| 2014年05月24日(土) |
全日本女子ユース(U−15)関西予選 C大阪−ヴィトーリア サンライズリーグ G大阪−神戸FC C大阪西ーV伊丹 |
全日本女子ユース(U−15)は中学生女子の日本一を決める大会である。その関西予選が行われた。9チームを3×3の3ブロックで総当たり戦を行い、一位チームが3チームでリーグ戦を行い、上位2チームが全国に行く。ヴィトーリアは関西での育成年代の女子サッカーを引っ張ってきた存在だし、昨年のフットサルの全国制覇チームだ。C大阪も急速に力をつけ、高校生年代のレディースはU17W杯優勝メンバーに2人人材を送り込んだ。ヴィトーリアもいろいろあったがなでしこジャパン阪口夢穂の出身チームと言えなくもない。
状況を説明しよう。関西予選は3チームリーグ戦×3ブロックである。C大阪はシードのため第1試合と第3試合に登場。つまり休憩時間が長めにとれる。ヴィトーリアは第1試合と第2試合に登場のため、もう1チームのFC VICTORIESはフレッシュな状態で疲れたヴィトーリアを待ち受ける。そのためC大阪相手に引き分けて得失点差勝負となると、FC VICTORIESの厳しい抵抗が予想され、しかも勝っても、今度は疲れたFC VICTORIESを休憩十分のC大阪が待ち受けるので、得失点差を稼がれる可能性もある。つまりヴィトーリアとしては引き分けも避けたいゲーム。
全日本女子ユース(U−15)関西予選 セレッソ大阪ガールズ−ヴィトーリア 堺 5月24日 10時 ピッチ人工芝 晴れ
C大阪 ヴィトーリア −−−九番−−十番−−− −−−十番−−十七−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 十五−十三−−七番−十七 二九−二八−−十一−十八 十六−三番−−十一−十四 四十−二十−−四番−三十 −−−−−一番−−−−− −−−−−三四−−−−−
ヴィトーリアは20番がよく声を出して味方を指示、鼓舞する。体格もまずまずだ。17番が大柄で起点になれる。10番は細かいタッチがいい。C大阪はキャプテンの3番が守備を統率。13番は大柄でタメを作れる。5分、ヴィトーリアが横パスをカット、11番が浮き球を外す。決定機。8分、C大阪、左FK、遠くてキッカー判らず。ニアで逸らしてゴールイン。1−0。 10分、ヴィトーリア、29番の左クロスを10番を上に外す。決定機。17分、C大阪の右クロスを13番インサイドで狙うが上に外れる。直後にヴィトーリアの左スローイン、17番から10番シュート、シュートも弱め。22分、C大阪、15番、左シュート正面に飛び、ワンタッチあり左CK。ヴィトーリア、11番、左を突破してグラウンダーの左クロス、10番がニアに飛び込むが届かず。決定機。29分、C大阪、16番カットから長躯オーバーラップ、しかし逸機。30分ハーフの前半は1−0。
前半は互角。決めるか決められないかの違いだけ。細かい技術で上回るヴィトーリアに対し、C大阪はコンタクトがうまく、五分のボールをモノにする。レディースの一期生は細かい技術頼りでコンタクトは弱かったが、13番に代表される体格のいい選手、身体能力の高い選手が入るようになり、スケール感は増した。シュート数5(3)対4(2)。
後半もボール支配はヴィトーリア。しかし47分、C大阪15番がカウンターからシュートは正面。17番の左CKを右足で入れるがニアでカット。1点目のFKも17番だったかもしれない。C大阪、15番→20番。46分、ヴィトーリア、18番右クロスはカットされる。47分、ヴィトーリア20番が処理ミス、C大阪9番がシュートも外れる。決定機。49分、C大阪9番、左から切れ込み左クロスはカットされるが20番ミドルは上に外れる。決定機。ヴィトーリアは大柄でパワフルな20番をFWに上げ、17番と組ませる。10番がボランチに、28番がCBに下がる。55分、ヴィトーリア17番切れ込み、右クロス中でシュートは上に外れる。決定機。57分、C大阪、カウンターから9番が切り返すもカットされる。58分、C大阪、裏を取った7番がGKと1対1となり、決めて2−0。実はこの点がヴィトーリアにとっては結果的に非常に痛い失点となった。結局2−0で試合終了。
C大阪公式サイトより
(スターティングメンバー) GK 山下莉 DF 船守 筒井 松原優 南里 MF 西垣内 安井 北村 乾 FW 年本 中村 (サブ) 南田 清水 宮本 谷口 北 芳本 松本
さて、関西サッカー協会のサイトは更新していないので判らないが、結局第3試合はC大阪がFC VICTORIESに1−3で敗れ、「最下位」で敗退した。ヴィトーリアに勝っているので、ヴィトーリアはFC VICTORIESに勝ち、3チーム1勝1敗だったことを意味する。そして得失点差0のC大阪が最下位ということは得失点差マイナスのチームもなく、3チーム得失点差0、総得点で順位が決まったことを意味する。C大阪は3得点、ヴィトーリアがC大阪を上回るのだからFC VICTORIESから4得点以上、2失点以上の2点差勝利ということになる。ということはFC VICTORIESは5得点以上を意味するので、FC VICTORIESが1位通過したことになる。三木市のクラブで、神戸のクラブほどタレントに恵まれているわけではないだろうから、どれだけしっかりした指導が行われているのだろう?
