のづ随想録 〜風をあつめて〜
 【お知らせ】いよいよ『のづ随想録』がブログ化! 

【のづ写日記 ADVANCE】

2004年11月28日(日) 日曜の午後、ドトールコーヒーにて

 休日出勤が続く。
 ここのところちょっと込み入った仕事を手がけているので、最近は土日も会社へ足を運ぶことが多い。ちょうど先週はほぼ一週間、会社の研修センターに軟禁状態でもあったので、本来の仕事が捗らなかった、というのも起因している。
 今日は気分を変えよう、と思った。
 会社に向かう足を止めて、こうして、途中のドトールコーヒーで自前のノートパソコンに向かっている。すでに、カバンにノートパソコンを入れているあたりで確信犯。パソコン仕事だから会社じゃなくてもある程度は進められるし、なにより環境を変えたい、というのがあったのだ。店の2階でしっかり陽が差してくるし、すこしだけ空けられた窓からいい風が入ってきて、ドトールの安コーヒーでもそこそこリラックスできる。いや、リラックスしに来たんじゃない。仕事もせずにこんなばか文章を打ち始めているのだから本末転倒ではあるのだが。ただ、俺の隣に座る19、20の小娘が吸う煙草の副流煙だけはなんとかしてほしい。
 師走の声も聞こえてきて、いよいよ今年もラストスパート。昨年は愛媛県への長期出張を言い訳に年賀状を殆ど出さなかったので、今年はしっかりやらなければならない。そのためには懸案事項であるパソコン&プリンタの買い替えも本格的に検討しなければならんだろうか。そうだ、仲間との忘年会もあるな。俺とツマの実家に贈らなければならないお歳暮も手配しなきゃ。クリスマスも近いぞ。家の大掃除もあるのか。
 仕事どころではない、山積されるプライベートのあれこれ。



2004年11月27日(土) 携帯電話の弊害

 それまで愛用していたPHSからauの携帯電話に乗り換えて約1ヶ月、多少、覚悟はしていたことなのだが、どこでどうなっているのか、やはりアヤシげなメールが時折舞い込んでくる。
『特別ご優待です』というタイトルで届いたそのメールは、もうその時点でアヤシい。送信者の名は『美和』。俺はドリカムの吉田美和以外、その名前に見当つかないし、その彼女とは数年前に一度横浜アリーナへライブへ出かけただけの付き合いなので、たぶん彼女は俺のことを知らない。だから、『美和』なる人物からメールが届くことはありえないのだ。見れば、内容は言わずもがなであった。
 届いたメールについて、端末から『アドレス詳細表示』という機能を選ぶと、メールの送り主のアドレスやら詳細データが表示される。
 goodbyby0550568370@emwntygxsln.ie。
 もう、見るからにどうしてくれよう、というアドレスだ。だいたい、最後の『.ie』ってなんだよ。この部分って、たしか国名が表されるんじゃなかったっけ。
 ま、ご存知のように、俺の新しい携帯電話のメールアドレスはアルファベットだけのかなり安易なものなので、どこか秘密基地の大型コンピューターからランダムに携帯電話アドレスを作成・送信されたとしても、見事にヒットしてしまうだろう。もっとこう、ややこしいアドレスにしたほうがいい、というのは理解できるのだが、そーいうの、嫌いなんです。

 で、今日。

 休日出勤で会社のパソコンに向かっているとき、携帯電話にメールが届いた。またも知らぬ女性の名前。“通話料無料奥様マル秘TELS●X”だの“出張ホスト募集〜能力次第で100万以上も可能”だの、勘弁して欲しい。なんだよ、能力次第って。どれどれ、とまたメールの送り主のアドレスを確認してみた。
 その画面には、メール送信者のアドレスと一緒に、その送信者が送った相手のアドレスも表示されるようになっている。このアヤシメールは俺の携帯電話に届いているのだから、この部分には俺の携帯電話アドレスが表示されるはずだ。当たり前だよね。
 それが、違う。
 俺のアドレスと1文字違いのメールアドレスなのだ。
 いやいやいやいやいや。郵便局の配達の優しいおじさんじゃないんだから、宛名が“阿部”になって1文字違ってっけど、これは安部さんち宛のだんべよなあ──って届けられる年賀状とは訳がちがうぞ。1文字違うメールアドレスなのに、なぜ俺に届く。

