| 2014年05月25日(日) |
高校総体大阪予選男子準々決勝 大阪学院ー阪南大高 興国ー大阪桐蔭 女子決勝 大阪桐蔭ー大商学園 |
高校総体はベスト4から決勝リーグなので、「準々決勝」という表現は不自然だが、私は便宜上そう呼んでいる。ラウンド8ならいいのだろうが。近年高校総体準々決勝は非常に混んでいて堺の人工芝ピッチは観戦困難である。到着が遅れてゴール裏にしか入れなかった。非常に観づらいので、背番号の判別ミスはご容赦ください。
なお、選手名の特定ができないので、どなたでも情報をぜひください。
高校総体大阪予選準々決勝 大阪学院高−阪南大高 堺S13 5月25日 9時30分 ピッチ人工芝 晴れ
大阪学院 阪南大高 −−−十番−−九番−−− −−−十四−−十番−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 七番−八番−−十四−十一 十六−六番−−七番−九番 六番−四番−−五番−二番 十一−二番−−十八−四番 −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
プリンスのプログラムはあるが、背番号が必ずしも一致しないし、顔も覚えていないので、阪南大高も数字で記載する。ただし14番は明らかにエース奥平。
阪南大高は今年は有力な優勝候補。大阪桐蔭と双璧と言ってもよい。エース奥平が桐蔭の久保田と並ぶ攻撃のタレントだし、守備陣も固い。2月にBチームで素晴らしい守備力と左足フィードを持つCBを見つけて、この選手がBチームなんてそんな馬鹿な、と思ったが、プリンスを見ると普通にAチームのCBコンビは強力だった。Bチームの選手も3番手くらいの力はあるだろうけど、これならBでプレーさせて自信をつけさせるよな、と思った。11番はレフティでカットイン多用のドリブルが得意のフリーキッカーだし、6番の組み立て、右足キックも見事。7番の守備力も素晴らしい。そして最大の特徴は組織的プレス。阪南大高は阪南大と似て、激しいフォアチェックで奪い、一気に攻め切るスタイルである。その完成度は全国でも屈指だ。CBは早くて強くてフィードもできるコンビ。対する大阪学院では5番がボールを持てることと14番の落ち着きが目立った。
さて試合は5分、阪南大高、右CKで6番の左足を18番ニアで逸らすが外れる。7分、大阪学院、2番の好フィードに10番が裏を取るがGKが先に追いつく。8分、阪南大高14番奥平の突破を大阪学院2番が抜かれかけながら粘り強く追いついてカット。2番は身体がないけど、なかなか鍛えられた好選手。11分、阪南大高、左CK、2番がファー、18番がニアに立ち、18番を囮に2番が中に入るがGKキャッチ。阪南大高はCKのパターンが多い。色々工夫してくる。この時間帯から阪南大高のプレスが激しくなり、大阪学院は蹴り始める。大阪学院が上手く凌いでいるなあと思った。大阪学院の控え部員が「正雀の街の誇り みんなの人気者」というチャントを歌う。大阪とかでかい範囲ではなくて正雀というあたりに適度なスケールの生活環を感じる(笑)。24分、阪南大高、右45度30mFK、11番の左足、大外に2番、中に18番が立ち、中に入れて18番が触ったか、だれにも触れなかったか、とにかくゴールイン。大阪学院0−1阪南大高。26分、阪南大高、右パスに反応した10番突破を仕掛けるも何とか止める。阪南大高は2トップが小柄だけど突破力豊かなので、先制してしまうと脅威だ。直後には9番が中に仕掛けて4番が外を駆け上がり右クロス、10番に出すが逸機。33分、大阪学院、11番カットインから10番右シュートは右に外れる。決定機。35分、阪南大高FK、11番が入れて14番フリー、右足アウトでGKを外すがDFがライン上クリア。決定機。37分、阪南大高、左CKから14番シュートも弱い。結局前半は0−1で終了。
35分ハーフの後半、やはりプレス合戦が続く。大阪学院もよく鍛えられている好チームだ。45分、大阪学院7番が左を突破しシュートするも左に外れる。この時隣のピッチのもう一つの準々決勝で点が入った。大塚が先制したらしい。48分、阪南大高6番カットイン、10番が落とし6番左シュートはセーブされる。決定機。52分、阪南大高16番→20番。20分、隣のピッチで同点ゴール。大塚1−1東大阪大柏原。56分、大阪学院10番がドリブルで仕掛け、ファウルゲット。左45度30mFK、2番の右足を8番がファーで落とし4番シュート、ループもGKセーブ。57分、阪南大高誰か→17番。10番が右ハーフに。59分、大阪学院2番、右で1対1、仕掛けるが阪南大高11番に止められる。このマッチアップは楽しい。59分、大阪学院7番→13番。60分、大阪学院左コーナー付近FKに2番が入れるが、そのカウンターを阪南大高14番仕掛けるが、大阪学院が3人がかりで止める。65分、大阪学院、左CKで11番ヘッドも正面。超決定機。大阪学院、誰か→16番。70分、阪南大高9番→19番。71分、大阪学院、誰かに警告。ラフ。阪南大高11番が左足で右FK、正面で2番?が決める。0−2。この時間帯に隣のピッチで大塚が勝ち越し。結局、試合終了して大阪学院0−2阪南大高、大塚2−1東大阪大柏原で終了した。
