、サッカーの社会的地位や発言力、スタジアムに関してはまだまだ後進国だ。税金で野球場や陸上競技場は作るのに、サッカー場となると目の色を変えて反対する人が多い。あるとも知れないプロ野球開催とかたかがキャンプのためにスタンド付きの立派な野球場を作ったり、1度きりの国体開会式のためにスタンド付き陸上競技場を建設するのにJ1基準のサッカー場はなかなか建設されない。しかしやっと日本が「普通の国」に近づきつつあるようだ。4月の統一地方選を意識してか、自治体の首長や市議会などでサッカー場建設の話が浮上している。そこで高校選手権2回戦は未知の会場ということと、首長が駅前サッカー場建設を公約にしたという相模原会場を選んだ。帰りに建設地候補のJR相模原駅による計画である。
行きは茅ヶ崎から出る関東としてはローカル線ギリギリなJR相模線で原当麻駅で降り、徒歩でアクセスする。ほぼ迷わず行けたが、30分弱かかる。歩道も狭く、大勢の人は運べないルートだ。丘の上にギオンスタジアムがある。スタジアム自体は綺麗でバリアフリー化もされていて、なかなか良い。しかし陸上競技場で、山奥で、傾斜も緩く、なるほど、これじゃダメだと思った。高校選手権だから結構客が来ているが、皆さんここまで来るのは大変だっただろう。最善のルートは小田急相模大野駅からバスらしい。
高校選手権2回戦
宇治山田商−開志学園ジャパンサッカーカレッジ
相模原ギオンスタジアム 12時 ピッチ良 晴れ
宇治山田商 開志学園
−−−西口−−羽山−−− −−−−−染野−−−−−
−−−−−−−−−−−− −上口−−石塚�◆欖悄檗�
結城�⊂硝棔飮嚇牒∋優鎮� −−−伊藤−−今井−−−
小藪−瀧内−−田中−下村 高橋−岡田−−藤原−池田
−−−−−森田−−−−− −−−−−子安−−−−−
宇治山田商 監督:江崎徹
GK 12 森田隆平 96・11・30 179・88 SCスぺランザ
DF 2 小薮翔平 96・11・30 158・52 ソシエタ伊勢SC
5 瀧内捷翔 96・08・21 169・59 W1
14 下村啓太 96・05・11 165・61 五十鈴中
16 田中空 97・03・25 170・50 多気中
MF 6 松本直也 96・06・28 165・58 安乗中
7 四ツ谷翔平 96・08・06 172・61 伊勢港中
10 山田真南人 97・07・11 168・61 ソラーレ
25 結城海太 98・03・15 166・58 五十鈴中
FW 8 西口亮城 96・12・24 171・57 ソシエタ伊勢SC
18 羽山哲矢 96・07・12 161・52 ソシエタ伊勢SC
開志学園 監督:宮本文博
GK 1 子安崇弘 96・12・27 182・70 FC Alma大垣Jry
DF 3 岡田龍磨 96・06・08 178・66 SQUARE富山U−15
4 藤原昭一 97・01・13 174・66 福浜中
6 高橋颯人 96・06・29 174・71 FC Consorte
20 池田永徳 96・09・16 172・67 FCあきた
MF 8 今井輝 96・08・20 172・60 FC多摩Jry
10 伊藤大貴 96・11・25 169・67 光陵中
14 石塚功志 97・06・27 167・62 FC多摩Jry
FW 7 関瑞樹 96・07・14 178・68 FSC新潟JY
9 染野伸也 96・05・02 168・60 カナリーニョFCJry
11 上口玲央 96・11・24 168・67 カターレ富山U−15
松本直也は写真で満面な笑顔を浮かべていて好感度が高い。プロと違って写真の表情は統一されていないが、写真の表情には微笑とかさわやかな笑みとか、きりっとした表情とか、プロなら凄みを浮かべるとかいろいろあると思うが、松本の表情には高校選手権に出られる喜びにあふれている。
