のづ随想録 〜風をあつめて〜
 【お知らせ】いよいよ『のづ随想録』がブログ化! 

【のづ写日記 ADVANCE】

2003年03月28日(金)  開幕

 滋賀出張生活は続く。
 いよいよプロ野球が開幕した。出張生活が続いているのでさすがに開幕戦を見に行くことは出来なかったが、やはりこの時期になると、こう、気分的に盛り上がってくるものだ。今年も俺のジャイアンツライフが始まるのだ。その記念すべき開幕戦・巨人―中日戦のテレビ中継だけは絶対に見逃すことは出来ない。毎度のごとく残業などをしていたら中継を見逃すどころか、深夜のスポーツニュースのチェックすら覚束なくなる。
 一方では仕事はいよいよピークを迎えており、それはそれはキレそうになるくらいバタバタと忙しくなってきている。おまけに一緒に出張に来ていた仲間の一人が一足先に出張を終え帰ってしまうことになったから、彼の分の仕事がそっくり俺にふりかかってきた。
 残業必至。
 とにかく開幕戦の今日だけは残業したくなかったので、木曜日の夜から翌朝まで徹夜で仕事をしていた。電話はならない、他の社員の雑用の面倒をみることもない、順調に仕事は進んでいった。まあ、しかし、要はテレビが見たいから徹夜で残業をしている――ということであり、それはそれでいかがなものか、という意見はこの際聞く耳持たないからほっといてください。
 で、夕方には仕事を放棄して事務所を後にした。途中、ファミリーマートでビールとおつまみを買ってテレビ観戦の準備は万端である。
 試合は両エースの熱投と開幕戦の緊張感で二転三転する見ごたえのあるゲーム。途中、同じようにテレビ観戦をしているらしいツマからケータイにメールが。どうやら彼女もいまだにペタジーニの加入には一言あるようである。
 残念ながら我がジャイアンツは3−7で敗れたが、まあ、それはそれでいい。とにかく、プロ野球が開幕してくれたのがなにより嬉しい。



2003年03月23日(日)  限定

 滋賀出張生活は続く。

 こちらに来て、友人に教えてもらうまで知らなかったのだが、コーヒーショップチェーンのスターバックスで販売されているオリジナルマグカップに『地域限定』というものがある。
 携帯電話のメールで友人とちょっとしたやり取りをしているときに、彼は『スターバックスのマグカップで“滋賀限定”というものがあるので、それをゼヒ送ってほしい』とリクエストしてきた。
 絶対ウソだと思った。
 俺は奴に担がれている。俺が彼の話を真に受けてのこのことスタバのショップに行き、「地域限定のマグカップをください」などと言って、「ナニ言うとんねん、自分」と店員に嘲笑われるのを期待しているのだ。絶対ウソだ、と思った。
 しかし、こんなばかげた話を信じて本当にスタバへ行き、哀れ三十路の出張サラリーマンは店員に笑われるというのもココのいいネタになるのだと思い(その発想自体が涙を誘う)、店員の失笑を覚悟で俺は大津パルコに近くのスタバへ足を運んでみた。するとどうでしょう、さすがに滋賀限定、というものはないものの、関西圏であれば『京都限定』、『大阪限定』のマグカップがある、と可愛らしい店員さんが懇切丁寧に教えてくれたのだ。余談だが、スタバのほとんどの店員さんは接客がしっかり教育されていて、非常に好感が持てるなあ。
 で、俺は友人のリクエストに応え、京都限定のマグカップを送り、先日行った大阪でも大阪限定のマグカップも手中に収めた。
 俺も出張の終わりには、この“限定マグカップ”を買って帰ろうかと悩んでいる。俺はなぜか昔からマグカップが好きで、家にも結構な数のマグカップがある。これ以上マグカップが家の食器棚の中で増殖していったら、ツマは確実に嫌がるであろうなあ。