勝負は紙一重だったが、阪南大高は組織力とセットプレーのバリエーションの多彩さで上回った。ボールを止めて蹴る基本でも上回った。とは言え大阪学院にも勝算があったし、大阪の頂点を狙えるレベルまで力をつけたことを実感した。阪南大高は2月の府リーグで人工芝2面を取れる練習場に圧倒されたが、今のところ全国レベルで名を売っているチームではないが、いずれ全国的に有名になるのでは?と思わされた。
高校総体大阪予選準々決勝 興国−大阪桐蔭 堺S12 5月25日 11時10分 ピッチ人工芝 晴れ
興国 大阪桐蔭 −−−九番−−十番−−− −−−十番−−十一−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 七番−四番−−十六−十一 七番−六番−−八番−二六 六番−五番−−三番−二番 二番−十三−−三番−二八 −−−−−誰々−−−−− −−−−−一番−−−−−
興国は5番、16番、9番の縦のラインが強力。5番が強靭で高さも十分、キック力もあり軽く蹴ったフィードが伸びる。16番は長身ながら技術が高くパスセンスがある。9番は典型的なCFで高くて強くて放り込みに勝てる選手。しかし桐蔭は抜群の支配力で放り込みを許さない。桐蔭と言えばリーグ戦には強いが高体連の大会のトーナメント戦には無類の弱さを発揮してしまい、力がありながら全国に行けないことが多い。昨年はプリンス関西を制しながら、トーナメントのプレミア参入戦に敗れた。2位の京都橘、3位の東山はプレミアに参入したのに。さて、序盤から大阪桐蔭が支配する。圧倒的な技術の8番(久保田和音)を中心に前後左右に振り回す。3番はなかなかクレバーなCBだ。9分、大阪桐蔭、10番がブレ球ミドル、GK弾く。15分、興国7番鋭く切れ込みペナ手前で倒される。正面18mFK、10番(左足)、16番(右足)が構える。隅にさえ飛べば必ず決まる決定機だったが壁に当たる。壁の下をねらったっぽい。19分、興国10番のスルーパスに7番が左シュートもDFブロック。20分、大阪桐蔭、右クロスに8番久保田ワントラップから正面シュートも左に外れる。決定機。久保田の高度な技術が発揮されたいいシーン。24分、大阪桐蔭26番、右クロスもゴールラインを割る。27分大阪桐蔭3番の左CKを右足で入れてニアで逸らし28番わずかに届かず。決定機。30分、大阪桐蔭、7番カットインから突っ込むが、カットされる。35分、興国、16番、カウンターからスルーパス、左に流れるが9番追いつきゴールライン際で折り返し11番スライディングシュート、決まって1−0。前半終了。隣のピッチは金光大阪0−0桜宮。
後半開始、興国スルーパスに10番合わせるが左に外れる。超決定機。GKの出方もよかった。大阪桐蔭、14番イン。右ハーフ。しかし26番も28番もいるし、2トップもいる。6番アウトか?46分、大阪桐蔭7番が正面から仕掛ける。ペナ内で倒れるがダイビングに見える。ノーファウルでノーイエロー。48分、大阪桐蔭スルーパスに8番久保田突っ込み倒される。右70度20mFK、久保田の右足は右サイドネットに外れる。49分、興国9番、右シュートもセーブされる。決定機。60分、興国9番重量感あふれる突破、しかし大阪桐蔭13番が何とか競り勝つ。51分、大阪桐蔭11番、1対1を仕掛けてシュート、外れる。決定機。桐蔭7番→30番。55分、大阪桐蔭30番、左を力強く突破、左クロスに11番ニアで決める。1−1。57分、大阪桐蔭26番→20番。FKを放り込み11番落とし2番蹴りこむ。興国1−2大阪桐蔭。64分、興国誰か→20番、桐蔭誰か→25番。65分、興国、7番→11番。67分、興国4番→25番。69分、桐蔭、8番久保田のスルーパスに25番GKを外して決める。1−3。71分興国11番→14番。結局1−3でタイムアップ、大阪桐蔭が決勝リーグ進出を決めた。苦手なトーナメントフェイズを突破して得意のリーグ戦進出だ。
なお隣のピッチは金光0−0桜宮で終了、延長で金光が1点取って勝利して決勝リーグ進出を決めた。
高校総体大阪予選女子決勝 大阪桐蔭−大商学園 堺S12 5月25日 14時30分 ピッチ人工芝 晴れ
桐蔭 大商 −−−二三−−十番−−− −−−十一−−七番−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 七番−十一−−八番−六番 十四−十番−−十三−三番 三番−四番−−二番−五番 八番−二番−−四番−五番 −−−−−十二−−−−− −−−−−一番−−−−−
