のづ随想録 〜風をあつめて〜
 【お知らせ】いよいよ『のづ随想録』がブログ化! 

【のづ写日記 ADVANCE】

2005年01月30日(日) 長風呂の日々

 長風呂のお供だった『解夏』を読み終えて、さあ次は何を読もうか、というところだった。まだ読んでいない、さだまさしの自叙伝的小説『精霊流し』もいいが、今のように珍しく読書虫が疼いているときは、あえて違うセンもいいだろう。こういう状況でないと、なかなか新しい本に触れることが無い。インターネットで書評などを調べてみればいいのだろうが、それがその本を手にするきっかけになることは、少なくとも俺には、ない。
 『解夏』の解説文を寄せていたのが重松清。この解説文が、さだファンである俺の心をくすぐった。その内容をここで再現することは控えるが、重松氏もさだまさしの曲を愛している一人であることがしみじみ伝わる内容だった。さだファンに悪い人はいない。ならば重松作品を読んでみようじゃないか、ということになった。安直です。
 知らない名前ではありませんでした、「重松清」。
 どうも、こう、イメージ先行で敬遠してたような気がする。ほら、まず名前が重たいでしょう。様々な陰謀と策略が蠢く大企業の裏舞台を描く長編経済小説かなんか書いてそうなイメージじゃないですか。文庫本の表紙はリアルな艶めかしい女性があったりする、あんな感じ。
 早速、金曜日の夕方、会社から読書家の友人へ『重松清のお勧め作品を教えてくれ』メール。ものの数分でリアクションしてくるんだからありがたい。信頼できる友人のオススメ、というのはインターネットや雑誌の書評より説得力があります。で、帰宅途中に前述の『精霊流し』と、友人のお勧めの一冊『ナイフ』を購入しました。
 嬉しがって“のづ写日記”の方に表紙の画像を載っけてしまったけれど、『本の表紙をネットに出すのは、ちと、不味いのでは』と大学時代の後輩から指摘が。おいおい、そーいうことはもっと早く言ってください。その後輩からもいくつかのお勧め本を紹介してもらった。
 しばらく長風呂の日々が続きそうだ。そんな時間を作るためにも、残業もほどほどにして帰宅するようにしよう、と思い始めているので、読書虫は各方面に良い影響を及ぼしてくれそうです。




2005年01月25日(火) 珍しく読書気分

前回の、15,000アクセス突破という記念の日にわずか数行の更新でお茶を濁したら、貴重な読者様より『それだけかよ』のお叱りメールをいただきました。ナニにしろリアクションを頂けるというのは嬉しいものです。

 相変わらず、風呂で何か読んでいることが多い。元来の超寒がり、冬風の中を帰宅することもあって、必然的に長風呂になる。先週くらいまでは古本屋で買ってきた漫画を読んでいた。マニアなら知っているだろう島本和彦『吼えろペン』とか、懐かしい魔夜峰央『パタリロ!』とか。もちょっとまともな本も読もうかと、最近読んでいるのが短編小説集。
 『解夏(げげ)』(さだまさし著)は、昨年の鳥取出張中、大学時代の仲間に薦められた小説集で、そのときにもココで紹介したはずだ。鳥取滞在中はタイトル作品の『解夏』という短編しか読んでいなかったのだが、出張を終え自宅に戻ってみると、荷物のどこかに紛れ込んでしまったのか、この文庫本がしばらく行方不明になっていた。書店でこの文庫本が平積みになっているのを見るにつけ、なんど再び購入してしまおうか、と思ったことか。幸い、年明けにこの本がクローゼットの中から発見されたため、最近改めて読み出した次第で。そういえば、今日、出張帰りの新幹線で、この本を紹介してくれた仲間から久しぶりにメールが届いた。奇妙なタイミングだ。
 通勤電車の中では、ネットからダウンロードした「電子文庫」を電子手帳に入れて読んでいたりもする。このスタイルは多少電車が込んでいても片手で読めるので便利である。最近では久しぶりに「シャーロック・ホームズ」なんて読んでしまってやたら懐かしかった。「プロジェクトX」も電子文庫化されていて、100円と格安だったのでセブンイレブンの創業の話を購入して読んだ。値段並みのボリュームしかなくて、あっさり読み終わってしまったけれど。
 手軽に読める、という点で電子文庫は非常にありがたいのだが、いまいちネット上での検索性が良くないことと、読みたい本が少ないのが玉にキズ。珍しく読書気分なうちに、あれこれ読んでみたいのだけれど。