開志学園は高校生のサッカー専門学校+スクーリングによる高校卒業資格取得という独特のスタイルの高校だ。生徒は男女サッカー部とアルビレックス新潟ユースの選手たちであり、いずれも今年度全国大会に出ている。つまり登録は別にして、生徒全員が全国大会に出たというおそらく史上初の高校だ。
試合開始。宇治山田商は守備時はドイスボランチで、攻撃時には��山田が上がり、4−2−3−1気味となる。極端にバックパスを押し上げ、オフサイドを奪う意図の守備をしている。もちろんバックラインが小柄なこともあるだろうが。高校生なら体格に恵まれなくても戦い方はあるということを証明している。�憶�山は前線で決定的なパスを出す。�Щ優鎮�は快速で、㉕結城はおそらくチーム1足が速い。1分、開志学園�Т悗�力強くキープからシュートは逸れる。2分、左で��上口が仕掛けゴール前で��石塚がターンからシュート、決まって0−1。7分、宇治山田商、左FKは逸機。8分、開志学園��伊藤がが裏にだしシュートはブロック。11分、開志学園フォアチェックから�Т悗�奪い��染野がへ、ペナ内で倒されPK。これを��染野自身が左隅に決めて0−2。しかしここから宇治山田商のフォアチェックが機能し始めて、逆にショートカウンターが冴える。��石塚はなかなか上手い。しかし開始も2列目からの飛び出しが見事。�Т悗�タメて��石塚が右クロス、これはカットだが、典型的なサイド攻撃。直後には�Т悗�突破し��石塚に、しかしGK飛出しが早くカット。21分、開志学園��石塚落とし��染野受けるもシュートは外れる。決定機。宇治山田商は㉕結城がいい左クロスを入れる。25分、開志学園、カウンターから��染野が1対1になりかけるが触れず。右CKで開志学園は��高橋が左足で入れてニアで�2�田が合わせるがブロック。28分、開志学園��伊藤が上手いスルーパス、�Т惷�いが最後奪われる。31分、宇治山田商��山田がミドル、DFに当たり左に外れる。決定機。開志学園��石塚を相手を引きつけてキープして決定的なパスを出す。終了間際、宇治山田商、㉕結城のシュート、外れる。結局前半は0−2で終了。
後半開始。宇治山田商��
前半のシュート数は4(1)対5(3)、CK数1対1、GK数3対4、オフサイド数0対7、クロス数2対5、ファウル数4対5、FK数1対1、宇治山田商は狙い通りオフサイドを取れているが、失点は余計だった。
後半開始。43分(40分ハーフ)宇治山田商��がミドル、弱い。シュートから入る意志が感じられた。しかし開志学園も右CKを��高橋が左足で入れ、クリアされるが、後半の入り方も開志学園がいい。試合運びの上手さは経験豊富な伝統校のような強さだ。53分、開志学園、右FKで風下の��高橋が入れて合わせてバー。決定機。54分、開志学園��染野→㉕大坪奨。58分、宇治山田商、GK��森田に戻し一気に前線へ、�╂掌�へ、持ち込み切り返して左足シュート、決まって1−2。61分、宇治山田商�暗鎮罎旅ゥ侫�ードが�憶�山へ、GKブロック。決定機。63分、開志学園��伊藤のスルーパスを��石塚受けて倒され、GK森田に警告。このFKを��高橋が右上に決めて1−3。64分、宇治山田商、左CKを後方につないでファーに入れてクリアされるが、こぼれを右クロス、シュートは右に外れる。67分、宇治山田商、正面25mFK、ここで�Щ優鎮�→��岡本杏太。FKに��山田と�╂掌�が構え、山田の右足は上に外れる。68分、宇治山田商、左CBが上がり結城へ、左クロスに�憶�山が左上隅に決めて2−3。71分、開志学園��上口→�鮎硝棆銅�。��石塚が1トップで�┷0罎�左ハーフ、㉕大坪がボランチ、�鮎硝椶�トップ下に変更。4−2−3−1は変わらず。77分、��高橋→�ツ堽唇譟�5バックか。79分、��石塚→�憶�生田大地。結局2−3で開志学園が逃げ切る。