 こんなことってあるのでしょうか。どなたか、この辺の事情に詳しい方は教えてください。



2004年11月23日(火) 毎度々々の研修センターから

 またまたわが社の研修センターでの軟禁生活が始まった。昨晩から金曜日の夕方まで、俺は中途入社社員研修の事務局および講師として4泊しなければならない。っつーことで、今、研修受講者は全員宿泊部屋に戻ってしまったという無人の研修ルームで俺はばか随想録を更新しているというわけだ。──あ、今、突然、研修ルームの扉が開いて、研修センターのフロントの人が夜間巡回にやってきた。
「あ、お仕事中申し訳ございません」
 と、彼は申し訳なさそうに姿を消したが、必要最低限の蛍光灯の下、(ただ片付けていないだけの)資料を散乱させた机の上でノートパソコンをぱちぱちやってるスーツ姿の社員(=俺)を見れば、そりゃ仕事をやっているようにも見えるでしょうよ。すいませんねえ、フロントさん。

 ちょいと時期はずれですが、先週、いよいよ解禁となったボジョレー・ヌーボーのお話。
 俺は大のワイン好きであるツマのご機嫌を伺うべく、そしてノルマ的社内販売に協力させられる形で、かなり早い時期に3本も予約をしていた。ボジョレーが解禁になったその朝、営業魂に満ち溢れた先輩社員の直接販売攻撃に見事惨敗した俺はさらに1本買わされることとなり、4本のボジョレー・ヌーボーを持って帰宅した。折からの土砂降りに満員の西武池袋線はかなりシンドかったけれど、これもまあツマが喜んでくれれば、というツマ孝行な気持ちで俺は解禁になったばかりのボジョレーを持ち帰ったのだ。
 ココ最近はインターネットショッピングで目新しいワインやお得なワインをまとめ買いするようになったツマ。俺の長期出張中にいつのまにか購入していたワインラックに寝そべるワインが少なくなると、
「在庫がなくなってきた…」
 と肩を落とす。
 この日はたまたまツマのワインラックにはつい数日前インターネットで買い集めた、彼女のお眼鏡にかなったワインがずらり並んでいて、それはワインをあまり飲み慣れない俺にとってはちょっと壮観でもあった。
 そして、そこに俺がツマのために買ってきた解禁ボジョレーが4本も加わるのだ。ツマが喜ばないわけがない。
「すごいね、ツマ、かなりワインが在庫されてますなあ」
「そうなの。見ているだけでうれしくなるでしょう」
「全部で何本あるの?」
「ええとね、16+4本」
「すごいね。20本もあるのか」
「んんと、16+4本」
「……なんで俺が買ってきたワインが“足す4本”扱いなんだ」
「我が家では補欠です。だいたいボジョレーって、軽くて私の好みじゃないのよねえ」

 ツマ孝行、惨敗。
  



2004年11月11日(木) オムライスが好き。

 オムライスが好き。

 たとえば今日のように、ツマはお友達と食事をして帰るのでオットのご飯は作っておきますよ、というような場合、その候補メニューにあがるひとつがオムライスである。
 家に帰って冷蔵庫を開けると、それはまだチキンライス状態で皿に盛られている。味噌汁もこさえてあるので、ひとまずそいつをガスコンロにかけ、同時にフライパンを強火で空焚きしておく。チキンライスを電子レンジで温めている間に、ランチョンマットをテーブルに。さらに冷蔵庫から卵を2個取り出し、味噌汁のお椀に割る。かちゃかちゃと卵を溶いていると程なくして電子レンジがちーん。少し多めに油をひいて、熱々になったフライパンへ一気に溶き卵を流し込む。ふつふつと膨れ上がる溶き卵をお箸でかき混ぜて、しばらく後に火を止めます。あとは余熱でちょいちょいと卵を返しながら、かなり半熟気味の玉子焼きを作る。間髪をいれずそいつをチキンライスの上へ。そしてお箸で玉子焼きをタテに割いて左右に広げれば、とろとろ半熟のオープンオムライスの出来上がり。卵を溶いたお椀に卵が少しだけ残っているのはそのままに、味噌汁をそこに注ぎます。すると、卵がほんの少しだけ味噌汁に浮かんで、これがまたちょっと美味いのですね。オット専用木製スプーンでオムライスをがしがしとやっつけると、我ながらあっという間に平らげてしまう。