2005年01月23日(日) 感謝

いま、どーいう状況かというと、ベッドの中でココを更新しています。手持ちのCLIE(電子手帳のようなモンです)を家の中の無線LANでネットに接続し、ちまちまとこの文章を入力しているわけですね。早く寝ろよ、俺。今日はこの一言だけは申し上げておこう。『15000アクセス突破、ありがとうございます』 なんか、知らない間にこんなになってました。これからも細々と更新を続けてゆきますので、今後ともよろしう。



2005年01月10日(月) 「亀屋」と「木村屋」、どっち?

 ――と言っても、出かけた本人はツマのみ。我が社は国民がえへらえへら笑って休んでいる祝日ももそもそと通勤電車に揺られ仕事をしなければならない極悪非道な会社なので、俺は行けなかった次第で。
 ウチは初詣は浅草寺、と決まっている。俺自身は詣でるお寺にこだわりはないが、ツマがもう十数年初詣に浅草寺に足を運んでいるのだ。今年は正月休みが中途半端に短かったので、夫婦そろって出かけることが出来なかった。会社が始まってしまうと、オットはなかなか時間がつくれないでしょ、というわけで、ツマが我が家を代表して初詣に挑んだのだ。
 初詣に行くと必ず買うのが“人形焼”。ご存知かどうか、浅草寺で人形焼といえば「亀屋」と「木村屋」。ウチの夫婦は頭が悪いので、毎年、こんな疑問を繰り返しているのだ。

『「亀屋」と「木村屋」、我が家が好きなのはどっちだっけ?』

 たしか「木村屋」だったよね、とかあやふやなことを言いながら店の前で列をなす行列に並び、その一方だけを買って帰るので問題が解決しないまま数年が過ぎる。確か、結婚して初めての初詣のときに、贅沢をして両方の人形焼を買って食べ比べをしたことがあって、その時に夫婦揃って出した答えが、

『浅草の人形焼は「○○屋」に限る!』

――だった。この伏せ字のところがいつも思い出せない。ばかだ。

 今日、仕事から帰ると、テーブルの上に小さな包みがふたつ並んでいた。
「お、買ってきたね、両方」
「いよいよ、“我が家が好きな人形焼はどっち”の問題が解決されるときがきました」
 俺は人形焼は後回しにして、ツマが用意してくれた夕食のかにチャーハン。ツマは俺の前に座り、ふたつの包みからひとつずつ人形焼を取り出した。
「ツマが好きな“五重塔”の人形焼を食べてもいいですか?」 と聞くので、どれも変わらないでしょう、好きにしなさい、と許可。
「ナニを言っているの。“五重塔”の人形焼は他のと比べてカステラ部分がやや多いんだよ」
 ……そんなこと考えたことないです。
「木村屋の人形焼はメインじゃないほうの店があるじゃない? あっちに行ったからすぐに買えたんだけど――」 ツマがこのふたつの人形焼を手に入れる過程を熱く語りだした。「――亀屋はちょっとてこずったのよねえ。亀屋は職人のおじさんがたった一人で作ってるのね。それも一度に6個しか焼けないフライパンみたいなやつ? あれで作ってるから大量生産できないみたいなの」
 ツマはまず「亀屋」の“五重塔”のてっぺんをぱくりとやり、お茶でそっと流し込んだ後、同じように「木村屋」の“五重塔”のてっぺんを口にした。
「――ふむ、ふむ。なるほどね」 人差し指と親指を交互に舐めながら、彼女はうなずいた。俺は彼女の審判を待った。
「亀屋です」
「亀屋ですか」
「亀屋です。間違いありません。買ったばかりのときに両方を隠れて食べたときはわからなかったけれど――」
「(浅草寺に独りでお参りに行って、人形焼を立ち食いしたのか、この人は……)」
「冷めたのを食べると違いが分かります。亀屋です」
 改めて、我が家が愛する人形焼は「亀屋」に認定された。ココを更新し終わったら、俺も冷めたコーヒーのお供に「亀屋」と「木村屋」の食べ比べをしてみよう