後半シュート数6対3、CK数2対2、GK数1対5、オフサイド数0対3、クロス数7対7、ファウル数3対4、FK数1対1。後半は宇治山田商は盛り返したが、基本的にショートカウンターしかないので、開志学園が安全第一のプレーを心掛けると苦しい。開志学園は試合運びが巧みで伝統校の勝ち方だと思った。ピッチを広く使い、安定したパスワーク。前線の打開力、技術と身体能力のバランスの取れた選手たち。前半のプレスが機能しなくなるとペースダウンさせてゲームを落ち着かせる二段構えのゲーム運び。先天的な能力では開志学園に分があった。しかし宇治山田商もプレッシングからのショートカウンターがはまれば強そうだった。後手後手の試合になり、悪循環にはまってしまった。
公式入場者数3500人。不便な地で地元に縁がなく、特に人気チームでもないのによく集まったものだ。
公式記録
第2試合は強豪同士のカード。静学はご存知王国・静岡を代表する技巧派サッカーだし、佐賀東は少し前に全国高校総体2年連続ベスト4がある。当然期待は大きかった。
高校選手権2回戦
静岡学園−佐賀東
相模原ギオンスタジアム 14時 ピッチ良 晴れ
静学 佐賀東
−−−本藤−−加納�◆檗檗 檗檗殃‥帖檗歸鎮聿騰◆�
−−−−−名古−−−−− −−−−−−−−−−−−
旗手�⊆�沼−−後藤−薩川�⊃径次欅羮絖◆殘邯�−川内
−−光澤−石渡−加佐−− 川口�◆殃�−西原��田中優
−−−−−山ノ井� 檗檗檗 檗檗檗檗歟羆燹檗檗檗檗�
静学 監督:川口修
GK 17 山ノ井拓己 98・10・25 185・70 千葉U−15
DF 3 光澤和人 96・05・20 180・72 富士見プリメイロ
4 石渡旭 96・04・08 173・68 ジュニオールJrユース
5 加佐怜人 96・08・29 180・65 セレッソ大阪和歌山
MF 8 旗手怜央 97・11・21 174・65 FC四日市
10 名古新太郎 96・04・17 170・62 東淀川FC
14 薩川淳貴 97・08・12 166・57 LIBERDADE FC
22 後藤真 97・03・05 168・56 静岡学園中
28 鹿沼直生
FW 9 本藤風太 97・01・08 177・69 FC東京U−15深川
11 加納澪 97・12・08 173・66 清水Jrユース
佐賀東
GK 1 中園啓希 96・05・13 170・66 FCソレイユ
DF 2 田中優斗 97・01・27 176・63 嬉野中
4 峰泰斗 96・12・23 175・65 サガン唐津
5 西原悠晟 97・06・26 175・62 FCソレイユ
12 川口高良 98・03・26 168・63 小城中
MF 6 新村健太 96・11・30 174・63 AFCパルティーダ
7 井上達貴 97・07・05 171・62 サガン唐津
8 野口雄平 96・10・18 164・52 FCソレイユ
FW 10 川内真一 96・11・15 177・65 嬉野中
11 福田圭祐 96・08・21 170・67 AFCパルティーダ
24 田中翔 97・05・27 170・57 鳥栖U−15
静学はマンマーク気味の3バック。高校サッカーが4バック主流の時はゾーンの3バックをトルシエより先に導入し、3バックが増えると4バックに、そして今高校が4バックが主体になると、今度はスイーパーを置いた3バックにするなど。静学は世間の流れの逆を行く線s術を導入する印象がある。マンマークと言っても、流れを切れば両ストッパーは元のサイドに戻るが。立ち上がりから静学が巧みなボールテクニックで佐賀東を翻弄する。ヒールリフト多用のトリッキーなドリブル。相手の鼻先を抜けていくような逆をつくパス、細かい局面の打開力と個々の能力差は歴然としている。佐賀東はパワフルだが、当たらせてもらえない。��名古は圧倒的なテクニックでトップ下の位置から仕掛けて崩す。��薩川・�┫�手の両サイドも中に突っかけ、タッチライン際から大きく離れる。佐賀東では川内がセットプレーを任されるキック精度とキープ力があるが、囲まれては何もできない。��川口はロングスローあり。16分、��名古のミドルは右に外れる。