2003年03月16日(日)  逗子

 滋賀出張生活は続く。
 滋賀出張生活は続くんだけれども、今コレをどこで打ち込んでいるかというと神奈川県は逗子。出張で滋賀に行ってるというのに、その出張先からさらに出張で神奈川にまで行っているのである。もうナニがなんだか訳がわからない。逗子にウチの会社の研修センターがあって、俺はその宿泊部屋に会社のPCを持ち込んで滋賀の仕事をやっている。なかなかハードに動き回っているなあ、と関心、関心。

 プロ野球も開幕までカウントダウンとなり、ああ今年もあの興奮の日々が訪れるのだなあと今から待ち遠しい。
 で、今日は日本野球の聖地・阪神甲子園球場で行われた『阪神─巨人』のオープン戦を観戦してきましたよ。今季、初のプロ野球観戦が伝統の『阪神─巨人』というのもどうも幸先がいいじゃないか、今年もいい年になるんじゃないか、と訳のわからないことを呟きながら三塁側内野に陣取りました。生憎、朝から演歌のような驟雨がそぼ降っていて、背中を丸めながら折り畳み傘の下での観戦。試合そのものは5回コールドで終わってしまったけれど、ライトスタンドの阪神ファンの地鳴りのような歓声を生で聞くことが出来て、これはこれでココロに染み入りました。
 慌てて阪神電車に飛び乗り、心斎橋方面へ。前回の滋賀グルメツアーに引き続き、『大阪プチグルメツアー』だ。テーマは“ベタ”。
 なにしろ時間がない。心斎橋にたどり着いたのが2時過ぎで、5時過ぎには新大阪へ舞い戻って“のぞみ24号”に飛び乗り神奈川へ向かわなければならないのだ。今回は下調べがろくにできていないので、かつて大阪に転勤していた頃に培った大阪的“ベタ”知識を思い出し、難波のどまんなかにある『金龍ラーメン』と『大たこ』のたこ焼きを食しました。どちらも数年振りに食ったので、激しく感動的に俺の胃袋を刺激しました。特に『大たこ』で食べたたこ焼きは、やはり本場のたこ焼きは本当にうまいのだなあと実感した次第で。
 本当は『自由軒』のドライカレー、『神座』のラーメン、『ぼてじゅう』もしくは『千房』のお好み焼きというベタグルメを制覇したかったのだが、時間がそれを許さない。後ろ髪を引かれる思いで俺は御堂筋線に乗り込み、新大阪駅へ向かったのでした。俺が滋賀にいるうちに、もう一回やるよ、『大阪グルメツアー』。

「おいおい、ずいぶんテキトーなグルメツアーレポートだな」と思ったでしょう。俺もそう思います。本当はもっと詳細に書きこみたいんだよねえ。デジカメ写真も撮ったし。いやあ、なんつったって、今からまだ仕事の書類を作り上げなきゃならんのですよ。
 んなことで、本日はこれにて。ばたばたばた。



2003年03月09日(日)  転用

 俺の大切な友人の一人が仲間内のホームページを作ってくれていて、そこの伝言板では日夜ばかトークが繰り広げられている。
 今日、実に久しぶりに充実した休日を過ごした俺は、画像もアップできるその伝言板上に『のづ随想録特別編』として、写真つきでその模様を紹介した。
 ばしばしとテキトーに書いたわりには、内容そのものは気に入っている。で、その仲間内以外にも読んでいただきたい――ココを読んでいる“仲間内以外”の人数というのは、じつはかなり少数なのだが――ということで、その内容をここに公開する。
 画像がないのはご勘弁いただきたい。「ならば、その仲間内のホームページとやらのURLを教えろ。そこまで読みにいくから」という根性のある人もあるかもしれないが、それもご勘弁を。

※ ※ ※

 滋賀出張生活は続く。
 今日、日曜日は久しぶりに休日らしい休日を過ごした。数日前、表紙の“まるごと近江グルメ”というコピーに魅せられて買った『まっぷる滋賀』を片手に、グルメドライブに飛び出した。言ってみれば“ひとりグルメ番組レポーター”である。

