サッカー観戦日記

2004年03月15日(月) 先週の結果  サッカーと無関係な雑文も

●大阪社会人選手権
決勝
阪南大クラブ4−1松下電工

阪南大クラブは2連覇。この結果天皇杯大阪大会出場一番乗りが決まった。

●ナイキカップ関西大会
決勝
京都3−1フレスカ三田

この結果京都が全国行きを決めた。



以下はサッカーと無関係。公開することもないのだが興奮を鎮めるつもりで置いておこう。
(後日注:半ば寝ぼけていたため数字のミスが多い。小惑星の仮符号が間違ってなかったのはむしろ奇跡だ。ミスはそのままさらし、後ろに注釈をつけた)


NASAによるれば太陽系第10惑星をカリフォルニア工科大学の研究グループが2002年秋に発見し本日午後(日本時間16日未明)に発表するという。本当かいな?という疑問と、これほどまでに発表に慎重なのだからもしかしたら・・・・・・と言う気持ちが交錯する。

ニュートンの万有引力の法則の発見により全ての天体の運動が近似的に計算可能となり、それを基にまず天王星が発見され、ついで計算結果を基に探索した結果海王星が偶然発見された。しかし天体運動の測定結果が計算と合わないことから、さらに未知なる天体の存在を予想する人々もおり、その中の一人トンボー(*1)が冥王星を偶然発見。

冥王星はあまりにも小さく、計算に合わないため、更なる探索が続けられた。トンボーはさらにほぼ全天を探索し、海王星程度の天体であれば約300天文単位、つまり冥王星の7倍程度の距離まで検出できたはずだったものの、惑星らしきものは何も見出すことはなかった。冥王星程度の天体でさえも60天文単位程度(*2)までなら検出できるはずだった。

やがてボイジャーによる正確な外惑星の軌道・質量測定が行なわれ、天体運動と計算が一致していることが確認された。未知の惑星は当時の低い測定精度による幻想であって天王星・海王星の軌道の乱れなど、最初から存在しなかったのだ。

1990年代に入ると、エッジワース・カイパーベルト天体と呼ばれる小惑星帯の属する天体が冥王星軌道近辺に次々と発見された。冥王星も専門家の間ではもはや「惑星」扱いされておらず、この小惑星帯に属する天体と見なされている。少し前の学会では惑星から小惑星に格下げされるのでは?という話題も起こった。小惑星番号10000が進呈されるという具体的な尾ひれまでついて。

もはや第10惑星の存在を真面目に受け止める専門家はまずいないはずだ。エッジワース・カイパーベルト天体の存在こそが、近辺に大きな天体が存在しないことを証明している。冥王星(直径約2320km)、衛星カロン(1270km)のほか、2000 WR106・小惑星番号20000ヴァルナ(900km)、2001 KX76、2002 LM60・小惑星番号500000(*3)クワイアー?クアーオアー?Quaoar(1300km)と次々に超巨大小惑星が発見され、いずれ冥王星よりも巨大なものも出てくるかもしれない。しかし「惑星」より大きいのに「小惑星」なんておかしい、などと言い出すバカな専門家はまずいないだろう。大きな天体の命名は西洋系神話に基づく伝統を破り、アメリカインディアンの伝承からQuaoarと命名した自己顕示欲の強い某アメリカ人でさえも無理を押し通すことは出来ないだろう。例えアメリカのマスコミがどんなに騒いでも、ブッシュが米軍を派遣しようと(何処に?)つまらない発見に学問上の栄誉が与えられることはないのだ。

ではエッジワース・カイパーベルトのはるか遠方に惑星はないのか?火星のはるか遠方に木星が存在するように。と、この問いについて現状の知識で答えることは出来ない。惑星の材料物質の有無が分からないのだから。ただし海王星ほどの巨大惑星はもちろん、その半分ほどのものも存在するとは理論的には考えにくいようである。また前述のトンボーの全天探索もある。冥王星の倍程度のものならば発見できまい。というわけで私としてはこれっぽっちも第10惑星の存在・発見など信じていなかったのである。