2005年01月09日(日) 便利なものがいっぱい

 昨年後半から、我が家は電脳の家と化した。
 秋が終わる頃にPHSからケータイに乗り換え。このおかげで迷惑メールに悩まされることとなったが、それは前回にお話した。
 オット(私のことですね)が新しいパソコンに乗り換えた。テレビが観られて、DVD作成も出来る一体型VAIO。もともとMacユーザーだったが、さまざまな面での制約と、数ヶ月に亘る長期出張に持参するためのノートPCにWindowsパソコンを手に入れたことから、徐々に我が家でのメインPCはWindowsとなっていった。この年末、「我が家にパソコンが4台もあるのは尋常ではないので、ほとんど使っていないiMacをどーにかしてください」とツマに攻め寄られたため、iMacは実家に里帰りすることとなった(実際は大晦日の大雪の影響で元旦に帰省することが出来ず、いまだに車の中に積んだままになっている)。
 このVAIOを購入するに当たって、Bフレッツとかいう常時接続環境を同時に導入した。これがびっくりするくらい速くて、それまでダイヤルアップや“家の中から”PHS接続していた自分はなんだったんだろうと回顧してしまうくらいだ。
 この夢のようなインターネット環境は、深い眠りについていたツマパソコンを復活させた。というよりは、
「我が家を“インターネットつなぎたい放題”にしてほしい」
というツマの要望が背景にあったといっていいだろう。ツマはなぜか“つなぎ放題”ではなく“つなぎたい放題”と表現する。
 ツマの旧型パソコンを“つなぎたい放題”にするため、無線ルータと無線カードを買ってきて、ついに我が家は無線LAN環境すら整ってしまったのである。俺はこの環境を利用して、寝床でPDAからインターネット接続したりもしている(意味が分からない人は無視して結構)
 そして、年末にすべりこみで導入したHD&DVDレコーダー。いや、これが便利。
 今のところDVDはソフトを再生するだけだけれど、なんといっても番組を録画するのに直接ハードディスクに録画できてビデオテープが不要、というのは想像していた以上に便利だ。ツマは一本のビデオテープに何度も何度も重ね録りを繰り返し、かなりテープがへたってくるまで使い倒すタイプなので、特に重宝がっている。まあ、俺は俺でパソコンにテレビ録画をして夜中にこっそり『タモリ倶楽部』を楽しんだりしているのだが。
 ホント、便利な世の中になったものです。



2005年01月04日(火) 迷惑メールは本当に迷惑だ

 昨年、それまで使っていたPHSに別れを告げ、ケータイに変えた。
 当然、ケータイアドレスも変更になるわけだが、世の常である“迷惑メール対策のため、英数字を組み合わせた、分かりにくいアドレスにしましょう”というセオリーをまったく無視して、英字がたった4文字のアドレスにしたら、これがまた迷惑メールの嵐となった。
 最初のうちは着信拒否などで対応していたが、だんだんそれでも足りない状況になってくる。まあ兎に角そのテのメールが日に数件、年末年始はちょいと油断している隙に4、5件の迷惑メールが舞い込んでくるようになってしまったのだ。
 元旦早々、ツマがかなり低いテンションで俺のケータイを持ってきた。
「変なメールが来てるよ……」
 ほら、メールが着信するとケータイのサブ画面にそのタイトルと内容の一部が表示されたりする機能があるわけですね。運悪くツマがその着信の瞬間を見てしまい、よからぬ想像をしてしまったらしい。
 だいたい、この迷惑メールのタイトルがすごい。一応、品行方正で売っているこの「のづ随想録」だけに露骨なタイトルの表現はここでは避けるが、