 準備は万端。土曜日は毎度のごとく休日出勤だったが、早めに仕事を切り上げ、事務所を出たのが七時前。そのまま『野洲・ほほえみの湯』なるスーパー銭湯でまったりした後、食事を済ませ帰宅。一週間分の洗濯をやっつけ、NHK『爆笑オンエアバトル』でひとしきり笑い、じっくり『まっぷる滋賀』で予習を行った。ぶっちゃけ、観光にはほとんど興味はない。テーマは、そう、“ひとりグルメ番組レポーター”。
 目指す店の開店時間に合わせ、出発時刻を朝9時に設定。明日は喰うぞお……。

 目が覚めたら、11時。――言葉も出ない。 おまけに雪まで降ってんじゃねえかよ……。
 普段なら、この“雪が降っている”という事実だけで外出する気が失せてしまうのだが、今日は違うぞ。
 とにかく、慌てて身支度を整え、俺は会社の営業車に飛び乗った。目指すは滋賀県長浜市。


『鳥喜多』 親子丼(大盛り) 650円

 高速を走らせること約1時間。営業車として使っている車はレンタカーなので、CDも聞けてしまうという超高級車だ。浜田省吾、Babe(覚えてないよねえ)、ユニコーンのベスト盤、1981〜1983年CD選書ベスト(これには名曲『子供達を責めないで』が収録されている)という、かなり偏ったCD4枚をBGMに、俺は目当ての『鳥喜多』に辿り着いた。
 この店は親子丼がとにかく有名らしい。鶏肉好きの俺はまず『まっぷる』のこの情報に食いついたわけで。
 なるほど、『まっぷる』に書いてあるとおり、15人位の行列が出来ている。30分ほど並んでようやく店内に入ることが出来た。芸能人のサイン色紙がいくつか並んでいるところをみると、『まっぷる』の情報も大げさではないようだ。テーブルが8つほどの小さな店、壁の品書きを見れば、有名な親子丼のほかにもメニューはたくさんあって、いわば一般の蕎麦屋がどういう経緯か親子丼が有名になってしまった、とも思ったが、やはり屋号から考えるとまさにこの店の看板商品なのだろう。
 で、出てきた親子丼が、これ。

 見て分かるように、とろとろの半熟卵の中央に新鮮卵の黄身がずどんと鎮座しておられる。これを優しく崩してさしあげて、全体に絡ませながらほふほふと頂く。なかなかイケる。
 しかし、高速道路を1時間走り、高速道路料金2200円を払い、さらに駅前駐車場代300円を払ってまで食べる親子丼かといわれてしまうと、これが「?」だ。
 今後、俺はこの『鳥喜多』よりも旨い親子丼を探して、この「?」を追求してみたい。


『あゆの店 きむら』 鮎雑炊 800円

『鳥喜多』を出て、さてどうしたものか、と空を仰ぐ。
『鳥喜多』の裏手に長浜市の観光名所でもある『黒壁スクエア』なるところがあるのだ。観光にその重きを置いていない今回ではあるが、まあ、話の(つまりコレを書く)ネタにでもなれば――と、その観光エリアを散策してみることにした。
 歩き出して30秒ほどのところで、その店を発見した。店頭には『鮎雑炊』の文字が。
 事前学習の中でもチェックしていなかった店だったが、この「鮎+雑炊」というタッグにずがんと打たれた。だって、どっちも好きなんだもん。
 大盛り親子丼を食べ終わってものの数分後に、俺は『あゆの店 きむら』で件の鮎雑炊を元気よく注文していた。これ、この次々とナンカを食べてゆくさまが“ひとりグルメ番組レポーター”。
 で、出てきた鮎雑炊がこれ。