 いい年齢になってナンだが、オムライスが好き。



2004年11月07日(日) 愛すべき後輩“達”

 土曜日、心待ちにしていた大学時代の仲間達との呑み会があった。どれだけ俺がこの集まりを心待ちにしていたかというと、出張先の島根県出雲市のビジネスホテルで身支度を整えながら、
「よし、“今日”だよな……」
 と呟いたぐらいだ。
 俺は約30分ほど遅れて約束の店に到着した。羽田空港から荷物を抱えたまま、直行である。場所は上野のとあるタイ料理店。子供連れが二組も参加するという呑み会の場所に“タイ料理”をチョイスする後輩達をどうか責めないでやってほしい。
 久しぶりに顔を合わせる連中だったが、ビールで乾杯をして、話が始まれば時間が学生時代に逆戻りするのは、まあ、今までの集まりとなんら変わりはない。
「のづさんのホームページ、読んでますよ」 こう言われるのは気恥ずかしいが、やはり嬉しくもある。「こないだの『愛すべき後輩』でしたっけ。俺じゃなくてSの事だけが書いてあったんで……」と、今回の幹事役のYがイジケる素振りを見せた。
 どうやらスーパーサイヤ人にはなり損ねたようだったが、その後輩Sは懐かしい人懐っこい笑顔で俺を迎えてくれた。彼の奥さんも昔から顔見知りではあったけれど、まったく変わらず美人さんのままで少し驚いた。なにより、もうすぐ3歳になろうという彼の子供が可愛いこと。この子が俺のことを「おじさん」とでも呼ぼうものなら店からつまみ出してやろうかと思っていたのだが、「おにいさん」と呼んでくれたので一緒にお絵かきをして遊ぶことにした。
 後輩のI夫妻もまだまだ小さい子供を連れての参加だった。ダンナのほうは相変わらず些細なことで皆んなにツッコまれている。これはもうキャラというよりは“体質”といった方がいいかもしれない。彼の奥さんは子供を抱きながらきっちりお母さんだ。子供はと言えばお母さんにウリ二つで、なんだかもう孫のように可愛い。
 女性参加のM。俺が大学4年生のときの新入生。「おいM、ビール呑むか」と俺がビールピッチャーを差し出したら、
「あぁ……?」
 とタメ口以上の対応。これが学生時代ならその場で説教2時間コースだが、まあこれもご愛嬌。ジョッキから溢れそうな泡をこぼすまいと、口から迎えに行って泡を啜るその姿はもうおっさん以外の何者でもない。学生時代はいつの間にか呑み会からフェードアウトしてしまうタイプの娘だったのに、この変わりようはなんだ。頼もしいのか、悲しいのか。
 旧姓Aと会うのも久しぶりだった。自分がアルバイトでやっている仕事を“老人介護”と評するあたりは彼女も変わっていない。彼女の結婚生活がそうさせたのかどうかは分からないが、少しだけ綺麗になったような気がした(気がしたけれど、本人に言うとつけあがるのでその場では黙っていた)。
 俺と同級のシンゴ(これはニックネーム。本名からは想像もつかないニックネームなので、あえてそのまま表記しました)も顔を出してくれている。キャラに似合わず乾杯後はウーロン茶に突入するオトコ。

 ココロから楽しい時間を過ごさせてもらった。
 それぞれの生活の中で、これからますます皆が忙しくなって、こんな夢のような時間を持つことも少しずつ難しくなってくるのだろうか。俺はまだまだ半人前以下なので、できればこんな素敵な仲間達とひと時を過ごすことでエネルギーを分け与えてもらいたいと思っている。


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