桐蔭はGK12番がかなりの長身。逆にCB2番と4番は小柄。23番もそこそこ高い。開始すぐ7番の正確なキックと10番のドリブルが主な攻撃手段ということがわかる。23番は長身でパワフルな大商CB4番と2番に歯が立たないことがわかる。大商は10番が身体を入れたパワードリブルが素晴らしい。左利きの正確な技術も素晴らしい。大商は基本的に全員両足を使うチームなので利き足は判りにくいのだが10番はレフティーでしょう。11番も長身。
開始すぐ桐蔭右クロスに11番左シュートは右ポスト直撃。決定機。10分、右CKで7番、ペナの角の走りこんだ10番から7番に戻し右クロスを4番ダイレクトも上に外す。この後も桐蔭はCKなどセットプレーで様々なパターンを持っているチームだと分かる。一つには高さがないというのもある。大商は4番が強いし11番は高いヘッドがある。18分にも7番の右CKをつないでから上げるが大商GKキャッチ。しかし大商GKはミスキックが多く狙い目だ。19分、大阪桐蔭10番ドリブルで仕掛け倒され右FK。7番の右足で中に入れ2番が競ってこぼれを4番ヘッドで大商GKの上を抜く。1−0。大商としては痛いミスが続いた。桐蔭の攻め手は10番のドリブルに頼るところが大きいのに許してしまい、7番のキックにヘッドが強いとは言えないCBコンビにヘッドを許し、GKが高さ不足で上を抜かれた。日ノ本クラスならどうってことない流れだっただろう。桐蔭の右サイド6番と5番は運動量が豊富でよく走るが、極端な話それだけなので、桐蔭は10番をおもに右サイドに置き、フォロー役として活かして長所を前面に出している。しかし大商10番が狙っていてドリブル突破には歯が立たない。身体を寄せても大商10番は強いので跳ね返すし、人数で守るしかない。結局前半は1−0で終了。シュート数8対0、桐蔭ペースだったが、戦術的にうまくかみ合っただけで、決して大商よりも強いわけではない。
ハーフタイムで大商8番→17番。そのままLB。意図は明らかに桐蔭10番に崩されていた大商左サイドの守備を固める狙い。これに対し桐蔭10番は左サイドにポジションを移し、前半と同じくドリブル突破を図るが後半は大商に支配され上手くいかなくなる。39分(後半44分)大商11番のスルーパスに17番猛スピードで駆け上がり左クロス10番トラップで落とし11番スライディングシュート、外れる。この時間帯、桐蔭2番が大商11番に歯が立たなくなっていく。46分、桐蔭23番→24番。高さの23番が歯が立たないから修敏な24番に代えてきた。52分、大商のパスミスをカットし24番から正面10番へ、シュートは右に外れる。大商14番→9番。長身で体も強いCF。↓に布陣変更。
−−−−−九番−−−−− 十三−七番−−十一−三番 −−−−−十番−−−−− 十七−二番−−四番−五番 −−−−−一番−−−−−
54分、9番がカット、右クロスに13番ヘッドも上に外れる。決定機。更に大商、10番のスルーパスに9番がクサビに入り3番が右クロス、カット。桐蔭10番は大小4番に潰され始める。62分、大商7番→6番、3番→15番。主力の10番、11番、9番の負担を軽減し、運動量を維持する策だ。65分大商右クロスに9番強いキック、ファーで折り返しライン上クリア。更に正面右80度FK11番と10番が構え狙うも逸機。70分、10番のスルーパスに17番追いつかず。ロスタイムの経過し、桐蔭が1−0で逃げ切る。
前半とは対照的に一方的に大商ペースだった。実力的に互角とみるべきか、後半の流れから言って大商の方が実は強かったとみるべきか。桐蔭はCBが高さ・パワーとも足りず、ゴール前は長身のGK12番頼りだったが、GKが出られない位置ではどうにもならなかった。両サイドは裏を狙われ、ポジショニングに工夫がなかったし、攻撃も10番のドリブルと7番の正確なキック頼りなので、支配されるとどうにもならなかった。23番もロングボールを収められるまでの強さはなかった。つまり近畿大会(全国高校総体関西予選)は甘くない。
大商は10番の圧倒的な技術とフィジカルのチームで11番もよかった。CBも高い。しかしドリブルに対する弱さが痛かった。9番は高さとパワーに秀でていたがスタメンじゃないのをみるとケガか走力がなかったのか?技術的には並だったがCFにはシュートがあれば細かい技術は必ずしも必要ないし、後半の存在感は圧倒的だった。
さて、近畿大会は昨年と同じ方式なら、6チーム参加で1回戦不戦勝の2チームは昨年全国に行った兵庫代表と大阪代表ということになる。兵庫はおそらく日ノ本で、全国でもトップクラスと思われる。準決勝が全国代表決定戦なので、力のある京都精華女子は桐蔭と同じブロックに入り、少しでも強い関西代表を全国に送り込んでほしい。昨年の準決勝では全国制覇した日ノ本と精華が対戦しPK戦というあまりにももったいない形で全国行きが決まった。まあ精華は出場枠の3の冬の選手権でも予選敗退しているので、不運では片づけられないのだが。いずれにせよ最強の2校が関西代表になり、全国を席巻してほしい。近畿大会準決勝・決勝、および全国大会2回戦は足を運びます。
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