『まっぷる』にも掲載されていたが、滋賀のご当地グルメといったら“近江牛”“鮒寿司”“鴨”そして“鮎”だそうだ。“近江牛”はいずれタイ米……いや大枚はたいてでも旨いのを食ってやろうと思っているが、この“鮎”は完全ノーマーク。そのシーズンを大きくはずしているとはいえ、トライするに十分なアイテムである。
 頂いた鮎雑炊、上品なお出汁に炊かれたご飯の上に焼き鮎の身がちりばめられている。あつあつのお出汁と一緒にごはんと鮎の身を口に運ぶと、鮎の身の優しい甘みと焦がした皮の香ばしさが口中から鼻腔を一気に駆け抜ける。実に旨い。一粒も残さずに頂きました。

 満足感に満ちて店を出た俺は、『黒壁スクエア』のことなどすっかり忘れ、駅前駐車場に舞い戻ったのでした。


『伊吹野そば』 おろしそば 750円

 長浜市の市街から伊吹町がそれほど遠くない、ということを改めて『まっぷる』で確認すると、俺は車を東へと走らせた。
 何度かネタにもしたことがあるように、俺は“蕎麦”にはちょっとうるさいぞ。薀蓄を語れるほどではないにしろ、旨い蕎麦屋があると聞けばあまり苦にすることなく足を運ぶ性質である。あれこれ調べた(仕事の合間に本屋で立ち読みをした)結果、滋賀では俺のハートをくすぐるような蕎麦屋を発見できなさそうだと思っていたのだが、『まっぷる』を読んで、むむっと思った。
 滋賀県伊吹町が蕎麦の発祥の地だという。
――そうだったかな。俺の曖昧な知識では確か山形県、という記憶があるのだが。まあ「発祥の地」なんて看板はどこにでもあるからな、などと思いながら走っていると、車はすっかり田舎道に入ってゆく。ま、とりあえず「発祥の地」たる伊吹野そばってやつを食ってみようじゃないか、というわけだ。
 もうちょっと走ればそこはスキー場、というあたりで店を発見。すぐそこにそびえる伊吹山はまだまだ雪化粧を落としてはいない。吹きすさぶ寒風はまさに真冬のそれであった。
『伊吹野そば』の建物はありがちな日本式ではあるものの、構えがどうもドライブイン風でまず出端をくじかれた。
 時間のせいもあったが、店内は2、3組の客がいるだけ。それでも引き戸のところに『本日は大変込み合っておりますので、係の者がご案内するまでお待ちください』などと表示を掛けたままにしている。昼時はどうだったか知らないが、この時間までこんな表示を残しておくなよ……と、ややテンション下がり気味。
 注文は、『まっぷる』にもあったオススメのおろしそばにしてみた。まず、これが失敗だった。
 で、出てきたおろしそばがこれ。
 ――あんまりショックだったんで、デジカメに収めるのも忘れてしまいました。
 俺は、初めて訪れる蕎麦屋ではまず間違いなく“せいろそば”を注文することにしている。種(天ぷら、油揚げなどの、蕎麦にのる具のこと)に誤魔化されることなく、蕎麦とつゆがストレートに味わえるからだ。
 何を血迷ったか、俺はガイドブックそのままにおろしそばなんてものを注文してしまった。これは大皿に盛られた蕎麦の上につゆをぶっかけるスタイルなので、蕎麦の楽しみの一つでもある“蕎麦湯”を味わうことが出来ない。
 一口蕎麦をたぐって、俺のテンションはさらに下がった。
“つなぎ”が多くて、蕎麦の香りがあまりしない。かけつゆもちょっと甘め。少なくとも俺の好みではなかった。
 まあ、こういうこともあるよなあ……と俺は黙っておろしそばを食った。
 こういうときでもグルメレポーターは「ああ、コシのあるお蕎麦ですねえ」なんてカメラに向かって笑顔を浮かべなければならないのだろうなあ。


 一時間半かけて帰宅。途中、マンションの近所の本屋で立ち読みをしていたら、ちょっとだけ胃が痛み出した。そりゃそうだわな。数時間で三食もたいらげたんだから。
 それでも、楽しい休日だった。
 どんなに遅くても4月上旬には出張生活が終わることになりそうなので、これからは休日のスケジュールをしっかり立てて、滋賀ライフを楽しもうと思う。