23分、佐賀東、左70度25mFK、�О羮紊離�ックは壁に当たる。27分。静学��名古が左スローインから突っかけてPK獲得。これをクッキアイオで決める。1−0。29分、�┫�手が左から突っかけ中の��薩川へ、これを決めて2−0。31分、左CKで��名古のキックが中にこぼれ�8�澤が蹴り込む。3−0。正直この時点で勝負あったと思った。静学のテクニックの前に佐賀東はなすすべなく抜かれ続け、激しい当たりもなく、対策らしい対策がない。というよりもチーム内で何かあったのか疑うほどの出来である。名門・佐賀東だけに普段ならテクニック封じのノウハウは持っていると思うのだが、精神的に集中できていない感じがあった。37分、静学��薩川に警告。繰り返しかと思ったら遅延行為のようだ。結局前半は3−0で終了。
シュート数7(4)対2、CK数3対2、GK数0対6、クロス数5対1、ファウル数8対6、FK数0対1。
ハーフタイム、佐賀東��福田→�鈎羝教�志、㉔田中翔→�仮�川幸希。しかし後半も静学の流れ変わらず。42分、左50度30mFK、��名古から㉒後藤が狙うも外れる。47分、��本藤左突破もシュートはブロック。49分、静学左突破から�ゲ炭瓦�シュート、左に外れる。決定機。ストッパーが上がるところに静学の攻撃意識の高さが感じられる。52分、佐賀東��新村→��馬見塚。53分、静学㉒後藤から左の�┫�手に出て高速ドリブルから切り返しシュート、決まって4−0。56分、静学�┫�手→��中澤史伝。61分、�8�澤→㉑石井琢巳。63分、バックパスに��本藤詰めてシュートはブロック。69分、��名古が仕掛けてシュートはブロック、右CKへ。名古が入れて��薩川シュートは外れる。66分、静学��本藤→㉗渡邉彰太。69分、静学、㉒後藤の左CKを㉑医師がファーで合わせて5−0。71分、静学��名古のカットから左の��薩川へ、シュートは上に外す。超決定機。72分、静学��薩川→��荒井大。75分、静学��加納が左でキープから突破して��荒井へ、これを決めて6−0。79分、佐賀東��野口→��砥綿涼丞。結局6−0で終了。
後半シュート数は11対0、CK数5対0、GK数3対7、オフサイド数0対1、クロス数5対2、ファウル数4対2、FK数1対0。あまりにも佐賀東が悪すぎた。まるっきり無抵抗で敗れたように見えた。この負け方はダメでしょう。静学が良かったのはあるが、ファウルしてでも止めて流れを断たないと。全国ベスト4時に佐賀東を観ているだけに。こんなもんじゃない感がありあり。
入場者数5000人。
公式記録
帰路に着く。行きとは逆側の坂で丘を降り、しばらくまっすぐ進む。30分くらいかかって広いバス通りに着く。バス停を何とか見つけて、バスを見れば1時間に二本くらいでしかも1本は途中の北里病院前行きとなっている。つまりこのルートも使えない。幸いJR相模原行きは10分待ちくらいで済んだが。バスで北里病院経由で相模原駅に向かう。途中常に両脇に何らかの建物が立っており、相模原が政令指定都市の名にふさわしい大きな街だということがわかる。駅まで40分離れたところからずっとそれなりの街になっている。バスが少ないのを見ると活気はないのだろうが……。JR相模原駅南口は明るくて活気のある街だった。終点で降りて、問題の北口の米軍基地に向かう。JRを渡った反対側は寒々とした光景だった。フェンスがあり、人の声ひとつしない。こういう場所が駅前にあるとは!そしてここにサッカー場が出来れば、千葉のフクアリと並ぶ、いやそれ以上の好立地スタジアムになる。しっかりした企業にJ1規格のサッカー場を作ってほしいものだ。
そして帰りの横浜線には快速があり、鈍行しか走っていない相模線よりもずっと早い。横浜駅からだとバス並びの混雑を考えれば三ツ沢よりも早くつくんじゃないか?関東のサッカーファンは相模原やその他サッカー場を建設する動きに乗って行政サイドにどんどん圧力をかけて建設させるべきだと思った。