サンライズリーグ ガンバ大阪ジュニアユース−神戸FCジュニアユース 堺 5月24日 13時 ピッチ人工芝 晴れ
G大阪 神戸FC −−−八番−−十一−−− −−−二四−−三番−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 七番−十三−−五番−十四 十七−五番−−六番−七番 二番−四番−−三番−六番 二二−四番−−十八−十四 −−−−−一番−−−−− −−−−−二一−−−−−
まずわかったのは神戸FCが攻守にわたり1対1に強い、個人をよく育てているチームということ。身体の使い方がうまい。育成の基本は個人能力で劣る部分を組織力でカバーすることではなく、個人能力で上回ることなので、名門神戸FCは育成の本道を行っている。そして17番の圧倒的な突破力。これはJに引き抜かれるな、と思った。8分、神戸FC17番の豪快な突破を5番が合わせて先制0−1。G大阪はGKの高さや13番の正確なキックが光る。5番は守備職人かな?G大阪は両サイドがクロスを入れまくるが、ほとんど可能性のないものばかり。8番と11番も特に長身というわけではないし。神戸FCは22番の左足も脅威で守備も計算が立つ。18番は高い。G大阪8番は俊敏で何とか打開してチャンスをうかがう。結局前半は0−1で終了。シュート数0対5と完全に神戸FCペースだった。
後半はG大阪が選手交代を織り交ぜポゼッションで優位に立つ。11番→20番、7番→19番、5番→15番など。6番→2番もあった。そして攻撃陣では唯一光っていた8番も下げ18番に。しかし支配しつつ打開できない展開。そして64分(40分ハーフ)に神戸FC17番のミドルがGKの脇を抜け0−2。厳しいようだがGKのミスだろう。終盤は神戸FCが17番をトップに上げ完全にカウンター狙いになる。結局0−2で神戸FCの完勝。
G大阪は基本技術はしっかりしていたがスマートすぎて強烈な個性は感じなかった。GKの高さと13番の正確なキック・判断くらいかな?個性を大事にするG大阪にしてこのチームなので、ソツがなさすぎる。もっと思い切ってプレーしてほしかった。1試合見たくらいでは何がわかるというものでもないが。
サンライズリーグ セレッソ大阪西U−15−ヴィッセル神戸伊丹U−15 堺 5月24日 15時10分 ピッチ人工芝 晴れ
C大阪西 V伊丹 −−−−−九番−−−−− −−−−−六番−−−−− −七番−−八番−−十一− −十一−−十番−−九番− −−−五番−−十番−−− −−−十八−−七番−−− 十七−三番−−四番−六番 十四−二番−−三番−五番 −−−−−一番−−−−− −−−−−誰々−−−−−
すぐに目についたのはV伊丹のCF6番がでかいということ。しかし動きは鈍重で、足元もそれほどない。高木琢也のような強靭な大木系CFの育てるつもりなんだろうか。そしてトップ下の10番が飛び出しを狙うタイプではなく、常にスルーパスを狙うタイプなので、スピードと動き出しのない6番とはマッチングが合わない。18番は気の利いたプレーでゲームを落ち着かせ、支配に大きく貢献する。7番は加速力のあるドリブルが武器。2番もクレバーでフィードもある。対するC大阪は11番と7番がカットインが得意で面白いがSBの上りが遅く、チーム戦術として活かされていない。それでも単独突破できるので何とかなるが。9番は典型的な点取り屋CFですね。5番のボール奪取力はガットゥーゾを思わせる。3番は身体の使い方がうまく、フィードもいい。
さて試合は6分、V伊丹が左パスを10番シュート、こぼれを11番蹴りこむ。0−1。11分、V伊丹、11番が左で1対1、C大阪西6番をかわし左クロスに6番高いヘッドで決めて0−2。30分には6番の足元に入り強靭な身体でDFをブロックしてキープ、右足アウトで裏にだし11番が1対1を決める。0−3。37分。C大阪西9番が左からカットイン、決めて1−3。前半は1−3で終了。
V伊丹6番はこのまま肉体的アドバンテージを保てれば楽しみだが、経験上そういうケースはほとんどない。かといって器用貧乏に育ててもしょうがないし、こういうスケールの選手の育成には指導者の手腕が問われる。C大阪西9番は単独で決められるし強い選手でもあるので、ユース昇格は確実だろう。前半は1時0−3になったが、C大阪西も問題なく戦える内容。
後半3分、C大阪西11番がミドル、GK触るが左上隅に突き刺さる。ビューティフルゴール。 13分、C大阪西8番切れ込み5番が左クロスに9番スライディングシュート、上に外れる。超決定機。9番はピンポイントで合わせる得点センスまであるのか。16分C大阪西9番右シュート、こぼれを右足アウトで決める。3−3。劣勢のV伊丹は30分、3番に警告。ラフ。32分、C大阪西、ロングボールに9番DFと体を入れ替え1対1に、決めて4−3。結局C大阪西4−3V伊丹と逆転勝ち。
C大阪西は戦術面に難があったが、U−15の段階で戦術を固めて勝ってもしょうがないし、カットインできる両サイドにはどんどんカットインさせて守備固いSBには守備主体でいいのではないでしょうか?8番も後半の左サイドの方が輝いていた。とりあえず9番のユース昇格は確信できた。3番はどうかな?G大阪と比べて個性重視な印象は受けた。
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