皇帝の日記
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朝起きると、カボサンルーカスに到着している。 メキシコ西海岸は、氷柱が垂れてるみたいな形の半島があると思うが、その先端の部分に船を停める。 北米の観光客が、最も気軽にバカンスに来れる所。
本日は、パイレーツツアー。 100年前に作られた、本物の海賊船に乗って、半島の近くまで行き、そこでシュノーケリング。
ジャバ夫さんは、すっかりシュノーケリングのファンになったので、朝からうきうきしている。 パイレーツ船に乗り込むと、思ったより新しげな船。 船長の話だと、一部は100年以上前の船をそのまま使っているが、大部分は70年前の船のパーツで、エンジンは最近のものだそうだ。 ペンキもきれいに塗られていて、古い感じがしない。 ちょっと残念。
船には、船長と、船長の息子と、船長の息子の嫁と、その4ヶ月の赤ちゃんが乗っていた。 もうすぐ赤ちゃんが産まれるのだというと、抱っこさせてくれた。 たら、でかい。 赤ちゃんがでかい。 皇帝の体の半分くらいある。 顔なんか、すでに同じくらいの大きさなんじゃないだろうか、というくらい。 うう、やはり西洋の子供はでかいのか。 4ヶ月と言いながら、首もしっかり座っている。 きっとこの子は、船酔いなんかしないんだろうな、と思った。
さて、シュノーケリング。 明度はやっぱりいまいち。 でも岩場が多かったので、魚は沢山居た。 フグを追いかけて、バシバシ泳いで行く。 と、なんだか腕や足が、チクチクする。 でも大して痛くないので、「チクチクします〜」とか言いながら、かまわず泳いでいた。 後でわかったが、チクチクしていたのは、目に見えない程小さなクラゲで、後日ばっちりクラゲ型に赤くなっていた。 皇帝にしては珍しく、腫れも無かったので、きっと毒性もあんまりなかったのでしょう。 ジャバ夫さんは痒がっていた。
午後にはもう船に戻って、シャワーを浴びてのんびりモードに。 後は、またドンブラコッコとロスに帰るだけ。 船内の劇場で、ハルクの新作を上映していたので、観に行く。 ハルクスマーッシュ!とか、必殺技を叫ぶハルクに大笑い。
映画の後、今夜はフォーマルナイトなので、正装するように、と通達を受けて、ドレスに着替える。 母が兄を妊娠している時に着ていたドレスを着る。 お腹がゆったり。 夕日を見にデッキにあがると、ものすごい強風で、両手足を広げたら、飛んで行けるんじゃないかと言うくらい、煽られた。 タイタニックのポーズをとったら、間違いなく飛ぶくらい。
夕飯を食べてから、売店でなんか良いお土産ないかな〜と探してみたが、面白いくらいになにも無い。 ダイアモンドセールとかしている。 価格帯がお土産ではない。
夜はシアターへミュージカルを観に行く。 ショーのたぐいは、入場料を取られるわけではないので(つまり、はじめから料金に含まれている)見ないと損なのだ。 入場料を払っていないせいか、子連れが騒いでいると、普段なら目くじらたてて怒る奴らが、比較的寛大。 トイレに立ったり座ったり、出入りしても、特に誰も嫌な顔をしない。 三歳くらいの小さな女の子が、舞台の上のダンスにつられて、通路で踊りだして、かわいかった。
ショーが済んだら、ロビーでシャンパンタワーのパフォーマンスが行われ、ジャバ夫さんが皇帝の分まで飲む。
そういえば、パイレーツ船に同乗していた老人が、ものすごくジャックニコルソンに似ていた。 というか、むしろ本人なんじゃないか。 と言うくらい似ている。 「ジャックニコルソンに似てるって言われませんか?」と声をかけるのは、失礼なんだろうか。 いや、でも、なんでスパイダーマンのキャップをかぶっているのか。
悶々としていると、隣でジャバさんも、人差し指をクイクイ曲げて、シャイニングのポーズをとっている。 そして、目で皇帝に訴えかけている。 そうですよね、ジャックに似てますよね。 ああ、でもそんな事を、この狭い船の上で言って良いものだろうか。 人違いかもしれないし。 着替えのTシャツや、持ち物は、ことごとくユニバーサルスタジオのキャラクターグッズ。 間違いない。 間違いなくロスの映像関係者だ。 だとしたら、きっと彼の人生で100万回くらい、ジャックニコルソンですか?と聞かれているだろう。
結局聞けなかった。 そして夜は、狙ったかのように衛星テレビで、ジャックニコルソン特集を放送していた。 あー聞きたかった。
皇帝

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