サッカー観戦日記

2004年09月04日(土) AFC U−17選手権 中国−タイ 日本−北朝鮮(とりあえず雑感)

中国2−1タイ

中国は極力バランスを保つ4−4−2。中盤も一列。タイも4−4−2で中盤はダイアモンド型でバランス意識などまるで無さそう。
開始早々タイ左CB5番がイージーボールを空振りして裏に抜け出されるところを倒して警告。中国がやや押し気味ながらもチャンスはつかめない。22分、右サイドに下がって受けた中国FW9番が中へドリブル、2人かわしスルーパスがFW18番に通る。タイGK18番も飛び出すが足をかけていまいPK。CB20番がひだりすみへ強烈に決めて1−0。中国がペースを握るが裏へのボールはことごとくオフサイドとなってしまう。42分、タイ5番が安易にもハンドしてしまい警告2枚で退場。

後半、4−3−2に切り替えたタイがボランチの10番を中心にボールを支配、攻めがタテ一本しかない中国はオフサイド網の餌食となり、後半だけで10回もオフサイドにかかってしまう。タイはクロスに精度を欠き、しかも中国は中に人数を掛けているために全く勝てない。しかし中での細かいプレーや9番の強烈な左足に可能性が見え隠れする。21分、タイ右60度30m強のFKで9番は強烈なキックで壁の右を抜いて狙うが力みすぎで大きく右に逸れてしまう。だが、これがいい練習になったか38分、同じ位置でのFK、今度は豪快にニアに叩き込み1−1。しかし42分、オフサイドラインをかいくぐり左タッチ際で受けた中国9番が切り返し中へドリブル、そしてクロス。タイが弱々しく跳ね返したボールを18番がオーバーヘッド、GKの頭をフワリと超えてゴール。結局2−1と中国勝利。

中国は思ったほどでもなかった。日本に十分勝機アリ。CBは強い、高い、
基本に忠実で素晴らしい。ボランチ13番も執念深い好選手。右ハーフは快速だったし、9番は小刻みな突破があり、CF18番の強さ・高さが9番の持ち味を引き出していた。がいかんせん単調だ。9番以外はポジションを離れないし、SBも守備的過ぎる。スコアレス・ドローの可能性も高い。

タイは一芸に秀でた選手が多い。浮き球パスの名手ボランチ10番(戦える選手でもある)、強烈な左足9番、正確な左足11番、柔らかいトラップのFW16番など。GK18番も素晴らしい反応。しかし左サイドの選手が中に入るのが好きでぼっかりスペースがあくなど、スペースのカバーは皆無。
オフサイドトラップも未熟で、前後半17回も引っかかった中国がむしろ
タイを下回ったと言うべき。守備面で課題の多いチームと言えるだろう。
守備がよく、しかもGKの反応がいい日本としては勝つ可能性が高い。


日本0−0北朝鮮

日本スタメン
権田、渡邊、吉本、大島、金子、青山、鈴木、内田、中島、小澤、伊藤

共に4−4−2、日本は中盤フラット(青山がより守備的)、北朝鮮は
ダイアモンド型。


激しいチェック、正確で強いグラウンダーでのパス回し、競り合いの強さ
となかなか北朝鮮は好チームだった。年齢詐称を疑いたくなるような体の
強さとキック力である。日本はDFが4人ほとんど残っている形でカウンターをまともに食わない。しかし北朝鮮が前線に2枚しかいない状態で、1人が引いても誰も追わず、みすみすフリーでパスを受けさせて反転されるシーンが目に付く。そのスペースを埋めようとボランチが下がれば、今度は面白いようにこぼれ球を拾われる。北朝鮮は後方でのシンプルなパス回しからスペースへのパスを多用し、最後はアーリークロスか裏へのボールである。2トップの11番はスピードだけだが、10番は技術もあり危険な存在。CBは強く、寄せが早く、カバーも見事でいい選手。伊藤が完敗を喫した。完全に北朝鮮ペースの前半、日本のシュートは青山のロングがペナ外でブロックされたもの(シュートに数えず)、23分クリアボールを青山が難しいダイレクトロング(ゴール1個分以上逸れる)、そして小澤のオフサイドゴールのみ。

後半は双方攻め手なし。北朝鮮のワンパターンの攻撃になれた日本は決定機を与えず、サイドも破らせず。基本的に守ってカウンター狙いの日本も前半は攻めが薄くFWがどうする事も出来なかったが、後半はパスを少し繋げるようになり鈴木のポジションも上がり少しマシな状況。それでもスコアレスドローが妥当な内容。日本のチャンスは6分、左クロスを伊藤が受けて浮かせて反転、打たずに小澤に出しシュートがブロックされたシーン。伊藤のマーカー17番はパスが出た瞬間にすっ飛んで小澤のシュートコースに走った。36分、左の倉田から鈴木が好トラップでマーカーの逆をついてミドル、バーを叩く。そしてロスタイムFKを平繁が落とし倉田が打つがGK正面だった3回。

今回の日本は守備ラインが局面で厳しく守れるチーム。簡単に失点はしないだろう。しかし攻めがあまりに薄い。最高のパフォーマンスだった右の内田もFWと距離がありすぎた。それにFWがCBをつり出す動きも無し。
ちょっと手堅すぎるかもしれない。前回よりは間違いなく強いが。



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T.K. [MAIL]