 で、“ひとりグルメ番組レポーター”が夕食に選んだのはこれ。

 明日も頑張ろう。



2003年03月07日(金)  食傷

 3月末から4月アタマには出張から帰れると思うと、どうも自炊しようという気になれない。
 一応こちらに来る際にはツマから米を持たされた。なにより『ほかほかご飯』が好きな俺は、たまにはご飯を炊いてあつあつのご飯を食べることもあるだろう、と思っていたのだ。
 しかし実際はどうだ。想像以上に忙しい毎日。フツーに忙しいのは全く苦にならないが、こう、ストレスのたまる忙しさとなると話は別だ。身もココロも疲れ果て事務所を後にする。10時、11時を過ぎていることはざらで、そんな時間から部屋の狭い台所で背中を丸めて米を研ぐ気にはどうしてもなれない。
 で、外食が続くわけだが、滋賀に来て1ヶ月強、いいかげんに外食にも飽きてきた。

 俺の住むあたりは『来来亭』というラーメン屋が有名で、関西版のラーメン紹介本の滋賀のページには必ず掲載されている店だ。俺は滋賀についた2日目の夜には早速食べたのだが、確かに旨い。しいて言えば、関東で言うところの“とんこつ醤油”系のテイストで、麺はストレートで長浜ラーメンのそれに近いかもしれない。注文のときに麺の固め、柔らかめはもちろん、背油多目、ねぎ少な目、スープ濃い目……など細かく指定できる。
 ラーメン好きの俺はこの『来来亭』の他にもほとんどの有名なラーメン屋を制覇したが、これが不思議なことに、『来来亭』を含めたどこの店もだいたい同じようなラーメンなのだ。かつて大阪に転勤になっていた頃に好きだった『第一旭』も、なるほどこのテのラーメンと同類であった。どろどろス−プでおなじみの『天下一品』も今では東京都内でも食べられるので有り難味が半減(しかし、都内で食べるのとは確実に味が違う)。かくして、あっという間にラーメンに飽きてしまった。
 国道沿いにある『天輪うどん』という旨い讃岐うどんを食べさせる店はずいぶん早い段階で発見した。大盛りは無料だし、土曜日には“たらいうどん(釜揚げうどんみたいなもんです)”が食べ放題となるので、かなり通いつめた。週に三度ほど行っていたこともあったので、夜のアルバイトの女の子とは顔なじみになるほどだったが、いくら旨いうどんも食べ続ければさすがに飽きる。
 事務所の近くに『とら吉』というこ汚い定食家があって、ここもかなり愛用した。なにより、日常の食事に近い“定食”が食べられるというのは、同じ外食をするのでも気分が違う。ただ、ここの定食のメニューが、とんかつだのチキンカツだの焼肉だの、かなり肉体労働者向けメニューが多く、飽きるのも早かった。
 「滋賀まで来て、なんで吉野家に行かなあかんねん」というスタンスのもと、チェーンの外食店には行かないようにしていたのだが、外食の選択肢が狭められてくるとやむを得ず足が向かうこともある。牛丼チェーンはもちろん、『餃子の王将』、カレーの『CoCo壱番館』、カツ丼の『かつや』などなど。最近では何を食べたらよいか本気で悩むので、『ガスト』の目玉焼きハンバーグがとてつもなくおいしく感じてしまうこともある。

 今日は“何を食べたらよいか本気で悩む”のピークを迎えたようだった。
 訪問先から誰もいない事務所に帰ってきたのが8時過ぎ。ひとり残業をこなし、(なんでこんなことやってんだろ)とか理由のない苛立ちを感じ出したので11時前に仕事を放り出して事務所を後にする。
 「さて、なに喰って帰ろうかな……」
 営業車に乗り込んでエンジンをかけるが、めぼしい場所が思いつかない。そのままアイドリング状態で約5分、俺は放心していた。

 食生活の乱れは、精神衛生上も、良くない。


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