『☆えっちな写めーるいっぱいサイト☆』
『結構マニアックサイト、萌え〜なんてね♪』
『完全無料でエロゲット♪』

 エロゲットって言われても。
 この辺は直球なタイトルだが、中にはなんとかそっち方面にアクセスさせようと凝ったタイトルのものもある。

『ケイコです! なんで返事くれないの?』
『あゆみさんからメッセージをお預かりしています(本日限り)』

 なかなか考えてるな――などと感心している場合ではない。おそらくツマが目にした迷惑メールのタイトルはこのあたりのものでなかったか。これはもう平穏な家庭生活の根本を揺るがしかねない。
 そんなわけで、ちょいとケータイのアドレスも変更してみた次第で。

 この後者の『タイトルで語りかける』タイプの迷惑メールは、確かにどれどれどんな内容か、と見てしまうのも分からなくはない。ケイコやあゆみという女性に知り合いがいなくても、だ。
 しかし、もうちょっとヒネりがほしいところだ。こんなタイトルでは一発でアダルト系迷惑メールだと判別されてしまい、本文を開かせることができないではないか。いや、別に迷惑メールを送りつけてくる側の気持ちになる必要はまったく無いが、そこはいつもの悪い癖で、こんなタイトルだったら――と考えてしまう。
 いろいろ頭を捻ってみたが、こんなのはどうだろう。

『ジャイアンツにドラフト2位で指名されました!』

 ばかばかしくて、面白いと思うが。



2005年01月03日(月) 箱根駅伝

 『箱根駅伝』に、それほど思い入れがあるわけではなかった。
 結婚するまではほとんど興味がなかったが、ツマが陸上競技好きで、特に学生陸上は詳しく、箱根駅伝に出場する選手などはしっかりインプットされているほどである。そんなツマの意見を尊重し、我が家の正月はこの箱根駅伝を軸に過ごすことと決まっている。往路スタートが2日、復路が3日のそれぞれ朝早い時間なので、このテレビ中継を見逃すことがないようにオットの茨城の実家には元日に、ツマの実家には二日の夜、それぞれの実家へ顔を出す、というスケジュールが組まれることになる。最近では母校が出場したりもしているので、俺なりに多少興味をもつことが出来るようになった。

 年末の30日に、ツマと近所のダイエーに買い物に出かけたときのこと。
 地下の食料品売り場を徘徊していると、パン売り場の大きなワゴンにこんなPOPを見つけた。

『箱根駅伝 がんばれ早稲田大学』

 俺の住む街のはずれのほうに早稲田大学のナントカ学部がひっそりとあることは世の中にはあまり知られていないだろう。たしかスポーツ科学に関連する学部で、一部の体育会系の学生が集まっている学部らしい、ということを耳にしたことがある。
 今回の箱根駅伝では早稲田大学が出場しているので、その辺のことがこのPOPに表れているのだろう、と俺は思った。
 ん? そのPOPをよく見ると、こう書いてある。

『箱根駅伝 がんばれ早稲田大学 競争部』

 分かる、言いたいことは分かる。“陸上部”のことを早大ではそう呼んでいるのだろうということも推測できる。しかし、何かが違うぞ。
『競走部』
――ではないのか。

 『競走部』と『競争部』では、根本的に取り組む競技が違うような気がする。
 『競走部』がいわゆる陸上競技であるとき、『競争部』が取り組みそうな競技でまず真っ先に思いつくのが『早食い競争』。水を張った洗面器に顔をつける『息止め競争』もありそうだ。多少陸上テイストを醸したとしてもせいぜい『パン食い競争』くらいだろう。
 名門早稲田大学の『競争部』がどんな競技に励んでいるのか、それを考えるだけで時間が過ぎていった正月休みであった。


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