とはいえひっかかるものもある。エッジワース・カイパーベルト天体2000 CR105は推測される直径約400km、軌道長半径が228.4天文単位ながらその近日点は約44天文単位という極端な楕円軌道を持つ。このような軌道が自然発生するはずはなく、海王星の重力によって乱されたのであれば、近日点は海王星軌道(約30天文単位)の内側でなければならない。この謎は私の生きている間には解けないだろうと思う。ある仮説によると太陽から100天文単位くらい離れたところに火星程度の大きさをもつ未発見の惑星があれば、その重力による摂動を受けて2000 CR105が今のような軌道を持つことが説明できるそうだが、実際に発見できるとも思えない。(*4)ハッブル宇宙望遠鏡ならばこの程度の星なら捉えることも可能だが、地上の望遠鏡で発見されない限りハッブルをそのような目的に使用するはずもないのだ。

で、NASAが発表するという「惑星」セドナ(イヌイット神話から!つくづくアメリカ人は困ったちゃんが多い)は太陽から約70天文単位の軌道を持つという。仮説上の惑星よりも近い。2000 CR105を228.4天文単位の彼方にまで飛ばすことが可能なのか、仮に仮想上の惑星よりも質量が大きいのであれば、なぜトンボーや他の観測に掛からなかったのか。おそらく冥王星より多少大きい程度のショボイ天体を自己顕示欲に駆られたNASAが「世紀の大発見」ということにして「第10惑星」をアメリカ人が発見したという名誉をものにしたいのだろう、と思ってはいるのだが。(*5)

期待と興奮を鎮めるべく雑文を書いてしまった。文中アメリカ人を何回かこき下ろしているのだが、こと天文に関する限り軽蔑に値する行動をとる人が多い気がするので。これは私だけの意見ではない。別にアメリカ人一般だとか、アメリカ的な自己顕示欲の強さ自体が嫌いなわけではないのだが。

まあ全ては今晩深夜にも明らかになることだ。楽しみにして待つとしよう。


(23時40分追加)
CNNによると「惑星」の直径は約2000kmで冥王星以下である。畑違いとはいえ、学問に関わるものの端くれとして声を大にして叫びたい気分だ。



お前ら科学者として恥を知れ!

(16日23時20分追加)
幸い発見者自信が「惑星」とはいえないと主張している。CNNなど不勉強
なマスコミが騒いでいただけのようだ。セドナという命名に関するモラル
はともかく科学者としての恥は知っていたようでほっとした。とはいえ加工科大グループに関しては不満が多い。

新天体自体は確かに驚くべきものであった。近日点でも70天文単位、遠日点では太陽から900天文単位の彼方まで離れ、2000 CR105を抜いて太陽系最遠の天体となった。明るさから推測される直径約1700km、当然直径約400kmと推測される2000 CR105よりもはるかに巨大な質量を持つ。
巨大な天体が極度の楕円軌道を持つ。太陽系外の影響を受けたものがたまたま黄道近辺の軌道を持っている、という可能性を無視すれば太陽系最深部に真の第10惑星の存在を想像させる。(*6)まあ私が生きている間に発見することは出来ないとは思うが。

*1 トンボーを「未知なる天体の存在を予想する人々」の中にいれるのは
やや乱暴。未知の惑星探索のために雇われた当時トンボーはアマチュア天文家だった。
*2 ただし60天文距離に冥王星を仮に置いても「冥王星程度の天体」とはならない。冥王星はカイパーベルト天体としては異様に明るい。これは太陽に接近する際に表面が解けて新鮮な氷が露出するためだ。60天文単位を円軌道で公転するならば表面が黒くすすけて光の反射率は下がる。
*3 もちろん50000の誤り
*4 最近の技術の進歩によりこの程度の惑星ならまず間違いなく発見できるそうだ。
*5 「第10惑星発見」と伝えたのはCNN日本版のみ。本家CNNは
そのような報道はしてなかった。
*6 発見者は太陽系外からの影響を主張している。


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T.K. [MAIL]